サラリーマンとして働きつつ、不動産を所有して不労所得を得る――。サラリーマン大家という生き方に憧れを抱く人は多いでしょう。

今回は、成功事例・失敗事例をもとに、サラリーマン大家を目指すための戦略を考えていきます。

サラリーマン大家とは?ダブルインカムで豊かに生きる人達

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(画像=Fahnur Jingga/Shutterstock.com)

サラリーマンとして会社から給与収入を得つつ、不動産を所有し大家として家賃収入を得る人たちは、「サラリーマン大家」などと呼ばれます。

最近では、老後資金の積み立てや、本業のリスクヘッジとして、不動産を所有する人も増えており、サラリーマン大家という生き方は、決して珍しいものではなくなってきています。

ひと昔前まで、「不動産オーナー」のイメージは二極化していました。一つは、不動産の賃貸を生業とするいわゆる「大家さん」のイメージです。アパートを借りたら、建物内の別の部屋や、アパートの隣の土地に大家さんが住んでいたという経験をしたことがある人もいるでしょう。このような「大家さん」は他の仕事はせず、物件管理も自分自身で行うケースがほとんどでした。

もう一つは、大型のオフィスビルや都心の土地など、億単位の不動産を所有するいわゆる「富裕層」のイメージです。資産管理は専門家に任せ、不労所得で悠々自適の生活を送る不動産投資家が、テレビなどで特集されることもありました。

サラリーマン大家は、このどちらのイメージにも該当しません。サラリーマン大家は、サラリーマンとして堅実に仕事をし、本業に力を注いでいます。一方で、身の丈に合った不動産を所有し、着々と資産形成を行っているのです。

サラリーマン大家は、一見「普通の人」ですが、給与収入と家賃収入のダブルインカムを得ています。お金に関することは、親しい間柄でも口にしにくいもの。同じサラリーマン仲間だと思っている人も、実は不動産を所有し、サラリーマン大家として家賃収入を得ているかもしれません。

現在、「老後2,000万円問題」などの影響もあり、資産運用の必要性は高まっています。「サラリーマン大家」という生き方はその一つの選択肢になりえます。サラリーマン大家の成功事例と失敗事例を比較し、メリット・デメリットを見ていきましょう。

サラリーマン大家の成功事例

40代のサラリーマンであるAさんは、子どもたちが独立したことを機に、老後資金を積み立てる方法を本格的に検討し始めました。

最初は、「不動産投資は富裕層がするもの」というイメージを持っていたAさんですが、参加した不動産投資セミナーでそのイメージが変化し、現実的な選択肢として、サラリーマン大家になることを考え始めます。

「素人の自分に、物件を見極める自信はない」。謙虚なAさんはそう判断し、不動産投資のアドバイザーともいえる、不動産会社探しに力を入れました。書籍を読んだりセミナーに足を運んだりして、いくつかの不動産会社をピックアップします。

その後、担当者との面談を経て、とある不動産会社と契約します。決め手は、二人三脚で不動産投資に取り組めると感じたことでした。物件選びについても、担当者のアドバイスを踏まえ、自分でも現地に足を運んだり事業計画を検討したりして、購入の意思決定をしました。

Aさんが選んだのは、東京の中古ワンルームマンションでした。物件価値が下がりにくいことから、東京都内という立地にはこだわりました。また、初期投資額を抑えて慎重に不動産投資を始めたいと考えたAさんにとっては、中古ワンルームマンションが最適でした。

最初は思うように行かないかもしれないと心配していたAさんですが、始めてみると特に時間や手間がかかることもなく、安心しました。その後、入居者の退去もあったものの短期間の空室で次の入居者が決まり、当初の想定よりも安定して家賃収入を得ることができました。

