海外旅行や出張にあたり、どこで外貨に両替すればいいのか、逆に外貨を円貨に戻す場合はどうすれば一番得なのか、迷う方は多いかと思います。この記事では、外貨両替レートの仕組みから始まり、各種外貨両替方法のメリットとデメリットの比較、両替のできる店舗やサービスの特徴などを紹介します。

目次

  1. 外貨両替手数料・レートの仕組み
    1. そもそも外貨両替とは
    2. 外貨両替における手数料の仕組み
  2. 主な外貨両替方法、それぞれの特徴とメリット・デメリット
  3. 外貨両替のできる国内サービス
    1. 銀行
    2. 空港
    3. 金券ショップ
    4. 外貨宅配サービス
    5. FX会社
  4. 両替方法はさまざま。余裕を持って調べればお得に

外貨両替手数料・レートの仕組み

外貨両替手数料・レート比較!主要13社のどこがお得?
(画像=bankoo/stock.adobe.com)

そもそも外貨両替とは

世界のほとんどの国々は、その国独自の通貨を持っています。わたしたちが日本国内で買い物するときは、円を使っています。では、海外に行った場合はどうでしょうか?基本的には、その国の通貨で買い物しなければいけません。自国通貨よりUSドルやユーロが幅を利かしている国も少なくありませんが、その場合でもUSドル・やユーロを手に入れなければなりません。

そこで必要になってくるのが、外貨両替です。外貨両替とは外国通貨そのものの売買です。以前は銀行などに限られていましたが、1998年の外為法改正により規制が撤廃され、現在では原則自由となっています。

ただし100万円を超える両替には、報告義務が課されます(マネーロンダリング防止等を目的とした規制)。この場合は、パスポート・免許証などの本人確認書類の他、旅行日程表や出張スケジュールなど外貨を必要とする目的が記された署名付きの書類の提示が求められます。

ちなみに通貨取引は現物の通貨取引以外に、銀行口座間等で決済する外国為替があります。現在では、通貨取引の大部分がこの外国為替で行われています

外貨両替における手数料の仕組み

銀行のWEBサイトには、各国通貨の公示相場が掲載されています。たとえば2月21日午前10時のドル円(仲値:TTM)は112.11円です。電信買い(TTB)は111.11円、電信売(TTS)は113.11円です(三菱UFJ銀行HPより)。

TTM112.11円-TTB111.11円=1.0円が1ドルを売るときに銀行に支払う手数料です。そして、TTS113.11円-TTM112.11円=1.0円が1ドルを売るときの手数料です。

「1ドル1.0円の手数料なら1,000ドルで1,000円、まあ仕方ないか」と思うのは早合点で、現物の通貨両替手数料は電信売買よりグッと割高です。TTBは電信売買での相場であり、現物の通貨両替では、円をドルに了替えする際、CASH BuyingまたはCASH B(現金買相場)のレートが適用されます。現金の両替においては、TTMとCASH Bの差が銀行の手数料となります。

両替のときに直接現金で支払うわけではないので、あまり手数料を意識しないのですが、ここでは10万円をドルに両替したらどの程度目減りするかを試算してみます。

・10万円を米ドルに両替する場合(同じく三菱UFJ銀行の場合)
10万円÷<現金買相場(CASH B)>1USドル114.91円=870ドル
・10万円をTTMでドル換算した価値
870ドル×1USドル112.11円=9万7,535円

つまり10万円の両替で(10万円-9万7,535円)=2,465円かかります。20万円なら倍の約5千円、50万円なら約1.3万円にもなるわけです。決して小さい金額とはいえないでしょう。

しかも、基軸通貨であるUSドルは、最も手数料が低いとされています。例えば香港ドルで同じことをすれば、(10万円-8万5,550円)=1万4,450円も目減りします。

