不動産投資はハードルが高いと思われがちですが、実は投資の初心者でも着実に利益を上げられる優れた投資方法の一つです。不動産投資で成功するには、リスクや失敗事例を知り、対策を練ることが欠かせません。

今回は、不動産投資の初心者に向けて、不動産投資のメリットやリスク、始め方をわかりやすく解説します。

そもそも不動産投資はどのような投資か?

不動産投資
(画像=PIXTA)

不動産投資では、投資用不動産を購入し、第三者に賃貸することで、家賃収入を得ます。不動産を所有している間は継続的に家賃収入を受け取ることができ、不動産を売却すれば売却益を得ることができる可能性もあります。

家賃収入はインカムゲインと呼ばれ、売却益はキャピタルゲインと呼ばれます。不動産投資は、購入時に金融機関からの融資を利用できることなどから、ローリスク・ロングリターンの優れた投資方法とされており、最近では、退職後の収入源や本業以外の副収入として、インカムゲインを目的に不動産投資を行う人も増えています。

投資による資産形成が必要な背景

2019年は、老後2,000万円問題が話題になりました。

少子高齢化によって年金の受給開始年齢は引き上げられ、不景気の影響で退職金はピーク時と比べて1,000万円以上減少したというデータもあります。

そんな今の時代、昔のように公的年金と退職金だけで老後の生活費をまかなうことはできません。ゆとりある老後を送ろうと思えば、それ相応の蓄えが必要です。老後に必要な蓄えは、家族構成や生活水準によっても違ってくるため、一概に2,000万円あれば安心というわけではありません。早いうちから老後の生活をイメージし、資産形成に取り組むことが大切なのです。

継続的に家賃収入を得られる不動産投資は、老後の備えに最適です。早い段階から働きながら不動産投資を行い、ローンを完済すれば、老後は不動産オーナーとして、年金に加えて家賃収入を受け取ることができるでしょう。

株式やFXなど他の投資との違い

不動産投資は、株式やFXと比べると、初心者でも安定的に利益を得やすい投資法だと考えられます。

株式投資やFX投資では、常に情報収集し、株価や為替レートの変動を予測しなければなりません。そのため、株式投資やFX投資をする人は、複数の新聞を購読したり、SNSや海外のニュースなどで最新情報をチェックしています。しかし、どれだけ情報収集を行ったとしても、株価や為替レートの動きを確実に予測できるというわけではありません。時として、株価も為替レートも予測できない動きをします。初心者の場合、すぐに元手を失って市場から退場を余儀なくされることもあります。

一方、不動産投資は、基本を勉強した上で、よい不動産会社をパートナーとして選ぶことで、着実に資産形成ができる投資方法です。不動産投資においても、不動産価格や家賃水準が変動することはもちろんあり得ます。しかし、株価や為替レートほど短期間で変動するわけではありません。

また、不動産価格や家賃水準の変動は、国内ニュースをチェックしていればある程度予測できます。新しい駅ができたり、ビジネスや生活に役立つ施設ができたりすると、周辺の不動産の需要は当然高まります。こういった予測に基づき、リスクを予見して手を打てば、不動産価格や家賃水準の変動を過度に恐れる必要はありません。

不動産投資は、リスクを抑えて着実に資産形成したいと考える投資初心者にピッタリの投資方法といえます。

不動産投資の4つのメリットとは

続いて、不動産投資のメリットを4つ紹介していきます。

信用を活かせる投資法である

サラリーマンや公務員は、「信用」という目に見えない資産を持っています。簡単にいえば、お金が借りやすいのです。定期的な給与収入があるサラリーマンや公務員は、自営業者などと比較して金融機関からの信用が高い傾向があります。

この「信用」という資産を活かす投資方法が、不動産投資です。他人から借りたお金で大手を振って投資ができるのは実物資産である不動産ならではの特長です。「信用」という目に見えない資産に働いてもらうことで、効率的に資産形成をはかりましょう。

資金効率がいい

資金効率がいいのも不動産投資の特徴です。

信用力を用いてローンを組めば、数十万円の元手でも不動産投資を始められます。継続的に家賃収入を得ながらローンを返済し、完済後は家賃収入が丸ごと手元に残ります。ローンの金利どころか元本まで家賃収入で賄うことも可能です。

数十万円の元手からでも、1,000万円、2000万円といった物件を購入し、毎年数十万円のリターンを得ることができます。

生命保険代わりになる

不動産投資ローンを組む際には、団体信用生命保険(団信)に加入することが一般的です。団信に加入すれば、返済中に万一のことがあった時、保険金で残債が支払われます。つまり、ローン完済後の物件をそのまま遺族に遺すことができるのです。継続的に得られる家賃収入は、遺された家族の生活を支えてくれることでしょう。

