人生100年時代を想定すると、老後資金は年金に加えて2,000万円が必要ともいわれる現代。老後のための資産形成は、まだ若い現役時代に始めておく必要があります。コロナショックなどの影響で市場が不安定な状況にある中、老後の資産形成の手法としておすすめなのが「マンション投資」です。

ここではマンション投資の基本や、この手法が特にサラリーマンにおすすめな理由を解説していきます。

「投資用マンション」とは

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「投資用マンション」とは、一般的に不動産投資に適した環境、間取り、立地に建つマンションを指します。不動産投資家は、購入した物件を貸すことで家賃収入を得ることになります。

マンション投資の収入源は「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」

マンション投資を行う場合、収入源は主に2通りです。

ひとつは購入した物件を貸し出すことで得る家賃収入です。これを「インカムゲイン」と呼びます。家賃収入は、月々の収入としては大きくないものの、長期にわたり安定した収入として得ることができます。

一方、持っている物件を売却することで利益を得る利益を「キャピタルゲイン」といいます。キャピタルゲインを得るためには、購入時よりも物件価値が高まっている必要があるため、物件の価値や売り出すタイミングを見極めることが重要になります。

投資用マンションの種類

投資用マンションにはいくつかの種類があります。それぞれの特徴をよく理解しておくことがマンション投資においては重要になります。

新築か中古か

当然ですが、中古物件の方が購入時の価格は安くなります。一方で、地域や物件によっては、入居者を見つけるのが難しい場合があります。一方、新築物件は購入時に高額な費用が必要となりますが、比較的入居者を見つけやすいと考えられます。また、売却時には購入時より値下がりする可能性が高いことにも注意が必要です。

東京か地方か

東京は、地方からの人口流入が続いており、投資用マンションを保有した場合でも安定して入居者を確保できるという安心感があります。一方で、地方の物件は、東京と比較すると空室リスクはあるものの、割安で高い利回りが期待できる場合があります

ワンルームかファミリータイプか

マンションには、3LDKや2LDKなど、ファミリー向けの物件もあれば、ワンルームや1LDKなど、単身者向けの物件もあります。ファミリー向けは、一般的に、長く住んでもらいやすく、高い家賃を得ることができるというメリットがあります。しかし、一方で一度退去すると、ワンルームと比較して次の入居者が見つかりづらいというデメリットがあります。

区分か一棟か

投資マンションの中の部屋をひとつ、もしくはいくつか購入することを「区分買い」といい、そのマンション内の全物件を購入することを「一棟買い」といいます。

マンションを一棟購入し、すべての部屋を貸し出せば多額の家賃収入を得ることができますが、その分購入に必要な資金が多くなります。ワンルームに代表される区分投資は、少ない資金で始めることができますが、一つ空室が出ても他の部屋の家賃収入でカバーできる一棟投資に比べると、空室リスクの分散ができないというデメリットがあります。

株式、FX‥他の投資法との比較

マンション投資は、区分から始めた場合でも1,000万を超える金額が必要な場合がほとんどです。最初に大きな資金が必要になるため、「リスクが高い」と感じる人もいるでしょう。一方で、株式投資やFXは、不動産投資と比較して少ない投資資金で大きなリターンを目指すことができます。

しかし、株式投資やFXでは、値動きが大きい分、投資資金がゼロになったり、マイナスになるリスクがあります。 マンション投資は不動産という実物資産への投資ですから、価値がゼロになってしまうようなことは考えにくいです。また、価格が1000万円を超えるといっても、マンション投資ではほとんどの場合、銀行からの融資を活用することができるというメリットもあります。入居者さえいれば毎月確実に家賃収入を得ることができ、その中から融資の返済を進めることが可能です。

そのため、マンション投資は融資と入居者という他人の資本を活用したローリスクで、安定した収益が見込める投資法とも言われています。

マンション投資における利回りの計算方法

マンション投資におけるリターンを考える上では「利回り」を知る必要があります。投資資金に対する収益を%で表示する「利回り」の計算方法を簡単に紹介します。

マンション投資における利回りには、2種類が存在します。ひとつは「表面利回り」、そしてもうひとつが「実質利回り」です。

表面利回りは単純に年間の家賃収入を物件購入金額で割ることで得られる数値です。例えば購入価格1,500万円、家賃7万円の投資マンションで表面利回りを計算してみましょう。

(70,000×12)÷15,000,000×100=5.6(%)

つまり、この物件の表面利回りは5.6%ということになります。

しかし不動産を所有している以上、維持費が必要になります。修繕費用の積立金や、物件管理を委託するための管理代行手数料、さらに固定資産税なども必要経費と考えられるでしょう。