10万円÷<現金買相場(CASH B)>1HKドル16.83円=5,941HKドル
5,941HKドル×1HKドル14.40円(TTM)=8万5,550円

実は手数料は、金融機関によっても差がありますし、やり方によっても安くすることができます。次項から、両替方法や店舗による違いを解説していきます。

主な外貨両替方法、それぞれの特徴とメリット・デメリット

特徴 メリット デメリット
国内で両替 銀行 窓口以外に両替プラザ利用可手数料は銀行間で差が 〇比較的リーズナブルな手数料
〇日本語コミュニケーション
△出発当日は対応不可
空港 空港の銀行カウンターを利用手数料は銀行間で差が 〇比較的リーズナブルな手数料
〇出発当日でも対応可能
〇日本語コミュニケーション
△空港での両替は慌ただしい
金券ショップ 好立地で回転率の高いショップがねらい目 ◎手数料は格安〇日本語コミュニケーション △店によって価格がばらつく
外貨宅配サービス ネットで外貨口座引出または振込→宅配 ◎ネット取引が可能
〇比較的リーズナブルな手数料
〇日本語コミュニケーション
△事前準備期間が必要
△少額では送料が割高なケースも
FX会社 FX口座から必要額を引き出す→空港で受取可 ◎手数料は格安
◎ネット取引が可能
〇日本語コミュニケーション
△FX口座開設が必要
△少額では受取手数料が割高なことも
海外の旅先で両替 空港 現地空港の到着ロビーにあり、フレンドリーさは期待できない 〇不足分の充当に便利 ×手数料が国内より割高
×外国語でのコミュニケーション
銀行 ウォールストリートの銀行など観光名所も 〇不足分の充当に便利 △手数料が割高
×外国語でのコミュニケーション
両替所や大手ホテル 日本語がわかるコンシェルジェがいることも 〇不足分の充当に便利 ×手数料が国内より割高
△外国語が必要な場合も
クレジットカードキャッシング 現地ATMを利用してキャッシング→帰国後返済 〇比較的リーズナブルな手数料 △多頻度使用は手数料が割高に
△ATM操作方法が日本と違うことも
国際キャッシュカード 国内で事前入金→現地ATMで引出 〇比較的リーズナブルな手数料 ×多頻度使用は手数料が割高に
△ATM操作方法は日本と違うことも
街の両替所 香港の重慶大厦のような観光名所もあり 〇不足分の充当に便利 ×高い手数料を請求されるトラブルも
×外国語でのコミュニケーション

まとめると、海外で換金しようとすると(カード利用以外は)手数料が相当割高になるようです。空港やホテルのレートは非常に高く、街の両替所ではコミュニケーション面でも不安が残ります(海外経験豊富なら別ですが)。

やはり、外貨は国内で準備するのが望ましいですが、余った額が多いと円への戻しに手数料がかかってしまいます。必要な額を精度高く見積もったうえで、現地で足りなくなったらカードを利用するのが賢明といえます。

外貨両替のできる国内サービス

ここでは、国内で外貨両替する場合に使えるサービスについて、カテゴリー別に紹介します。

銀行

銀行の場合、営業時間中(原則として平日15時まで)に支店まで出向かなければいけません。最近はどこの銀行も営業拠点を減らしており、窓口を併設する支店もめっきり少なくなっています。

しかも、最近は銀行も支店機能を絞り込む傾向にあり、すべての支店窓口で外貨を取り扱っているわけではありません。それでも東京・名古屋・大阪および周辺エリアは両替可能な支店も少なくありませんが、地方はより厳しい状況です。

とくにメガバンクの場合、両替可能なのは県庁所在地プラス1などという県も少なくありません。地銀はそれなりに両替窓口を設けていますが、ドル以外は事前予約が必要なことも多いです。まずは公式WEBで両替サービス対応を調べたり、電話であらかじめ確認しておくことをおすすめします。

一方、手数料はどうでしょうか?昔は横並びでしたが、今では各行で差が出てきています。できるだけ割安な銀行を探すのが賢い選択といえそうです。

・三井住友銀行の場合
同行は、2018年度より行内における外貨両替サービスを廃止、業務をグループ会社の三井住友信託銀行へ移管しました。信託銀行は外貨サービスの「プレスティア・エクスチェンジ」を設立、都内10か所、中部・関西圏5か所でサービスを展開しています。営業時間はコーナーによって異なりますが、遅いところでは平日21時、土日祝日で19時までとなっています。

取り扱い通貨は21種類あり、手数料は米USドルで2.65円、タイバーツで0.385円、香港ドルで2.43円です。ただし、プレスティアに円・外貨預金を有している場合には手数料がディスカウントされ、米USドルで2.00円まで引き下げられます。

・三菱UFJ銀行の場合
三菱UFJ銀行は、一部支店で外貨両替を取り扱っています。その他、ワールドカレンシーショップを都内だけでも21か所、大阪で5か所、名古屋3か所、京都2か所のほか、札幌、福岡、神戸にて営業しています。営業時間は店舗によってばらつきますが、平日なら20時まで、土曜なら17時まで営業しているところもあります。

取り扱い通貨は21種類あり、手数料は米USドルで2.9円、タイバーツで0.47円、香港ドルで2.43円です。

・みずほ銀行の場合
みずほ銀行は、一部支店で外貨両替を取り扱っており、都内だけでも66店舗が利用可能です。加えて外貨両替ショップを都内だけで10か所営業しており、営業時間概ね17時まで、土日祝に営業している店舗もあります。ショップは支店よりもUSドル(0.3円)・ユーロ(2円)割引しており、お得です。

