モトリーフール米国本社、2020年5月11日投稿記事より

著名な投資家、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)の今年の株主総会は、5月2日にライブ配信で行われました。

投資家が次に注目するのは、証券の保有状況などより具体的な投資行動を知るための情報が記載された「フォーム13F」です。

バフェット
(画像=Motley Fool)

運用残高が1億ドルを超える資産運用会社は、毎四半期末から45日以内に、期末現在の保有資産状況を同報告書により米証券取引委員会に開示する義務があります。

バークシャーは通常、期限の1日前に提出しますが、今回は5月14日がその日に当たります。

発表よりも45日前の情報という点では、フォーム13Fはウォール街や投資家にとって市場のセンチメントを測る完璧な方法とは言えませんが、それでも投資の精鋭たちの行動のトレンドを理解する上で、重要な資料です。

バフェット氏や同氏が率いるバークシャーの運用チームはそれほど頻繁に証券売買をしませんが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、同社の保有資産の内容には幅広い業種で大きな変化が起きているようです。

株主総会の中で、バフェット氏はバークシャーが4月に4億2,600万ドル相当の株を買い、65億1000万ドル相当の株を売ったと説明しました。

これを反映したフォーム13Fの開示は8月半ばになります。

第1四半期のキャッシュフロー計算書によれば、バークシャーは同期間中に40億ドル相当の株式を購入しています。

確実に購入がわかっているのが、ヘルスケア・サービス会社のダビータ(NYSE:DVA)です。

フォーム4の開示によれば、同社は3月16日に同銘柄を47万株購入し、保有株数は3,800万株に引き上げられました。

これはダビータの発行済株式の30%超に相当します。

私たちはいつ病気になるのか決めることはできません。

一般に医薬品、医療機器、医療サービスを提供する企業は、パンデミック下の苦境に比較的よく持ちこたえています。

最近発表されたダビータの第1四半期の業績は売上、利益ともに市場予想を上回りました。

バフェット氏の投資判断は結果を出したと言えますが、これは40億ドルの第一四半期の株式購入のうちの3300万ドル程度に過ぎません。

筆者の推測では、バフェット氏率いるチームはこの他に、JPモルガン・チェース銀行(NYSE:JPM)、バイオジェン(NASDAQ:BIIB)、クローガー(NYSE:KR)等のポジションを積み増したと考えられます。

バークシャーの保有株式の中でバンク・オブ・アメリカ株は2番目に高い残高比率を占めています。また、金融銘柄に関して持ち株比率が10%を超える場合には開示義務があるため、同銘柄をバークシャーが積み増したとは考えにくいです。

JPモルガン株の年初の保有比率は2%で、さらに高める余地は十分ありました。JPモルガンは大手銀行の中でもトップクラスの総資産利益率(ROA)を維持しており、バフット氏はCEOであるジェイミー・ダイモン氏を称賛しています。

株価が年初から34%下げていることからも、買い増した可能性は高いでしょう。

バフェット氏のチームは、新規銘柄のポジション構築に長い期間を費やすことで知られています。

昨年第4四半期に新規にポジションを構築した医薬品大手のバイオジェンとスーパーを運営するクローガーについても、第1四半期中も買いを継続したと考えられます。

それでは売却銘柄はどうでしょう。先日の株主総会では、航空大手4銘柄を手放したことを報告していますが、これは4月以降の投資行動と考えてほぼ間違いないでしょう。

キャッシュフロー計算書によれば、第1四半期中の株の売却額(償還を含む)は22億ドルにのぼります。

筆者が思いつく銘柄をあげるとすれば、これまで時間をかけてポジションを削減していた、あるいは最近大きくポジションを削減したという点から、フィリップス66(NYSE:PSX)、チャーター・コミュニケーションズ(NASDAQ:CHTR)、トラベラーズ(NYSE:TRV)、ゴールドマン・サックス(NYSE:GS)でしょう。

例えば、石油・ガス開発会社のフィリップス66のバークシャーの保有株数はかつて8,000万株と、バークシャーのポートフォリオの中で最大の比率を占めました。

しかしバークシャーは現在、ライバルであるオキシデンタル・ペトロリアム(NYSE:OXY)に出資しており、フィリップス66の保有株数は22万7,436株まで削減されていました。その名は今回のフォーム13Fから消えている可能性もあります。

また、バークシャーはこれまでにケーブルテレビ会社のチャーター・コミュニケーションズへの投資で大きな利益を得ており、長期的にポジションを徐々に削減しています。

現在、バリュエーションは予想株価収益率(PER)40倍と、増益率4%という失望的な業績結果からも割高な状況にあり、第1四半期中にもポジションの削減が進んだと考えられます。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Sean Williamsは、バンク・オブ・アメリカ株、を保有しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)、バイオジェン株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)のオプションを保有しています(2021年1月の200ドルのロング・コール、2021年1月の200ドルのショート・プット、2020年6月の205ドルのショート・コール)。