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(画像=Matej Kastelic/Shutterstock.com)

外債リスクなどが指摘される中、運用の軸をどう定めればいいのか。

4月に発表された日本銀行の金融システムレポートで、金融安定上のリスクの1つとして「金融市場の大幅な調整に伴う有価証券関係損益の悪化」が挙げられた。特に地域金融機関は、資金運用の一環として国内外の投資信託を積み増しているため、海外資産価格の変動の影響が大きいとしている。

長期にわたる低金利環境と国債の大量償還に直面してきた地域金融機関は、新型コロナウイルスの問題が発生する以前から債券デュレーション(運用期間)の長期化、外国証券投資の積極化、そしてリスクを抑えるための分散投資を図ってきた。

すなわち、ポートフォリオ構築による分散投資という考え方が金融機関に浸透し、それに基づいた資産の積上げが行われてきたといえよう。複数のアセットクラスや運用手法を組み合わせた、分散投資ポートフォリオのミニチュア版投資信託「マルチアセット」の残高も増えている。

ポートフォリオ運用も将来は定かではない