執筆者:株式会社 ZUU
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街のあちこちで見かける大手コーヒーチェーン店。とくに都心では、お手頃価格が人気のカフェチェーンがある一方で、高級志向の老舗・喫茶店チェーンもあります。私たちに身近なコーヒー1杯の価格から、各企業の戦略とターゲットの捉え方を紐解いてみましょう。

二極化が進む?コーヒー1杯の価格の違いは?

コーヒー,価格
(画像=nishihama/stock.adobe.com)

おしゃれなカフェもいいけれど、ちょっとした休憩や待ち合わせ、作業をする場合はコーヒーチェーン店を利用する人も多いでしょう。たとえばカジュアルスタイルの「ドトールコーヒーショップ」や、ゆったりと過ごせる老舗の「喫茶室ルノアール」など。どちらも主力商品はコーヒーですが、その価格には大きな違いがあります(以下、価格はすべて店内飲食の場合・税込表記)。

ドトールコーヒーショップ:「ブレンドコーヒー」のSサイズは224円

一部店舗で価格が異なりますが、多くの店舗では「ブレンドコーヒー」のSサイズが224円で提供されています。またMサイズは275円、Lサイズは326円となっています。

喫茶室ルノアール:「ルノアールブレンド」は1杯500〜600円前後

喫茶室ルノアールも店舗によって価格が一部異なりますが、メニューにある「ルノアールブレンド」は1杯550円提供されています。サイズ展開はありません。

ブレンドコーヒー1杯の価格は、およそ2倍も違う!

このように「ドトールコーヒーショップ(以下、ドトール)」と「喫茶室ルノアール(以下、ルノアール)」で提供されているブレンドコーヒーの価格を比べてみると、およそ2倍の違いがあることがわかります。ちなみに、ほかのチェーン店を比べてみるとどうでしょう。

ドトールと同様に高い知名度を誇るカジュアルチェーン「サンマルクカフェ」では、ブレンドコーヒー1杯の価格がSサイズで220円、Mサイズで275円、Lサイズで300円です。

一方で、都心でも人気上昇中の喫茶店チェーン「コメダ珈琲店」ではブレンドコーヒーの価格は430〜580円。やはり低価格のチェーン店とは2倍程度の差があります。

主力メニューのコーヒーにこれほどの価格差が生じているのは、どのような理由によるものなのでしょうか。

ドトールとルノアールの本質的な違い

ドトールの特徴

ドトールは、2020年5月末時点で1,091店舗展開されています。1980年に東京・原宿で1号店が開店して以降、低価格を強みに店舗数を増やしてきました。

ドトールは、もともとコーヒー豆の焙煎・卸売会社として1962年に創業、自社で豆の調達から焙煎までを一貫して行っているというこだわりがあります。

標準店舗の面積は35坪とコンパクトで、セルフサービスコーヒーの草分け的存在。お財布にも優しく気軽に立ち寄れるコーヒーショップとして、幅広い世代から人気を集めていると言えるでしょう。

ルノアールの特徴

一方のルノアールは従来の“喫茶店”として店員が席で注文をとり、料理や飲み物ができあがれば席まで運んでくれるフルサービス式のスタイルです。

ルノアールは1964年に日本橋で1号店がオープンし、2019年3月期の決算資料によれば全国で90店舗展開されています。

30歳以上の客層やビジネスユースをターゲットにしており、店舗面積は40〜70坪程でゆったりとした空間で、大正ロマンをイメージした落ち着きある内装が特徴です。

それぞれが異なるターゲットをとらえている

最新の決算ではドトールもルノアールも売上高がほぼ横ばいか微増で、コーヒーチェーン店の競争が激化する中、相変わらずの人気を誇っていると言えます。低価格の店が人気なのはわかりやすいですが、なぜ1杯の価格が高い喫茶店チェーンも支持を集めることができるのでしょうか。

少し見方を変えてみると、両チェーンはそれぞれ異なる客層をターゲットに据え、そのターゲット層の取り込みにしっかりと成功しています。

たとえばドトールは比較的席の間隔などは狭い印象ですが、アクセスしやすい場所に立地しており、セルフサービスにすることで低価格を実現。そこに魅力を感じる学生から年配の人まで、幅広い世代を中心とする客層の取り込みに成功しています。

一方、ルノアールは「都会のオアシス」をコンセプトに掲げ、ゆったりとした空間作りを意識している印象です。そのためコーヒー1杯の価格は高いものの、店員による“おもてなし”や重厚なインテリア、席によっては隣の客の声も届きにくく、ちょっとした打ち合わせや商談にも使えます。コーヒーを飲んだ後には緑茶のサービスもあります。

成功の秘訣は、ターゲット層の取り込みにあり

コーヒーショップひとつをとっても、コーヒー1杯の価格から、店舗設計のコンセプト、ターゲットまで、企業によって随分と戦略が異なります。消費者も、どちらが好みかというより、時と場合によって使い分けている場合が多いでしょう。

お手頃価格のコーヒーがいいか、ゆったりとした落ち着ける空間がいいか、その優劣を論じることにあまり意味はありません。安定した経営のためには、ねらったターゲット層をしっかりと取り込んでいけるかどうかが大事だと言えるでしょう。(提供:20代、最高の自己投資メディア UpU

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