さらにみずほ銀行は、秋葉原や鎌倉に外貨両替ATMを設置しています。ちなみに秋葉原は、平日24時間営業、土日祝も遅くまで利用できます。

取り扱い通貨は18種類あり、手数料は米USドルで3.0円、タイバーツで0.48円、香港ドルで2.43円です。

空港

空港利用最大のメリットは、事前準備が不要な点です。出発当日でもフライト前の待機時間に両替できるわけで、時間の有効活用という点で最も合理的な選択です。

この点は、旅慣れている人にとってもちろんメリットですが、初めてないしは久しぶりに海外旅行という場合には、事前に両替しておいた方が良いケースもあります。自身の状況に合わせて、自分に最適な方法を選ぶべきでしょう。

もう1つ心配なのが手数料で、実際海外の空港では、観光客に法外な手数料を要求する両替所も少なくありません。では日本の場合はどうでしょう?羽田や成田には銀行系も多数両替カウンターを構えており、支店や市中両替ショップと同じ手数料が適用されています。このような流れから当然、独立系両替サービスも、無理な価格設定をしているところはなさそうです。

・GPAの場合
NAA(成田国際空港株式会社)グループの一角をなすGPA(グリーンポートエージェンシー)は、空港宅急便・海外旅行保険・携帯レンタルなど空港関連サービスを幅広く手掛けており、その1つが外貨両替です。

第1・2・3各ターミナルの出発ロビー(出発審査後ロビーも含む)に計8店舗を構えているほか、到着ロビーには外貨自動買取機を設置しています。

取り扱い通貨は34種類と豊富で、手数料はUSドルが2.6円、タイバーツは0.41円、HKドルは2.33円と、銀行系に比べても遜色ありません

・銀行系カウンターの場合
各銀行は、空港内に両替ショップを置いています。たとえば三井住友系(プレスティア)は、成田空港に4つ、羽田空港に1つ両替ショップを構えます。両空港の店舗とも原則年中無休、羽田空港店舗は24時間営業です。

手数料は、基本的に空港外の支店窓口やショップと同じ設定です。

・SBJ銀行の場合
SBJ銀行はもともと韓国系金融機関が出身母体で、外貨両替に関してはLINE PAYとも提携しています。LINE PAYや同行WEB(普通預金からの引き落とし)で事前に外貨両替を申し込み、出発当日に各空港(羽田または福岡)にて外貨を受け取ります。

取扱い通貨は12種類となっています。手数料はやや高めでUSドルが3.0円です。時期によっては割引クーポンが発行されており、手数料がディスカウントされる場合もありますので、WEBサイトを確認しましょう。

金券ショップ

都内ターミナル駅(新宿駅西口・池袋・六本木・錦糸町・新小岩・銀座)には、外貨両替を扱う金券ショップがひしめき、しのぎを削っています。こうしたエリアは、訪日観光客・在日外国人にとってもアクセスが良いのです。外国人が外貨を持ち込むので、外貨流通の好循環となっている面もあるようです。

平日は20時、土日祝も19時までは営業しているので、仕事が終わってからあるいは休みの日でも利用可能です。

手数料も、都区内各店舗は競争も激しく、大幅にディスカウントしているところが少なくありません。

一方で地方は店舗も少なく、手数料もそれほど安くないようです。

・外貨両替ドルレンジャーの場合
ドルレンジャー最大の魅力は手数料の安さです。USドルで0.65円、タイバーツで0.1655円、香港ドルで0.515円ですから、銀行・空港とは比較の対象にもなりません。

店舗は、新宿西口・六本木・東京駅・銀座三丁目など都心を中心に展開しています。取扱い通貨は14種類で、両替紙幣もUSドルなら100ドル・50ドル・20ドルといった紙幣の中から好きな種類をチョイスできます。

・大黒屋の場合
大黒屋の手数料はドルでUSドル2.0円・タイバーツで0.4円・香港ドルで2.4円ですから、ドルレンジャーには及びませんが、空港・銀行に比べれば割安です。12種類の通貨を取り扱っており、パック販売ではなく紙幣を選ぶことも可能です。

大黒屋の魅力はその営業網で、北は北海道から南は沖縄まで両替可能な店舗を展開しています。とくに競争の少ない地方は強気の手数料設定の店舗がほとんどですから、大黒屋の手数料は魅力です。

ちなみに地方金券ショップの場合、取扱い通貨が2~3種類の金券ショップも少なくありません。そうした点でも、大黒屋は12種類の通貨に対応しており、優位性を維持しています

・チケッティの場合
チケッティの手数料はUSドルで1.00円ですから、ドルレンジャーにはかないませんが大黒屋より有利です。残念ながら購入可能通貨はドル・ユーロの2種類のみとなっています。ちなみに外貨買取は豊富な種類を取り扱っているため、訪日観光客・在日外国人を対象とした外貨買取に力を入れているようです。