これらの必要経費も含めて計算したものが「実質利回り」です。実質利回りの計算方法は、年間の家賃収入から、年間に必要な経費を差し引き、それを物件の購入価格で割ることで算出します。

仮に上の物件の、年間に必要な維持費を20万円と想定して実質利回りを計算してみましょう。

(70,000×12-200,000)÷15,000,000×100=約4.2(%)

この物件の実質利回りは4.2%ということになります。当然ながら実際に購入して運用していく上で、重要になるのは実質利回りの数字です。投資用マンションの販売図面には表面利回りが記載されていることも多いため、しっかりと実質利回りを計算して比較することが大切です。

初心者によくある失敗は、利回りだけを比べて投資判断をしてしまうことです。しかし金融商品と違って、マンション投資には立地や築年数、設備の有無や間取りなど検討すべき要素が様々にあります。利回りはその中の一つに過ぎないことも覚えておきましょう。

マンションに投資するメリット

上述した通り、マンション投資はローリスクな投資法ですが、特にサラリーマンにとっては、メリットが多いと言われています。その理由を解説します。

サラリーマンは「信用」を生かせる

サラリーマンの最大の武器は「信用」です。一般的にマンション投資を行う際、購入資金を銀行からの融資に頼ることがほとんどです。この融資の審査において、サラリーマンの「信用力が効力を発揮します。

金融機関は、サラリーマンという属性を「安定した給与所得がある」と判断します。さらに、上場しているなど安定していると考えられる要素があれば、融資における審査では有利となります、

このように信用力を生かすことができるという点において、マンション投資はサラリーマンにこそおすすめの投資法ということができます。

私的年金になる

区分投資の場合、必要経費などを差し引いたマンション投資の月々の収入はさほど大きくはありません。しかし、空室にならないかぎり安定した収入を得ることができます。毎月安定した収入があれば、リタイアし労働所得が途絶えた後も私的年金とすることができます。老後の安心を得るための手段として非常に有効といえます。

生命保険の替わりになる

マンション投資で、マンションを購入すれば、万が一、自分が死んでしまった場合でも資産として家族に残すことができます。

ちなみにマンション投資においてローンを組む場合、「団体信用生命保険」というものに加入することになります。この団体信用生命保険に加入していると、加入者が死亡した場合、ローンの残額は保険金から支払われ、ローンのないマンションを家族に遺せます。つまり、持っている物件をそのまま生命保険替わりに活用することができるのです。

マンション投資のリスク

マンション投資はローリスクであるものの投資である以上、様々なリスクがあります。リスクもしっかりと理解した上で、投資に取り組む必要があります。

空室リスク

マンション投資を行う上で最も注意すべきなのが空室リスクです。入居者がいなければ、月々の家賃収入が発生せず、投資として機能していないということになります。

もちろん所有している間に入居者が退去し、次の入居者が見つかるまでの間も家賃収入は発生しません。マンション投資の成否は、この空室リスクをいかに回避できるかにかかっているといっても過言ではないでしょう。

家賃下落リスク

マンション投資で物件を購入し、貸し出す場合、家賃設定を行うことになります。その時に設定した家賃がいつまでも続くという保証はありません。相場の変動によって家賃が上がるというケースもありますが、一般的には建物や設備の老朽化に伴い、家賃は長い期間の中では下落する傾向にあります。

想定以上の速度で家賃が下落した場合、収益性に大きな影響が出てしまいます。そのため、家賃下落のリスクが少ない物件を選ぶことも重要なポイントです。

金利上昇リスク

マンション投資では、金融機関から融資を受ける場合がほとんどですが、その際の金利上昇リスクも考える必要があります。融資を受けた資金の金利が上昇すれば、銀行への返済額も上昇し、収支の計算に大きな影響を及ぼすことになります。

「固定金利で融資を受ける」「余裕をもった返済計画を立てる」「積極的な繰り上げ返済を行って残債を減らす」などして、こうしたリスクに備える必要があります。

地震などの自然災害のリスク

自然災害大国である日本においては、いつ地震などの災害が起こるかは予想もできません。まだ修繕が可能な範囲の被害であればよいものの、場合によっては全損して入居者が住めない状態になり、家賃収入が生まれなくなってしまうという可能性も否定できません。

マンション投資を行うのであれば、災害が起きるリスクも想定しておく必要があります。

それぞれのリスクをヘッジするには?