Aさんはその後も、堅実に複数の中古ワンルームマンションを購入し、リスクヘッジをしつつ着実に資産形成を行っています。

普段の暮らしぶりは変わらないAさんですが、着実に収入の柱を作ることができ、老後資金の目処が立ちつつある状況に満足感を覚えているとのことです。

成功事例にみるサラリーマン大家がとるべき戦略

Aさんがサラリーマン大家として成功した理由は、どこにあったのでしょうか。Aさんの成功事例から、サラリーマン大家がとるべき戦略を解説します。

初心者にも安心の東京の中古ワンルームを選ぶ

いきなり難易度の高い投資手法に挑戦するのは、得策ではありません。不動産投資に初めて取り組むなら、自分に合った物件を選定することが大切です。

具体的には、東京の物件は物件価値が下がりにくく、売却したくなっても買い手が見つかりやすいため、初心者向きといえます。また、初期投資額を抑えるという観点からも、中古ワンルームマンションが最適といえるでしょう。

信頼できる不動産会社をパートナーにする

不動産投資というと、物件選びに目が向きがちですが、本当に大切なのは不動産会社選びです。特にサラリーマン大家の場合、本業があるため、基本的には管理を不動産会社に一任することになります。

だからこそ、パートナーとなる信頼できる不動産会社を選び、上手に付き合っていくことが成功の秘けつです。

サラリーマン大家の失敗事例

30代のサラリーマンであるBさんは、友人が不動産投資で成功したという話を聞き、自分も不動産投資に挑戦しようと考えました。Bさんは早速インターネットで投資物件を調べ始めました。その中の一つに、Bさん好みの新築分譲デザイナーズマンションを見つけます。

デザイナーズマンションの立地は、Bさんにとってなじみのない地方でした。しかし、魅力的な内装と新築である点を考慮すれば、借り手探しに苦労することはないとBさんは判断。利回りもよかったため、思い切って購入に踏み切ります。そして購入した会社のグループ会社に管理を任せました。

Bさんの予想通り、最初は1ヵ月以内に借り手が見つかりました。しかし、管理会社の管理が不十分だったためトラブル対応が遅れ、わずか半年で入居者が退居していまいます。次の入居者はなかなか見つからず、Bさんはだんだんと焦りを感じ始めます。

家賃収入が途絶えると、不動産投資ローンの返済原資は、自分の給与収入から捻出しなければなりません。生活が苦しくなり、Bさんは物件を手放そうと考えます。しかし、新築ブランドを失った地方物件では、なかなか買い手が見つかりません。

5年後にやっと買い手が見つかったものの、購入時よりはるかに低い価格でしか売却できず、Bさんは不動産投資によって数百万円の資産を失う結果となりました。

失敗するサラリーマン大家の特徴

サラリーマン大家を目指したBさんが失敗した理由は、どこにあったのでしょうか。Bさんの事例から、失敗するサラリーマン大家の特徴を解説します。

勉強不足のまま大金を投じる

不動産投資は、軌道に乗りさえすれば、本業に専念しつつ堅実に資産形成できる優れた投資手法です。しかし、初めて不動産投資をする際には、最低限の勉強は欠かせません。不動産投資について情報収集をしたり、戦略を立てたりすることなく、いきなり大金を投じるのは、失敗のもとです。

特に新築物件は、プレミアム価格がつき、実際の物件価値よりも割高になっているケースが多々あります。初めて不動産投資に取り組むなら、優良な中古物件を選ぶとよいでしょう。

物件選びにばかり気を取られ購入後の管理に無関心

成功事例でも言及した通り、不動産投資は物件購入後の管理も重要になります。ノウハウのない管理会社を選んでしまうと、思わぬトラブルに対応に悩まされたり、空室期間が長引いたり、といったことが起こりえます。

長期的かつ安定的に家賃収入を得るためにも、安心して任せることができる管理会社が選ぶようにしましょう。

サラリーマン大家の成否を分かつポイント1.不動産投資手法の選び方

ひとくちに不動産投資といっても、さまざまな手法があります。サラリーマン大家として成功するためには、不動産投資の種類や特徴をしっかり押さえ、自分に合った選択をしましょう。