インフレヘッジになる

不動産投資はインフレのリスクヘッジとしても効果を発揮します。

インフレで物価が上昇すると、預貯金の価値は目減りしていきます。しかし不動産価格や家賃は、インフレとともに上昇します。そのため、現預金だけでなく不動産を所有しておくことで、インフレが起きた際のリスクを低減することができるのです。

不動産投資の4つのリスクと対策方法

不動産投資には、さまざまな魅力がある一方で、リスクもあります。不動産投資のリスクを正しく理解し、リスクを踏まえて投資判断をしましょう。

空室リスク

せっかく物件を所有していても、空室であれば家賃収入を得ることはできません。不動産投資で成功するには、空室期間をできるだけ短くすることが大切です。

空室リスクを避けるには、安定的に需要が見込める物件を選ぶ必要があります。具体的には、都心の駅近物件を選ぶと安心です。

価格下落リスク、家賃下落リスク

築年数を重ねることで物件の価値も下落していきます。同様に、家賃についても下落リスクがあり、現状の家賃設定がずっと続くとは限りません。需要が減ることで、家賃を引き下げざるを得なくなる可能性もあります。

価格下落リスク、家賃下落リスクを下げるためにも、賃貸需要の安定した立地の物件を選ぶことが大切です。また、定期的にメンテナンスを行うなど、物件価値を維持するための管理も重要になります。

滞納リスク

入居者がいても、家賃を滞納されると、手元にお金が入ってきません。そうなればローン返済が確保できず、自身の貯蓄を切り崩すことになってしまいます。

滞納リスクを回避する最良の方法は、信頼できる賃貸管理会社をパートナーにすることです。賃貸契約に家賃保証会社の利用を必須にしたり、滞納保証が付いたサービスもあります。実績がある会社に管理を一任すれば、万が一滞納が起きた場合も自分で督促をする必要もなく、しっかり家賃を回収してくれます。

災害リスク

日本は、地震をはじめとした災害が多い国として知られています。そのため、地震や台風などにより、物件に被害が及ぶリスクについても考えておく必要があります。

具体的には新耐震基準を満たした物件を選ぶことや事前にハザードマップを確認するといった対策が考えられます。

初心者がおかしがちな不動産投資での失敗事例

続いて、初心者にありがちな不動産投資の失敗事例を紹介します。これから不動産投資を始める人は、ぜひ参考にしてみてください。

勉強不足のまま営業マンの言うままに物件を購入

Aさんは不動産投資を始めようと思い立ち、たまたま参加したセミナーで、営業マンに言われるがままに地方物件を購入しました。その不動産会社は物件の仲介しか行っていなかったため、購入後はすぐに疎遠になってしまいます。

最初の入居者が退去してからというもの、新たな入居者がなかなか見つかりません。営業マンに連絡をとるも、別の人が出て「退職しました。その物件のことは分かりません」と冷たくあしらわれてしまいます。行ったこともない地方の物件だったため、どのように物件のよさをアピールしていいのかも、地元で実績がある不動産会社がどこかもわかりません。

結局Aさんは、給与からローンを返済しながら、厳しい生活を送っています。

収益のシミュレーションが甘い

Bさんはインターネットで情報収集したあと、目に留まった物件を購入しようと考えました。収支シミュレーションでは、毎月数万円のキャッシュが手元に残る計算だったため、生活費の足しになるだろうと考え、物件を購入します。

しかし、物件購入後に入居者がすぐに退去し、いきなり原状回復工事費の負担が発生。室内設備もいくつか壊れており、交換が必要です。さらに、Bさんの所得水準では、シミュレーションよりも高い税金負担がかかることがわかりました。結局、ローンを完済するまでほとんどキャッシュは残らず、あまりメリットを感じられない結果となりました。

購入したことで満足し、物件の管理を考えない

Cさんは物件を購入後、物件の管理を物件の最寄り駅に店舗を構える賃貸管理会社に一任しました。不動産管理といっても、賃料回収などが主な仕事なので、どこに依頼しても同じだと考えたのです。

しかし、ひとたび退去が発生すると、その後なかなか新しい入居者が見つかりません。不審に思ったCさんが部屋を見に行くと、設備の破損個所の修繕も、クリーニングも全くされていませんでした。

賃貸管理会社に確認すると「今からやるところでした」という返事ですが、もう退去から3カ月も経っているはずです。怒ったCさんはその会社を解約し、実績のある賃貸管理会社と契約します。その後、速やかにお部屋は元通りになり、入居者も決まって、無事に家賃収入が入るようになりました。