いまやインバウンドはアウトバウンド(日本から海外への出国)をはるかに上回り、在日外国人も300万人に達しようとしていることから、マーケット的にはこちらの方が魅力的なのかもしれません。

チケッティは錦糸町・御徒町・千住・新小岩・両国といった都区内東北部を中心に展開しており、周辺に職場やご自宅のある方には便利です。

外貨宅配サービス

外貨宅配最大のメリットは、利便性の高さです。スマホやパソコンで事前に申し込んでおけば、自宅で外貨を受け取れるので、日中は時間のないビジネスパーソンにとってありがたい存在です。時間帯によりますが、最近は当日配送のところも増えてきました。

手数料は、ドルの場合で1ドル3円前後のところが多いようです。送料込みとしている会社と別請求としている会社では、ボリュームメリットに大きな違いが出てきます。

・トラベレックスの場合
31か国の通貨を取り扱っており、24時間受付可能です。自宅配送の場合で、最短翌々日には受取可能です。

送料は10万円以上なら無料、10万円未満なら1,000円です。手数料は米USドルの場合で1ドル3.00円といったところです。

ちなみにトラベレックスは三井住友グループと提携しており、外貨宅配をすべて取り次いでいます。

・マネーバンク
マネーバンクは取扱金額7万円以上、受付時間は8時から20時と若干の制約がありますが、手数料は割安です。米ドルで1.605円、タイバーツで0.1円、香港ドルで0.155円ですから、銀行・空港よりはグッとお得です。しかも送料は無料です。

FX会社

FX口座は本来FX取引のために開設しますが、使いようによっては外貨両替にも利用できます。最近話題を集めているのはその料金、スプレッドと呼ばれる手数料が上乗せされますが、それでも割安です。

ただし、面倒なのはFX取引口座開設の手間です。FX取引をしなくても口座を開設しなければいけないのです。その他、通貨受取時にイニシャルの受取手数料がかかる会社もあるので、あまり少額だと費用がかさみます。

手続きのわずらわしさも、若干ネックです。外貨両替→現金受取手続きをFXサイトにアクセスして処理しますが、専門用語を使用するので投資に不慣れな方はストレスを感じます。

それでも手数料の安さに魅力を感じるなら、チャレンジの価値はあります。

・ワイジェイFX
ヤフーグループのFX企業です。外貨両替単位は1,000単位からですから、USドルの場合は1,000ドルとなります。交換可能な通貨は、米USドル、ユーロ、豪ドル、NZドル、英ポンド、スイスフラン、カナダドル、香港ドルの8つです。受け取り方法は銀行口座への出金で、出金手数料は1件につき1,500円です(この他、金融機関によって着金手数料がかかるケースあり)。

仮に5,000ドル両替した場合には、0.002円×5,000ドル+1,500円=1,510円、1ドルあたりは0.302円です。ただし、いずれの取引も口座を開設していることが条件となります。

・マネーパートナーズの場合
マネーパートナーズの外貨受取サービスは100通貨、つまりUSドルなら100ドルから利用可能で、朝5時30分から7時30分を除いたすべての時間で受付しています。手数料は為替スプレッド(USドルで0.003円)に0.1円をプラスした0.103円です(現受けの場合)

ただし、受け取り方法については注意が必要です。例えば空港受取ができるのはUSドル・ユーロ・スイスプラン・ポンド・中国元・ウォンに限られます。その他に空港受取時に500円かかります(銀行で引き出す場合は、手数料がさらに2,500円にはね上がります)。

5,000ドル交換した場合には、手数料0.103円×5,000ドル+500円ですから1,015円、1ドルあたり0.203円かかります。これが500ドルの場合手数料0.103円×500ドル+500円=552円で1ドルあたり1.104円となりますので、コストメリットがだいぶ薄まります。

マネーパートナーズの場合、両替金額が大きければそれだけコストメリットを享受できるようです。なお、マネーパートナーズも口座開設が条件です。

両替方法はさまざま。余裕を持って調べればお得に

以上、外貨両替の手数料についてまとめてみました。キャッシュレス化・スマホ決済の時代といっても、海外にはまだまだ現金のみが使用できる店やサービスは多く残っています。

利便性も考慮したうえで、極力割安な両替方法を選びましょう。そのためにも、今回の記事が参考になれば幸いです。

※本記事は、2020年2月現在の情報をもとに制作をしております。為替レートと手数料は変動する可能性があります。実際の為替レート、手数料については各サービスの最新情報をご確認ください。

(提供:ANA Financial Journal

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