日本はすでに超高齢社会に突入したことにより、リタイア後の人生が長くなりました。そこで心配なのが生活費や医療費でしょう。特に医療費は怪我や病気などの予想が難しく、突然の出費も考えられるからです。70歳以上でかかる医療費はなんと1,300万円を超えるという試算もあります。ここでは老後の医療費への備えについて、考えてみます。

医療費の自己負担割合は年齢で異なる

70歳以降に掛かる医療費は1,350万円?どう備えればいいのか
(画像=siro46/stock.adobe.com)

会社員ならば健康保険、自営業者や農業従事者などであれば国民健康保険に加入していると思います。保険を使えば医療費の一部を病院の窓口で支払えばよく、日本は保険制度があることで国民が安心して医療を受けられるのです。

医療費の自己負担の割合は年齢によって違い、義務教育就学前の6歳未満は2割負担、6歳以上70歳未満では3割負担、70歳以上75歳未満では2割負担、75歳以上は1割負担と決められています。ただし、現役並みの所得がある70歳以上の高齢者は3割負担という措置が取られています。

「高額療養費制度」があるから医療費が高額になっても安心

厚生労働省によれば生涯に支払う医療費は2,700万円で、その半分は70歳以降にかかるとされています。リタイア後に1,350万円を超える医療費がかかるのかと不安になるかもしれませんが、実際の自己負担分は1~3割で、さらに高額療養費制度もあります。

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った金額が、ひと月の自己負担の限度額を超えた場合に、超えた医療費が償還払いされる制度のことです。限度額は年齢や年収によって異なります。また、同じ世帯で同じ保険に加入している場合は医療費をひと月単位で世帯合算できます。

2018年(平成30年)8月に高額療養費制度の見直しがあり、70歳以上でも現役並みの収入がある人は69歳以下と同じ限度額に変更されました。

ひと月の限度額(70歳以上)は、年収約1,160万円以上では「25万2,600円+(医療費−84万2,000円)×1%」、年収約770万円から約1,160万円では「16万7,400円+(医療費−55万8,000円)×1%」、年収約370万から約770万円では「8万100円+(医療費−26万7,000円)×1%」となり、限度額を超えた分は戻ってきます。

また現役並みの収入がない一般世帯のひと月の限度額(70歳以上)は、年収156万から約370万円で「5万7,600円」、住民税非課税世帯は「2万4,600円または1万5,000円」となっています。

また過去12ヵ月に3回以上、高額療養費の支給を受けた場合は、4回目以降の限度額が下がります。

がん保険や医療保険に入るという手も

健康保険や国民健康保険には高額療養費制度がありますので、上記のように実際の医療費負担は少なくなり、リタイア後に1,350万円を超えるような負担は、少ないと考えられます。このためにことさら資産準備を心配する必要はないでしょう。ただし、先進医療を受けたい場合は保険適用にはならないことを確認しておきましょう。この点が心配であれば、がん保険や医療保険に入るのもよいかもしれません。いずれにしてもリタイア後も健康的で長寿な生活を送るために、生活習慣には気をつけるのが肝要でしょう。

(提供:ANA Financial Journal

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