不動産投資手法を選ぶ際の視点を3つご紹介します。

中古か新築か

初めて不動産投資に取り組むなら、中古物件を選ぶとよいでしょう。

新築はどうしても初期投資額が大きくなりがちなので、初心者にとってはリスクが大きくなります。また、割高になっているケースが多く、購入後に万一売却しようとした場合、購入価格と売却価格の差が大きくなる可能性があります。

優良な中古物件を探し、初期投資額を抑えて不動産投資を始めるのが、堅実な選択肢といえます。

東京か地方か

人口減少が続く日本でも、東京の人口は増え続けており、2020年には1,400万人を突破しました。人が集まるということは、それだけ賃貸需要が落ちにくいということに他なりません。これから不動産投資に取り組むなら、東京の物件を選びましょう。

東京の物件であれば、手放そうと思った場合でも、買い手がすぐに見つかるため安心です。リスクヘッジの観点からも、地方物件より東京の物件がおすすめといえます。

ワンルームかファミリータイプか戸建てか

不動産投資には、マンション投資と戸建て投資があります。マンション投資は、さらに一棟投資と区分投資があります。マンションの一棟投資であれば億単位の投資になることが多く、サラリーマン大家の最初の選択肢として現実的ではありません。また、地方のアパートという選択肢もありますが、上述した人口問題を考慮すれば、リスクは高いと考えた方が良いでしょう。

区分投資の投資先は、ワンルームタイプとファミリータイプに分けられます。ここでは、一棟投資を除いた、ワンルームタイプとファミリータイプと戸建てを比較します。

まず、ファミリータイプと戸建ては、借り手が見つかりにくい傾向があります。これらの物件は、引越しシーズンを逃すと空室が数カ月続くといったことも想定されます。また、古い戸建てなどのケースを除けば、ワンルームタイプと比べると、初期投資額も高くなりがちです。

さらに、購入価格が高い分、家賃も高くなるとは限りません。そのため、初めて不動産投資に取り組むなら、ワンルームマンション投資が安心です。

サラリーマン大家の成否を分かつポイント2.不動産会社の選び方

サラリーマン大家として成功するには、信頼できる不動産会社選びは欠かせません。続いては、不動産会社を選ぶうえで重要な視点を2つ紹介します。

販売と管理をどちらも自社で行っている

まず、販売と管理をどちらも自社で行っている不動産会社を選びましょう。

販売のみしか行っていない不動産会社の場合、購入後は関係性が途切れてしまう可能性があります。極端な言い方をすれば、その後オーナーが損をしようと、不動産会社には何の関係もないということです。そのため、場合によっては、質のよくない物件を紹介される可能性があります。

逆に管理しか行っていない不動産会社の場合、不動産市場の最新情報が入ってこないというケースが起こります。その点、販売と管理をどちらも行っている会社なら、購入後も付き合いが続くため、責任を持って物件を紹介してくれます。また、定期的に不動産市場の最新情報を担当者から得ることができるでしょう。

オーナーが必要とする情報を開示している

興味のある不動産会社があったら、ホームページを見て、オーナーが必要とする情報を開示しているかをチェックしましょう。具体的には、管理戸数や管理物件の入居率などです。

実績の少ない不動産会社は、こういった数字を公開せず、耳障りのいい言葉だけでにごしていることが多々あります。また、実績があってもオーナー目線でない会社は、オーナーが必要とする情報を開示していません。

トップページを見て、オーナーとして知りたい情報がどれだけ含まれているかチェックすれば、それだけで信頼できる不動産会社かどうかある程度ふるいにかけられます。

サラリーマン大家として余裕のある暮らしを実現する

給与収入と家賃収入という2つの収入を得ることで、人生のリスクヘッジが可能です。また、働きながら着実に資産を築くことも夢ではありません。老後は不動産オーナーとして不労所得を得ながら、余裕をもった退職生活を満喫できる可能性も高まります。

堅実に資産を作りたいなら、サラリーマン大家として生きる道を考えてみてはいかがでしょうか?