マンション投資において、すべてのリスクを完全に回避することは不可能でしょう。しかし、リスクを低減することは可能です。

例えば自然災害に対してのリスクヘッジとしては、耐震構造やハザードマップの確認という基本的なものがあります。また、空室リスクや家賃下落リスクは、賃貸需要が将来にわたって見込まれる立地を選んだり、入居者募集を含めた管理力に優れた不動産会社を投資のパートナーに選ぶことで回避することができます。

どの程度リスクを考慮しながらマンション投資を行うべきか、自身でも勉強をした上で、専門家や実際にマンション投資を行っている先輩投資家に話を聞いてみるのもいいでしょう。

投資用マンションで失敗する事例

リスクを理解した上で、マンション投資に失敗してしまう事例についてもみてみましょう。

高すぎるマンションを買ってしまったケース

マンション投資の失敗例として、一番多いと思われるのが相場よりも高すぎる価格でマンションを買ってしまうケースです。

物件価格が高ければ、融資の額も大きくなり、毎月の返済額も増えます。長期のローンを組んでもなお、家賃収入の手残りから返済が賄えきれず、月1万円、2万円と自己資金を手出ししないといけない状態なのであれば、そもそも相場よりも高い価格で買ってしまっている可能性があります。その上、家賃が下落したり、金利が上昇してしまったりしたら、ますます収支は厳しくなります。 この場合、いざ売ろうと思った際にもローンが多く残っている状態になります。売却価格で残債が支払いきらなければ、その差額分だけ自己資金を入れて損切りすることになりかねません。

利回りだけを見て判断してしまったケース

では、安くて利回りが高い物件を選べばよいのかというと、そうとも言えません。 前述のとおり、表面利回りと実質の利回りは異なります。また、利回りはあくまでも想定されている家賃で満室で丸1年間運営できた際の想定値です。利回りが表記上、高いマンションを買ったところ、入居者が現れず空室が続き、家賃収入をなかなか得られないというケースも少なくありません。

購入後の物件の管理を考えていなかったケース

投資用マンションを購入し所有するということは、そのマンションを維持管理する費用と手間が必要になるということでもあります。そのため、多くの場合、物件の管理は、管理を専門に扱う不動産管理業者にお願いすることになります。

しっかりとした管理をしなかったために入居者が見つからないということも起こりうるため、物件の管理についても考えておく必要があります。

想定外のリスクに対応できないケース

投資用マンションを購入する場合に、物件の立地がひとつの集客要素に頼りすぎて失敗するというケースがあります。

例えば大型私大のキャンパスがある付近のワンルーム物件を購入し、その大学の学生に貸すことを想定していたとします。しかも、その立地ではその私大の学生以外に入居者が現れる可能性が低かったとしましょう。

購入直後は思惑通り学生の入居者がついたとしても、キャンパスが移転してしまったらどうなるでしょうか。学生だけに頼りきっていた物件は急速に価値を落とし、売却すら困難になってしまう可能性があります。

こういった現象は大学キャンパスだけではなく、大手企業の工場や、製造拠点などでも起こりえるため注意が必要です。

投資用マンション選びのポイント

いくつかの失敗例を紹介しましたが、このような失敗を避けるために、心がけておきたい投資用マンションの選び方を3つあげておきます。

入居者に選ばれる立地を選ぶ

立地を考える際に注目すべきポイントは、継続的に入居者が見込めるかどうかです。例えば、駅近の物件は、入居者の物件探しでも上位に入る条件となりますので、大きな魅力といえます。また、今後も地方からの流入による人口増が見込める東京の方が、地方の物件よりもローリスクであるという前提を抑えておく必要があるでしょう。

中古物件を選ぶ

中古物件のメリットは、何より購入価格を抑えることができるという点です。特にマンション投資初心者には、手ごろな価格で始めることができる点は魅力でしょう。

しかし、中古物件の状況は千差万別です。中には築年数の割に痛みが激しかったり、入居者の管理が行き届かずスラム化してしまっているマンションすらあります。購入時の物件選びはもちろん、購入後の管理がより重要になるため、パートナーとなる不動産会社は、慎重に選んだ方がよいでしょう。

新耐震基準を満たした物件を選ぶ

災害の多い日本だからこそ、注目したいのが新耐震基準です。耐震基準は建てられた時期ごとに違い、すべての建物が最新の耐震基準をクリアしているわけではありません。 新耐震基準をクリアしている物件を選ぶことで地震のリスクを回避することができるでしょうう。

資産形成の選択肢に投資用マンションを!

これまで解説してきたように、マンション投資は他の投資と比較してもローリスクかつ再現性の高い投資方法です。老後資金のための資産運用を検討しているのであれば、マンション投資を、その選択肢の一つに加えるべきでしょう。