ワンルームマンションへの投資は、不動産投資の中でも比較的お手軽に、低コストで始めることができます。しかし、始め方を間違えると大きく損をすることになり、それを後から取り戻すことは極めて困難です。

今回は、今後ワンルームマンションへの不動産投資を検討している方向けに、投資で失敗しないために知っておくべきポイントを解説します。

ワンルームマンション不動産投資の落とし穴とは

不動産投資の中でも初心者が挑戦しやすい代表格が、ワンルームマンションへの投資です。ただ、物件選びを間違えてしまうと、投資でお金を増やすどころか、失敗してお金が減っていくことにもなりかねません。

事前に情報を収集し、失敗事例や失敗する理由を理解しておくことが重要です。

新築ワンルームへの不動産投資が失敗しがちな理由

「ワンルームマンション」と一口に言っても、新築と中古があります。

近年、新築ワンルームマンションの建設に対しては、自治体が建築規制を行う動きが顕著です。例えば、1戸あたりの最低専有面積を設定したり、総戸数のうち一定割合をファミリータイプ住戸にするよう義務付けたりといったものがあります。

それでも新築ワンルームマンションの開発は活発に行われており、新築物件には一定のニーズがあります。しかし、新築ワンルームへの不動産投資で失敗した、という事例もあります。

新築ワンルームへの投資が失敗に終わる代表的な理由は2つあります。

1つ目は、不動産投資を始めてみたもののキャッシュフローが回らなくなり、新築ワンルームマンションを売却する(売却時は中古扱い)となった場合に、マイナスになってしまう可能性が高いことです。一度でも入居者が入ると、新築物件の「新築という価値」は下がります。売却時には分譲時より価格が下がることも多く、結果的に赤字として終わる可能性も高いのです。

2つ目は、新築ワンルームマンションを1部屋所有しているだけでは、購入時に相当頭金をいれない限り、キャッシュフローは当面は赤字になってしまうケースが多いことです。新築ワンルームの表面利回り(※)は平均して4%程度と言われます。銀行への返済や管理費、修繕積立金などの支出を合計すると、入ってくる家賃よりもマイナスになってしまうケースもあるのです。

※利回りとは、不動産投資で最も重要な指標とされる、物件価格に対する年間家賃の割合のこと。表面利回り=年間収入÷購入価格で計算される。

新築ワンルームの不動産投資のデメリット

また、新築ワンルームマンション投資の難易度が高い理由には下記のようなものもあります。

価格が割高で利回りが低い

前述のように都心の新築ワンルームマンションの表面利回りは4%前後ですが、中古マンションと比較すると、どうしても表面利回りで2~3%は劣ることになります。

新築物件ではディベロッパーが販売するための宣伝広告費などをかける必要があるため、価格が割高になるからです。

新築でも永久に高い家賃を取れるわけではない

最初の入居者に対しては、「新築」というプレミアム感をセールスポイントとして、相場より高い賃料を提示しやすくなりますが、以降の入居者に対してそうはいきません。周辺の相場に合わせた賃料に設定しなければ、入居者を獲得しづらくなるということも考えられます。

新築でも節税効果は初期だけ

新築ワンルームマンションを投資用物件として購入すると、節税効果を得ることができると言われています。家賃収入は課税対象となり、税務署に利益を申告する義務がありますが、その際に建物の減価償却分や借り入れ金利などを経費にすることが可能です。

ただ、こうした節税の効果が高いのは最初の一年だけです。そもそも利益を出してこそ資産形成が可能になるため、節税効果を期待しすぎるのは本末転倒とも言えます。

リフォーム費用などを想定したシミュレーションになっていない

不動産投資は長期スパンで行う投資だからこそ、収益シミュレーションにも長期的な視点が欠かせません。

しかし、新築ワンルームマンションの場合、新しい物件を買ったから当分大丈夫だろうと、設備を入れ替える費用やリフォーム費用などの支出を想定せずにシミュレーションしてしまうというケースもあるのです。

物件を長期間所有していると、経年劣化に伴い設備入れ替え費用やリフォーム費用などが発生するときがやってきます。場合にもよりますが、数十万円単位のお金が必要になることもあります。

ワンルームマンションの収益計算の事例

長期的な視点で収益シミュレーションができるようになるために、ここでワンルームマンションの不動産投資をした場合の収益計算例を見てみましょう。

例:ワンルームマンション購入費を1800万円、毎月の家賃収入を8万円、毎月の管理費と修繕積立金の合計金額を1万円、固定資産税を年7万円、火災保険料を年2万円、その他不動産会社に払う管理手数料などを年3万円と想定

(収入)
年間の家賃収入:8万円×12ヵ月=96万円
1年間の表面利回り:家賃収入96万円÷物件価格1800万円=0.053
表面利回りは「5.3%」

続いて、「実質利回り」((年間の家賃収入−年間の経費)÷物件価格)を計算します。

(支出)
年間の管理費+修繕積立金:1万円×12ヵ月=12万円
固定資産税:7万円
火災保険料:2万円
その他不動産会社に払う管理手数料など:3万円
計:24万円

