老後を安心して暮らすためには「チョキン」が必要だ。実はこの「チョキン」には2つの意味があることをご存知だろうか。一つはもちろん「貯金」であり、もう一つは「貯筋」を表す。

「貯金」はご存じのとおりお金をためておくことだが、「貯筋」とはどのようなものだろうか。ここでは、運動不足になりがちな人こそ知っておきたい「貯筋」と「貯金」について詳しく解説する。

運動不足になりがちな人こそ知っておきたい「貯筋」とは

貯筋
(画像=PIXTA)

貯筋とは、その名のとおり筋肉を蓄えておくことである。貯金と同じように若いときから筋肉を蓄えておくことで老後の生活に備えるというものだ。老後を安心して暮らすためには、筋肉を一定水準以上、維持しておくことが必要だ。そもそも人の体は、年をとるにつれて骨や血管などあらゆる組織の機能が低下していく。

これは、筋肉も同じだ。筋肉も年齢とともに機能が低下する。特に普段から運動不足になりがちな人は、その傾向が強い。場合によっては、老後に寝たきりになってしまうケースも出てくるだろう。50歳以降は筋力が1年間に1%ずつ萎縮していくというデータもある。

また、年をとってから病気などで入院してしまうと急激に筋力が落ちてしまうことが多い。生活環境に適応できる身体能力である「生活フィットネス」を維持するためには、筋力や持久力、そして柔軟性など、さまざまな要素が必要だが、特に脚の筋力が重要だ。脚の筋力が低下するとイスからの立ち上がりや階段の上り下りがスムーズに行えない状態になってしまう。

このように老後に寝たきりにならずに一定水準の日常生活を送るためには、若いときからの貯筋が必要というわけだ。

貯筋をする方法

貯筋をするためには、どんなことを行えばよいのだろうか。それは、普段からの運動である。お金は不足した場合、借りることができるが筋力は借りることができない。筋力を蓄えることができる唯一の方法は普段から意識して使うことだ。鹿屋体育大学学長の福永哲夫氏は、より身近に筋力を鍛えられるようにと、道具を使わずに毎日できるトレーニングとして、「貯筋運動プロジェクト」を提唱している。

これは、地域スポーツクラブや動画などで貯筋運動の指導や解説を受けられるようにして誰でもすぐに貯筋のための運動をできるようにするというものだ。「公益財団法人健康・体力づくり事業財団」のホームページでも貯筋運動をするための動画を掲載しており、イスに座ったまま運動できる「座位プログラム」と立って運動する「立位プログラム」の2つがある。各プログラムには、基本となる姿勢や脚の筋力を増やすための「つま先上げ」や「もも上げ」などの動画が盛りだくさんだ。

また、同財団における面白い取り組みの一つが、貯金通帳ならぬ「貯筋通帳」を販売していること。「1つの種目を1セット運動するごとに100円が貯金される」というもので、これなら貯金と同じような感覚で楽しみながら貯筋をすることができる。

このように貯筋運動プロジェクトなどを活用して、日々の運動を心掛け、貯筋をすることが重要だろう。

貯筋と貯金の共通点 貯金も使って増やすことを考えよう

筋肉を蓄える貯筋について確認してきたが、ここからは貯金について考えていこう。実は、貯筋と貯金には多くの共通点がある。その一つが老後に向けた蓄えということだ。どちらも不足すると生活していくことができない。具体的には以下のとおりだ。

・「貯金」が不足すると生活に必要な支出をまかなうことができない
・「貯筋」が不足すると身体的に自立した生活ができない

貯金も貯筋も、同じように老後に安心して暮らしていくためには必要なものである。

もう一つの共通点は、「使って増やすことができる」ということだ。貯筋は、若いときから運動をしていくことで増やすことができる。では、「お金を使うことで貯金を増やす」とは、どういうことだろうか。その前に老後にどれくらいの資金が不足するのかを確認しておこう。

2019年に、金融庁が公表したワーキンググループによる報告書「高齢社会における資産形成・管理」では、公的年金以外の老後資金が20年で約1300万円、30年では約2000万円不足すると報告している。しかし、これだけの資金を貯金だけでまかなうのは難しいだろう。

そこで重要なのが、お金を使って貯金を増やすことである。お金を使って貯金を増やす方法の一つが「投資」だ。投資とは、簡単にいうとお金を投じることによりそれ以上の利益などの戻りを期待することである。投資信託や確定拠出年金のように少額からでも始めることのできる投資も多い。この機会に「使って有効に生かす貯筋」のように投資をすることで貯金を加速させることを検討してみてはどうだろうか。

老後に安心した生活を送るためには、「筋肉を蓄える貯筋」「お金を蓄える貯金」のいずれも必要だ。貯筋だけではなく貯金も投資という形で、「使うこと」が増やすことにつながる。貯筋や貯金は、今から始めても遅くはない。安心して老後を暮らすためにも今すぐに始めてみるとよいだろう。