新型コロナウイルスの影響による在宅勤務の増加などを背景に、インターネット証券の口座開設が世界的に増えている。株価が下落している今が好機と感じている人が多いことも理由だが、投資を始める際には自身が許容可能なリスクを理解しておくことも重要だ。

新規口座の開設数が急増中

投資
(画像=PIXTA)

欧米では、3月以降に新規口座の開設数が2〜3倍になったインターネット証券会社が目立つようになっている。企業によっては給与が減額している中、自宅にいながら将来の備えをしようとすれば、インターネット証券で投資を始めることが有力な選択肢の一つになるからだ。

しかも、現在は株式投資の始めどきとも言える。価格が下落している局面で株式投資を始めれば、100%とは言えないものの、その後の価格の値上がりが期待できるからだ。

例えば2008年のリーマンショックでは、ニューヨークダウ平均株価はそれ以前の最高値の半分以下まで一時下がったが、その後は株価が回復した。過去の不景気でもいずれも同じような傾向にある。

今、新たにインターネット証券の口座を開設している人の多くが、新型コロナウイルスの影響による不景気のあとも同じようなことが起きると予想しているのだろう。現に東証株価指数や日経平均株価もすでに回復の兆しが見え始めている。

常にリスクコントロールの視点をもつことが重要

ただし、株式投資には常にリスクがあることも忘れてはならない。また、順調に今後株価が回復していかないケースがあることなども想定しておくべきだろう。

特にインターネット証券の申し込みの場合、対面で担当者から助言を受けられる機会などが少なく、リスクについての意識が希薄になる可能性もある。

●株価の値動きについてさまざまな視点を持つ重要性

新型コロナウイルスが株価にどのような影響を与えているかは、主要な株式指数である東証株価指数や日経平均株価、ニューヨークダウ平均株価やナスダック総合指数などのチャートを見ると一目瞭然だ。

2020年の年初から現在までのチャートを見ると、3月中旬から下旬に株価は底をつき、その後は回復していることが分かる。こうした状況から、今後も回復シーンが続くだろうと考える人は少なくはないはずだ。もちろんそのとおりになる可能性もあるし、そうならない可能性もある。

ここで重要なのが、株価が今後どのような要因でどう変動するか、という予測材料を自分の中で持っておくことだ。株式投資は常に株式マーケットの先を読みながら取り組むことが肝心で、チャート上の過去の傾向だけから将来を予測することにはリスクが伴う。

こうしたことを考えると、必要事項の記入や必要書類の郵送だけで口座開設手続きが完了するインターネット証券においては、投資する側が自らさまざまな情報を仕入れようという努力がより必要になることが分かる。

●許容可能なリスクを考慮する重要性

株式投資を始める際には、それぞれが許容可能なリスクについて考慮することも重要だ。株式投資には元金割れというリスクが常にある。どれくらいの損失であれば生活や将来に影響がないかなど、株価が下落してしまったあとの状況も常に気にする必要がある。

改めて言うまでもないが、許容可能なリスクというのは個々人によって差がある。そのため当然、投資の戦略も個々人によって異なってしかるべきだ。

ただ投資初心者の場合、なかなか投資する金融商品のリスクの程度を理解しにくい。であるならば、デイトレードを楽しみたいなどの特別な事情がない限り、短期的な市場の動きに左右されない「長期」「分散」という視点を意識することも重要になるだろう。

「長期分散投資」が有力な選択肢

前述の話ともつながるが、特に投資初心者は許容可能なリスクをしっかり考慮し、まずはローリスクな投資からスタートさせたいところだ。だからこそ「長期分散投資」が有力な選択肢となる。

分散投資とは、さまざまな金融商品や対象国を組み合わせて投資する方法で、1つの金融商品が大きく値下がりしても、全体としてはダメージが少なくすみやすい。また、長期に投資することで価格の変動リスクが小さくなっていくことも知っておきたい。

こうした長期分散投資を行う場合には特に、投資の専門家に運用を任せることができる投資信託が有力な選択肢の一つであり、堅実な資産形成につながるだろう。

インターネット証券での口座開設は確かにスピーディーで便利だが、自分一人で取引を進めることになるため、気づかないうちに必要以上にハイリスクの投資行動をとってしまう可能性もある。利用する際には、自分の投資スタンスや目標を改めて意識する必要があるだろう。