「最初からきちんと賃貸管理会社を選んでいれば……」と、Cさんは損失を悔やんでいます。

不動産投資の始め方・物件を取得するまでの流れ

不動産投資の初心者は、これまで解説してきたような失敗事例を踏まえて、不動産投資に取り組む必要があります。最後に、投資初心者に向けて、実際に不動産投資を始めるまでの流れを解説します。

書籍・サイト・セミナーなどで情報収集

まず、書籍・サイト・セミナーなどで情報収集をします。この時点では、具体的に物件を探すというより、「不動産投資が自分に向いているか?」という点を検討しましょう。

「コツコツと着実に資産形成したい」「年金にプラスできる収入がほしい」「本業以外に副収入がほしい」といった目的で投資を始めるなら、不動産投資が適しています。

不動産投資の手法を検討

続いて、不動産投資の手法を検討します。ひとくちに不動産投資といっても、都心か地方か、区分マンションか、一棟アパートか、戸建てか、あるいは新築か中古か、など、さまざまな種類や手法があります。

初心者におすすめなのは、都心の中古マンションです。総じてリスクが抑えられ、一歩目を踏み出すには最適です。

パートナーとなる不動産会社選び

不動産投資の手法を決めたら、不動産会社を探しましょう。

投資初心者の中には、不動産会社より先にインターネットなどで物件探しを始める人がいますが、これは失敗のもとです。インターネットに掲載されている物件がすべてではありません。不動産会社に相談することで、幅広い選択肢の中から物件を選ぶことができます。

また、不動産投資を続けるうえで、不動産市場の情報をオーナー自身が収集するのは効率的とはいえません。信頼できる不動産会社を選ぶことで、必要に応じて担当者から不動産投資のアドバイスを受けることができます。 物件選びのプロセスまでは複数の会社とやり取りをして、担当者や会社の実力を見極めるのも良い方法です。

物件選び

不動産会社が決まったら、担当者のアドバイスを受けながら、物件選びを行います。

面倒に思えても、最初は物件のある場所に足を運んでみることをおすすめします。実際に周辺を歩くことで、地図上では確認できない「まちや住人の雰囲気」を感じ取れるはずです。

収支シミュレーションの検討

物件を選んだら、続いて収支シミュレーションの検討に入ります。不動産会社から提供される資料をうのみにせず、自分自身でシミュレーションの数字はチェックしましょう。具体的には、次のような点を確認します。

・自己資金はいくら必要か
・利回りはどのくらいか
・毎月どのくらいのキャッシュが手元に残るか
・家賃が下落したり、空室期間が続いたりした場合、どの程度リスクを許容できるか

不動産投資ローンの事前審査

物件が決まったら、不動産投資ローンの事前審査があります。不動産投資ローンの審査では、勤続年数や年収といった個人の属性に加え、物件の価値や収支シミュレーションが重視されます。

この時、融資額や融資期間についてもしっかり検討しましょう。キャッシュフローを確保するという観点で、融資期間は可能な限り長期で設定するのをお勧めします。

なお、投資用ローンの融資条件や融資額は、どの不動産会社を通じて審査を出すかによって異なります。より有利な条件でローンが組める不動産会社をパートナーにするとよいでしょう。

契約・決済・引渡し・登記手続き

不動産投資ローンの審査に通ったら、いよいよ契約手続きです。金融機関や不動産の売り主と契約書を交わし、決済が終われば、物件の引き渡しを受けます。ここから、不動産投資がスタートします。

物件を購入したら、登記の手続きも必要です。ほとんどの場合、決済時に不動産会社を通じて司法書士に依頼することになるでしょう。

初心者でも勉強し、まず一歩を踏み出すことが大切

不動産投資は、きちんと勉強すれば、初心者でも安定的にリターンを得られる投資方法です。

不動産投資で得られる家賃収入は、投資期間に比例します。投資を始めるのが遅くなれば、生涯で得られる家賃収入は数十万円、数百万円単位で変わってきます。早くから不動産投資を始めて、繰り上げ返済を行えば、投資する戸数を増やすことでさらに資産を拡大させることができます。また、年齢を重ねれば、ローンの借入期間が短くなってしまうなどの問題も出てきます。

日本財託が不動産投資を行っているオーナー向けに行った調査では、実際に不動産投資を開始した年齢と理想の開始年齢に10年の差がありました。「もっと早く始めておけば…」と10年後に後悔することがないように、1日でも早く初心者を卒業できるよう、まずは情報収集から始めてみましょう。