お客様の見通し
(画像=tadamichi/Shutterstock.com)

ここでは、お客様の今後の見通しを3つのパターンに分け、それぞれどんなアドバイスを行えばよいのか取り上げる。

いま、新型コロナウイルスが世界に広がっている。拡散を防ぐために、主たる経済活動が事実上ストップしており、株式市場は大きく下落した。この下落を予測できた市場関係者はいない。

一方で、海外投資家の2018年度における日本株の売買額は、バブル期以来の高水準な「売越」だった。約10年のサイクルで大きなリセッション(景気後退局面)が来ることが知られているからだ。

経済は循環しており一定のサイクルで波がくる。基本的に相場は、短期間で小さな上下運動を繰り返しながら、長期間ではさらに大きな上下運動を繰り返す。その波動の長さと大きさを様々な要素から分析するのがアナリストやストラテジストの仕事だ。

金融機関の担当者はそこまで専門的な分析を行う必要性はないが、お客様の見通しを踏まえたうえで運用提案を行わなければならない。以下では、積立投資を行っているお客様や、追加購入を考えているお客様の相場観に合わせて、どんなアドバイスを行うべきか取り上げたい。

お客様の相場観は、①十分下落したのでここから反転する、②大きく下落したがまだ途中であり、底が見えない、③まだ下落するが、一定のタイミングで大きく反転する──の3つに分かれる。それぞれに合わせたアドバイスを見ていこう。

1.近いうちにコロナ前まで相場が戻ると考えるお客様