実質的な収入は96万円−24万円=72万円となります。

1年間の実質利回り:実質的な収入72万円÷物件価格1800万円=0.04

実質利回りは「4.0%」となります。

ワンルームの不動産投資で失敗しないために気をつけるべきこと

注意すべきポイントや実際の利回りの計算を踏まえて、ワンルームマンションの不動産投資を成功させるために、ポイントを3つご紹介します。

立地を慎重に選ぶ

ワンルームマンションへの不動産投資を成功させるには、立地選びが何より重要です。物件があるエリアのマンション需要を正確に把握し、将来的にどう推移していくのか予測する必要があります。

どんな物件を購入するときも欠かせない視点ですが、予測する際の指標となるのが人口の増減です。人口が増えているエリアではマンション需要が高まり、空室リスクを低減することができます。

一方で、人口が減っているエリアでは、注意が必要です。高利回りで良さそうな物件だったとしても、入居者集めに苦戦するようであれば成功率は下がります。不動産投資を検討しているエリアの人口推移は最初に押さえておきたい情報のひとつです。

ランニングコストを正確に判断する

不動産投資における収支は、収入=家賃とシンプルです。対してランニングコストは複数あるのでしっかりと把握しておきましょう。

固定資産税
火災保険料
修繕積立金
建物管理費
管理代行手数料
借入金の支払元本・利息
減価償却費など

これらのコストを正確に把握し、毎月どれくらいの経費がかかるのか、1年単位にするとどれくらいになるのか、整理しておくことが重要です。

支出を加味したシミュレーションを行う

家賃収入を諸経費の合計金額が上回ると赤字になります。ワンルームマンションの投資では、収入や利回りだけではなく、収支のバランスを考慮しながら、お金に関するシミュレーションを行う必要があります。

ワンルームの不動産投資で中古マンションを選ぶべき理由

これまでワンルームマンション投資における新築のデメリットや注意すべきポイントを紹介してきました。ここでは、ワンルームマンション投資における中古のメリットを解説していきます。

手ごろに買えて利回りがいい

中古のワンルームマンションの魅力は、何と言ってもお手ごろ価格で買えることです。新築と比べるとリーズナブルな価格でローンの借入額を抑えて始められるため、リスクも抑えることができます。

築浅中古マンションなら新築の7~8割で買える

日本財託グループの調査データでは、2019年1-6月に同社が東京23区内で販売した築10年未満の中古投資用マンションと、同一区内で分譲された新築投資用マンションの価格差は平均1046万円でした。(23区内で2019年に新築分譲があった17区において、新築投資用マンションの平均分譲価格は3023万円。一方、同一区内に所在する築10年未満の中古投資用マンションの平均価格は1977万円)

築10年以内の比較的新しい中古マンションであっても、新築分譲中マンションの7~8割の価格で購入できます。一方で、家賃価格帯は1割程度の差しかありません。

ワンルームの不動産投資は都内の中古マンションがオススメ

これまで解説してきたように、ワンルームマンションへの不動産投資を行うなら、東京都内の中古マンションにターゲットを絞るのが賢明だといえます。

全国的には人口が減少する日本においても、特に東京の都心部では今後も人口の流入が見込めます。大学進学や就職を機とした、地方からの人口流入が引き続き期待できるのです。10代後半から20代の若者が集まる一方で、少子高齢化や晩婚化も進んでいます。そのため、ひとり暮らしニーズが高まり続け、ワンルームマンション需要は今後も大きく落ち込むことはないと見込まれます。

ワンルームマンション投資のメリットとは

ワンルームマンション投資を始める前に、知っておきたいメリットを3つご紹介します。

ワンルームの不動産投資は少ない元手で始められる

さまざまな不動産投資の中でも、ワンルーム投資は少ない元手でスタートできる部類といえます。中古ワンルームであれば、立地や築年数にもよりますが、物件購入費は1,000万〜となります。しかもローンを利用することで、自己資金10万円~70万円ほどで始めることができます。

ワンルームの不動産投資はランニングコストが低い

入居者が入れ替わる際の原状回復工事や設備の交換にかかるコストは、部屋の大きさに比例します。ワンルームへの不動産投資は、ファミリータイプの部屋やマンション1棟を所有するのに比べてランニングコストが少なく済むのが特徴です。そのため投資に回せる資金が多くない方でも取り組みやすいといえます。

将来に向けた資産形成になる

ローン完済後、マンションは自分のものになります。給与所得が入らなくなる定年以降、手堅い収入源のひとつになるのです。

また、銀行から融資を受けるとき、団体信用生命保険(団信)に加入すると、自身に万が一のことがあった場合も、ローン残債は債務者にかけられた保険で返済されます。

もし家族を残して自分が亡くなったとしても、家族はローン残債を返さなくても良くなり、賃貸業を続けることができ、マンションは資産として残るのです。

3つのポイントをおさえた上でワンルームへの不動産投資を

ワンルームマンションへの不動産投資は、初期投資が少なく済む分、取り組みやすい投資手法です。その中でも、特に中古のワンルームマンションへの投資は、手堅い選択肢と言えるでしょう。

・立地を慎重に選ぶ
・ランニングコストを正確に判断する
・支出を加味したシミュレーションを行う

これまで解説してきた上記3つのポイントを踏まえた上で、ワンルームへの不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。