モトリーフール米国本社、2020年7月16日投稿記事より

新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的流行)が今後数カ月の間に、あるいはより長期的に米国経済にどのような影響を与えるのか、正確なところは誰にも分かりません。

分かっているのは、米国内の新規感染者数が増加を続けており、最初のピーク時(4月下旬)の2倍近くになっているということです。

下落
(画像=Getty Images)

これに対し、再度ロックダウン(都市封鎖)を実施した州もありますが、ウイルスの封じ込めを期待して州民にマスクの着用と社会的距離の維持を要請するにとどまっている州もあります。

各州の対応がバラバラで、たとえば全国にチェーン展開するレストランが地域毎に異なる規制のため運営が難しくなるなど、企業にとって多くの不確実性が生じています。

多くの業界、特に旅行、エンターテインメント、小売業界も同様の問題に直面しています。

次から次にこうした悪いニュースが続いているにもかかわらず、株式市場は底堅さを示し、強さすら見せていますが、ある時点でそれも変わる可能性が高いと思われます。

しかし、市場の急落はおそらく不可避だとしても、大惨事にはならないでしょう。

弱気相場になる可能性

株式市場は2月と3月に暴落したあと、経済はパンデミックから急速に回復するだろうという楽観的な見通しから、暴落する前の水準近くまで戻しています。

新型コロナウイルスの感染状況の悪化が続き、一部の州が経済活動の再開を遅らせたり、見合わせたりしているにもかかわらず、トレーダーのこの楽観的な見方は変わっていません。

経済活動が広範囲にわたって停止すれば、株式市場が急落するリスクも高くなりますが、次の弱気市場の引き金になるのは、失業者に対する加算給付措置の失効かもしれません。

現在、失業給付受給者は通常の州から給付のほかに、コロナウイルス支援・救済・経済安全保障(CARES)法により、週あたり600ドルの加算給付を受けています。

連邦議会は、平均的な人の収入が失業後も変わらないようにとこの金額にしたのですが、低賃金労働者は失業中の収入の方が失業前の収入を上回ることになりました。

この加算給付は7月末に期限を迎えますが、上院共和党は延長に前向きな姿勢をほとんど見せていません。

加算給付が終了すると数千万人の収入が激減し、その多くが生活費を工面できなくなるでしょう。

その影響は小売業界全体に波及し、さらに多くの人々(および企業)が家賃を支払えなくなります。

その結果、すでに苦境にあるレストラン業界だけでなく、消費者の支出に依存するほとんどすべての業界にとって打撃となるでしょう。

失業率は改善したものの、大恐慌時の最悪の月を上回る10%以上のアメリカ人が依然として正式な失業状態にあり、この数字は近いうちにさらに悪化する可能性があります。

週600ドルの加算失業給付を終了させることで、連邦政府が経済にドミノ効果を引き起こし、これが新たな株式市場の急落につながるかもしれません。

冷静に投資を続ける

直近の株式市場の反発は、急落する原因となった事情が特殊だったためか、驚くほど急速でした。

歴史的にみて、株式市場のこうした急落からの回復には時間がかかりますが、いつも最終的には高値を更新してきました。

しかし、パンデミックの悪化による経済的な影響が原因で市場が急落する場合は、その後どのような展開になるのか全く分かりません。

楽観論や、有効な治療薬の発見、あるいは開発中の多くのワクチン候補のうちどれかが成功することで、株式市場はもう一度急反発する可能性もあります。

一方、こうした材料が現れず、株価が長期にわたって低迷を続ける可能性もあります。

しかし、米国の株式市場の過去のパターンから分かることは、暴落の後にはいずれ大相場が来るということです。

暴落の最中は慰めにならないかもしれませんが、下げていく株価を見ながらも、このことを頭の片隅に置いておく方が良いでしょう。

株価市場が急落したときは、各投資先を再評価する機会にしてください。

そして、自分の見立てに自信が持てれば、市場の下落は追加投資をするチャンスです。

長期的な視点で企業に何か変化があったのかを検証し、何も変わっておらず、業績の回復とさらなる成長が見込めるのであれば、その株を売却せず、もし可能なら買い増しを検討します。

市場の短期的な動きに動揺し、自分の長期投資の価値を疑わないようにすることが重要です。(提供: The Motley Fool Japan


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