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海外送金の受取人が経済制裁対象国の隣接地に存在するとわかった…

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海外送金にあたっては、我が国とは法令や金融システムが異なる国や地域との取引であることを念頭において、国際社会におけるルールに基づいた対応が求められることに留意しましょう。

具体的には、海外に居住する受取人やその取引先を通じて、送金資金が最終的に経済制裁対象国の居住者等に移転した場合、送金元の金融機関も法令違反に問われる可能性があります。

また、マネロン・テロ資金供与対策が劣っている金融機関として、民事上・行政上の制裁を受けなければなくなるということも考えられます。

実際、経済制裁対象国である北朝鮮に隣接する中国東北地方(遼寧省、吉林省、黒竜江省)に居住する者が、北朝鮮の特産品であるあさりやウニ等の取引をしている例が新聞等でも紹介されています。こうした者に送金を行うと、送金資金が経済制裁対象国の居住者等に移転する可能性があります。

また、金融庁が2018年8月に公表した「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の現状と課題」では、送金先企業の実態・代表者の属性、資金源等、送金のリスク等について実質的に検証が行われず、複数回の高額送金が行われた結果、送金資金が送金先銀行から経済制裁対象国の北朝鮮へ転送された地域金融機関の事例が問題のある事例として紹介されています。

このように、海外送金はリスクが高い取引ですから、海外送金にあたっては、送金依頼人の実態(氏名・住所等の本人特定事項、職業や収入・財産、過去の取引状況等の顧客管理事項)や送金原資(どのようにして得られたのか、送金依頼人の資産なのか等)、送金目的を慎重に確認することは当然といえます。

そのうえで、受取人の属性、送金目的との整合性、送金依頼人との関係等についても調査し、送金資金がリスクの高い国・地域に転送されるリスク等についても検証することが必要です。

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