モトリーフール米国本社、2020年7月16日投稿記事より

航空旅客数の激減で経営危機に陥っている航空業界ですが、世の中が平常に戻った時に、最も力強い回復が見込まれるのはどの航空会社でしょうか。

ここでは米国の大手2社であるデルタ航空(NYSE:DAL)とユナイテッド航空(NASDAQ:UAL)を取り上げます。両社とも今年に入って株価は55%以上下落しています(執筆時点)。

空港
(画像=Getty Images)

デルタ航空

デルタ航空の第2四半期決算は低調な数字となりましたが、同時に明るい兆しも見られました。

1日当たりのキャッシュバーン(現金流出量)は、3月末時点の1億ドルから6月には2,700万ドルまで低下しました。

1日当たり2,700万ドルということは、単純計算すると四半期で24億3,000万ドル、年間で99億ドルの損失となりますが、同社は157億ドルの流動性を確保しているため、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が終息して需要が上向くのを待つ余裕があります。

同社は第3四半期の売上高が前年同期比75~80%減になるとの見通しを示しており、第1四半期の同90%減と比べると改善しているとはいえ、業績回復には程遠い水準です。

デルタ側は旅客数の好転は「国内のレジャー旅行者や必要不可欠な理由による移動次第」としていますが、同社の旅客収入の50%はビジネス出張であり、出張の回復が見込めないことを考えると、同社への逆風は長期化する可能性が十分にあります。

つまり、対面での会合からリモートツールへの移行トレンドがパラダイムシフトとして定着した場合、デルタ航空から失われた旅客収入の一部はパンデミック後も回復しないということです。

ユナイテッド航空

デルタ航空に吹く短期的/長期的逆風の多くは、ユナイテッド航空にも当てはまります。

ユナイテッド航空は、1日当たりキャッシュバーンについて第2四半期は4,000万ドル、第3四半期は3,000万ドルに減少すると見込んでいますが、デルタ航空と比べて時価総額は半分、資産総額は3分の2にもかかわらず、キャッシュバーンはデルタ航空を上回っています。

ユナイテッド航空はバランスシートにも懸念があり、デルタと比較して債務水準が高くなっています。

両社ともフリーキャッシュフローを生み出しており、過去3年にわたって黒字を維持し、フリーキャッシュフローの大半を債務の返済ではなく、自社株買いに充ててきました。

ここでもユナイテッドの問題は、デルタよりもフリーキャッシュフローが少ないにもかかわらず、デルタと同程度の自社株を買い戻しているという点です。

デルタ航空は業界の優秀な稼ぎ頭であり、2017~19年のフリーキャッシュフロー伸び率や増益率はサウスウエスト航空、ユナイテッド航空、アメリカン航空を上回り、2020年も相対的に最も好位置に付けているとみられます。

結論

デルタ航空には希望の光が見られると同時にリスクも残っていますが、パンデミックに直面し、航空業界の中では最も投資に値するかもしれません。

7月下旬に予定されているユナイテッドの第2四半期決算が好調だったとしても、同社のキャッシュバーンやバランスシートは懸念事項です。

リスクの高い業界ですが、ファンダメンタルズの強い航空会社には価値もあるはずです。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Daniel Foelberは、デルタ航空株を保有しています。モトリーフール米国本社は、デルタ航空株を推奨しています。