8 日、日銀の黒田総裁がエコノミック・クラブNYにおける講演会にて、日本経済の先行きに対する慎重な味方に対して言及した。講演の中で、日本経済は2%の「物価安定の目標」の実現に向けた道筋を順調にたどっていると発言し、日本経済の順調性をアピールした。

日本銀行は、昨年4月に『量的・質的金融緩和』を導入。それから約1年半が経過したが徐々に効果が現れはじめた。昨年4月に-0.4%だった消費者物価の前年比は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースでみて、1%台前半まで改善している。

一方、本年4月の消費税率の引き上げ後、やや弱めの経済指標の公表が相次いだこともあって、日本経済に対する慎重な見方が多くなっていることも事実だ。本年4~6月の実質成長率が前期比年率-7.1%と大幅なマイナス成長となった。これに対し、黒田総裁は、「1~3月が駆け込み需要から前期比年率+6.0%と大きくプラスとなった反動であり、事前に想定されていたことだ」と示し、景気回復のメカニズムはしっかりと働き、日本経済は、消費税率引き上げによる一時的な減速を乗り越えて回復を続けていくとみている。

消費者を表す家計部門については『量的・質的金融緩和』の効果を発揮するもとで、需給ギャップは大幅に改善し、ほぼ解消された状態にあるとした。完全失業率は3.5%と、慢性的な失業率を表す構造的失業率と同じ水準まで低下しており、賃金面でも、デフレ期に失われていた労使一斉交渉によるベースアップという慣行が十数年ぶりに復活した。雇用者数の着実な増加と合わせ、雇用者所得は前年比2%を超える伸びになっている。

また、生産者を表す企業部門において、企業収益は改善を続けている。主要企業の売上高経常利益率は、グローバル金融危機前の水準を上回っており、懸念される輸出のもたつきも海外生産移管などの構造的な変化としている。

物価の動向については、『量的・質的金融緩和』導入後の変化をみると、全体として上昇している。黒田総裁は「本年入り後、8か月にわたって1%台前半の狭いレンジで概ね横ばいで推移しているが、前年の同時期に、円安やエネルギー価格の上昇に伴って消費者物価が上昇したことが要因であって、事前に予想していた通り」としている。

続けて、物価については「続く円安に疑問の声が聞こえる中、デフレ脱却へ向け『量的・質的金融緩和』を継続し物価安定の目標を達成する。」と述べた。

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