不動産投資ローンの返済がやっと終わり「これからは家賃が入ってくるだけ」と喜ぶ前にやらなければならないことがあります。不動産に設定されている抵当権抹消の手続きです。完済したからといっても金融機関は自動で抵当権を抹消してくれるわけではありません。そこで本記事では抵当権抹消の手続きの方法や費用について解説します。

金融機関は完済しても自動的には抵当権抹消の手続きをやってくれない

不動産投資
(画像=mind-and-i/stock.adobe.com)

不動産投資をしている中で最もうれしい瞬間は「ローンを完済して毎月の返済がなくなった」「後は家賃が入ってくるだけ」といった状態ではないでしょうか。しかしローンを完済した後は喜んでばかりではなく抵当権抹消の手続きを行うことが必要です。ローンを組んで不動産を購入する際、当該不動産には金融機関にとっては担保となる「抵当権」が付けられます。

物件購入に伴い住宅ローンなどを契約した際は、同時に司法書士が代理人となり抵当権の設定登記が行われるのが一般的です。「どの司法書士を使うか」は、金融機関が指定する場合もありますが不動産会社が紹介してくれるケースもあります。いずれにせよ物件購入に伴うローン契約の際は、抵当権設定登記が条件になっていることがほとんどです。

しかしローンの完済時の抵当権抹消登記は自動的に行われるわけではありません。自分で金融機関へ「抵当権を抹消したい」と申し伝えて必要な書類を用意してもらうことが必要です。自分で行うこともできますが、金融機関から司法書士を紹介してもらい抵当権抹消の手続きを依頼することもできます。

抵当権抹消登記を忘れているとどうなるか?

抵当権抹消登記を忘れているとどういったことが起こるのでしょうか。抵当権を抹消する期限が定められているわけではないため、すぐに問題が発生することはありません。しかし「物件を売却する」「物件を担保に入れて別のローンを契約する」といったときは抹消手続きが必要になります。なぜなら抵当権がある物件を売却することはできないからです。

またもし自分に万が一のことが起こって相続が発生した場合は残された家族が手続きをすることになります。したがってローンを完済した後は、速やかに抵当権抹消登記を行うことが大切です。ローン完済後は、金融機関から必要な書類をもらわなければならないため、抵当権抹消の手続きを希望している旨を担当者へ伝えておきましょう。

金融機関によって書類が郵送対応であったり窓口対応が必要であったりするなど異なる場合があるため、しっかりと確認しておくと安心です。

抵当権抹消登記の費用と2つの方法

抵当権抹消登記には大きく分けて「司法書士へ依頼する」「自分で行う」という2つの方法があります。自分で時間が取れない人は司法書士へ依頼すれば手間なく確実に抹消することができるでしょう。司法書士へ依頼する場合は「司法書士報酬」「登録免許税」の2つの費用がかかります。司法書士報酬は司法書士によって異なり土地・建物一つの抵当権抹消を依頼した場合で1万5,000円前後が相場です。

ただし一つの土地として利用していても登記簿上は2筆に分かれている場合などは、報酬は上乗せされます。登録免許税は、土地・建物にかかわらず不動産1個につき1,000円です。つまり土地1筆と建物1棟の抵当権抹消をするなら2,000円になります。自分で抵当権抹消を行う場合は、登録免許税のみで司法書士報酬はかかりません。

そのため登録免許税に登記事項証明書を取得する費用などを加えても総額3,000~4,000円に抑えることができます。

自分でもできる抵当権抹消登記の流れ

抵当権抹消登記はそれほど難しい手続きではないので、自分でチャレンジしてみるのもいいでしょう。自分で行う場合の手続きの流れは以下の通りです。

  • ローンを完済後に抵当権抹消を希望する旨伝える
  • 必要書類をそろえる
  • 法務局で手続きをする
  • 登記が完了し書類が発行される

1.ローンを完済後に抵当権抹消を希望する旨を伝える

ローン完済後は金融機関の融資担当者へ抵当権抹消を希望する旨を伝えましょう。抵当権抹消の書類は完済してすぐにもらえるわけではありません。金融機関によって「郵送対応可能」「窓口対応」など書類の受取方法は異なります。主な受取書類は以下の通りです。

  • 登記原因証明情報(銀行作成の解除証書など)
  • 委任状(銀行作成の委任状)
  • 登記識別情報・登記済証(抵当権設定当時の書類で銀行から提供されたもの)など

これらの書類は、抵当権抹消登記の申請時に必要になります。

2.必要書類をそろえる

法務局のホームページから「抵当権抹消登記申請書」をダウンロードし記載例を参考に記載およびシャチハタ以外の印鑑で押印します。さらに添付書類として金融機関で受け取った書類をそろえておきましょう。

3.法務局で手続きをする

自宅の最寄りの法務局ではなく対象不動産がある地域を管轄する法務局に書類を提出します。郵送での提出もできますが直接窓口に行って書類を確認してもらったほうが不備なくスムーズに手続きできるでしょう。

4.登記が完了し書類が発行される

申請から1~2週間で法務局内での抹消手続きが完了すると「登記完了証」「登記識別情報通知」が発行されます。これらの書類と申請時に提出した書類で返却される分を法務局の窓口で受け取ります。申請時に返信用の切手を貼った封筒を預けておけば、本人限定受取郵便で受け取ることも可能です。

手続きは簡単なので自分でやってみよう

以上のように抵当権抹消の手続きは比較的簡単に行えます。書類を郵送する方法だけでなく「登記・供託オンライン申請システム」を利用してオンラインで手続きする方法もあります。不動産投資家として事業を拡大していった場合、今後何度も必要になる手続きです。コスト削減のために自分でできるようにしておくこともよいでしょう。(提供:アセットONLINE


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