新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、生命保険への加入を検討する人が増えているという。罹患時の収入減の備えとして検討する人が増えていることが理由だが、もしものときの備えは、保険だけで大丈夫なのだろうか。

新型コロナウイルスは生命保険加入にどう影響した?

生命保険
(画像=PIXTA)

お金に関する情報などを発信するエイチームフィナジーは6月、「新型コロナウイルス感染症の流行による生命保険加入への影響調査」の結果を発表した。2020年1~5月にかけて20〜40代の男女389人に対して実施した調査で、新型コロナウイルスがどう加入の検討状況に影響を与えたかなどを調べたものだ。

調査では「新型コロナウイルス感染症の流行は、生命保険加入及び検討することに影響を与えましたか?」という質問をしており、「かなり影響を与えた」「やや影響を与えた」「影響を与えた」の合計は約72%に上った。

元々は生命保険への加入を検討していなかったが、新型コロナウイルスの影響で生命保険に加入したという人は全体の15%に上り、新型コロナウイルスの感染拡大が多くの人の背中を押したことがうかがえる。

調査では新型コロナウイルスが「加入・検討に対して与えた影響」についても複数回答で聞いている。その結果、「罹患時の収入減に備える」が53.0%で最も多く、「罹患時の医療費(治療費入院費)に備える」が52.7%で2位、「万が一の際に遺された家族の生活費、教育費」が46.3%で3位だった。

万が一の備え、「資産運用」も選択肢に

前述の調査で多くの人が「罹患時の収入減に備える」と回答しているように、生命保険は人々の「セーフティネット」的な役割を担っている。生命保険には「死亡保険」「医療保険」「介護保険」などがあるが、いずれも万が一のときに備えて毎月保険料を拠出することで、将来不安を軽減させることにつながる。

ただ万が一の備えという意味では、生命保険への加入だけではなく「資産運用」という選択肢もある。老後の生活や収入が減ったときに備え、自分が持っているお金を早いうちから上手に増やしていこうという考え方だ。

日本人は欧米諸国に比べると貯蓄率が高いとされ、これまでは投資を始める人は決して多くなかった。そんな中、日本政府は国民の資産形成が促進されるよう、これまでに「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げ、さまざまな投資優遇策を打ち出している。

資産運用の方法

ここからは税制が優遇される投資のほか、資産運用の手法をいくつか紹介していこう。

・税制優遇を受けることができる投資

税制優遇を受けることが可能な制度としては、個人型確定拠出年金「iDeCo」がある。各自が運用方法を選び、積み立てた掛け金を運用していく制度で、掛け金と運用益を年金として将来受け取るという仕組みだ。

個人投資家のための税制優遇制度としては「NISA」や「つみたてNISA」もある。NISAは2014年1月、つみたてNISAは2018年1月にスタートした制度だ。NISAでは非課税投資枠が毎年120万円分設定され、この範囲内での利益は非課税となるのが特徴だ。

・株式投資・投資信託

資産運用におけるメジャーな投資手法としては「株式投資」や「投資信託」などが挙げられる。株式投資は、保有している企業の株式の値上がりによる「キャピタルゲイン」(売却益)や配当による「インカムゲイン」によって、自らの資産を膨らますことを目的としている。

投資信託は投資のプロに資産の運用を任せるタイプの投資法だ。投資信託としてさまざまな金融商品が存在しており、その中から自分が有望だと思う商品を保有する形となる。ちなみにNISAやiDeCoでも運用方法として投資信託を選ぶことができる。

・不動産投資

資産運用の方法の1つとしては「不動産投資」も挙げられる。一戸建てやマンション、アパートなどを保有し、家賃収入や売買で収益を得ていく方法だ。企業に勤めている人が副業で不動産投資をしているケースもあり、「サラリーマン大家」という言葉もある。

管理会社などに借り手の募集や家賃の徴収を委託することで、手間をあまり掛けずに運用していくことが可能だが、より手間が少ないという意味では株式投資や投資信託に軍配が上がる。インターネットやスマホだけで、資産運用が完結するからだ。

より安心度を高めていくために

いざというときに備えることは非常に重要なことだ。生命保険への加入と資産運用は二者択一ではなく、両方を並行して進めることでより安心度が増していくと言える。

資産運用においては、国の投資優遇制度や株式投資・投資信託、不動産投資などのほかにも、さまざまな選択肢がある。これらの特徴の違いを踏まえながら、自分が許容できるリスクの範囲内での投資を行うことが重要だ。

新型コロナウイルスは将来について考えるきっかけを多くの人に与えたとも言える。生命保険への加入の検討などに加え、これを機会に資産運用についても学び始めてみてはいかがだろうか。