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リテール分野で一時期は注力されてきた外貨建て保険だが、苦情が増えてしまい、推進への風当たりは強い。これからの説明でも、その後のアフターフォローでも、お客様への説明で十分に納得してもうために、商品の仕組みと対応法を解説する。
外貨建て保険の苦情がなかなか減らない。生命保険協会の調査によれば、2014年度まで1000件未満だった苦情件数は15年度に1239件となり、18年度には2543件にものぼった。19年度も第3四半期までで2000件を超えており、年度でも大きく減るとは考えにくいペースだ(図表1)。

(画像=近代セールス)
外貨建て保険が拡大してきた背景には、国内資産の利回り低迷がある。
日本では1999年2月にはじめてゼロ金利政策が導入された。その後、21世紀に入ると金融政策は手法を変えながらも低金利はなお続き、2016年2月からは「マイナス金利」という新たなフェーズに突入して現在に至る。
この間、日本とは対照的に米国は、リーマン・ショック後の量的緩和政策を14年に終了、15年末には利上げに踏み切った。米中貿易摩擦や新型コロナの影響で利下げを講じたものの、日本よりは高い金利を保っている。