敬老の日といえば、孫から祖父母にプレゼントを贈ったり、幼稚園や自治体でイベントが開催されたりと、ほほえましい光景を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、親が高齢になると気がかりなのが介護のこと。「どのように介護したらよいのか」「介護にいくら費用がかかるのか」といった心配をする人も多いかもしれない。

今回は、敬老の日に考えておきたい介護費用について詳しく見ていく。

突然、親に介護が必要になったらいくら必要?介護費用の金額とは

介護費用
(画像=PIXTA)

ひとくちに「介護費用」といっても介護にはさまざまな費用がかかる。これらの費用を大きく分けると「一時費用」「毎月の費用」の2つがある。一時費用とは、介護のための住宅改造費や介護用ベッドなどの用具の購入など、介護を始めるにあたって一時的にかかった費用のことだ。これに対して、毎月の費用とは、介護費用で毎月支払っている費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)のことである。

公益社団法人生命保険文化センターが行っている「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると2018年度における介護費用の「一時費用」にかかった平均金額は69万円だった。「かかった費用はない」と答えた人が15.8%いる一方で、「100万円以上」という人も14.0%いる。一時費用の金額は「家で介護するのか」「施設で介護するのか」などその家庭の状況によって大きく変わってくる。

「毎月の費用」は、1ヵ月あたり平均7万8,000円の介護費用がかかっている。内訳を見ると「15万円以上」が15.8%と最も多く、次いで「5万~7万5,000円未満」15.2%、「1万~2万5,000円未満」15.1%だった。多くの家庭で毎月一定の介護費用を支払っていることが分かる。では、介護が必要となる年齢はいつからであろうか。

内閣府が公表している「令和元年版高齢社会白書」よると2016年における65~74歳の要支援は約23万9,000人、要介護が約50万7,000人だった。一方、75歳以上では要支援が約148万9,000人、要介護が約395万3,000人。75歳以上になると65~74歳に比べて要支援で約6.2倍、要介護では約7.8倍となっている。この結果から75歳以上になると介護が必要な人が大幅に増えることが分かるだろう。

厚生労働省が公表している「令和元年簡易生命表」によると、2019年における平均寿命は、男性が81.41年、女性が87.45年となっている。つまり、75歳から介護を受けて平均寿命まで生きると仮定すると男性で約6年、女性で約12年もの期間で介護が必要になる可能性があるのだ。

毎月の給料だけでは、介護費用を捻出するのは厳しい

親に介護が必要となると介護費用にかかる一時費用と毎月の費用を支払う必要がある。親に貯蓄や厚生年金などの収入があればそこから支払うことは可能だ。しかし、そうでない場合は、子どもなどの親族が支払っていくことになる。では、子どもが支払うことになった場合、毎月の給料で支払えるのかどうか見ていこう。

国税庁が公表している「平成30年分民間給与実態統計調査結果」によると、2018年の年間平均給与は「約441 万円」だった。また、平均給与約441万円の内訳を見ると給与が約371万円、賞与が約70万円である。賞与を除いた給与371万円を12ヵ月で割った場合、月給は約30万9,000円。介護にかかる毎月の費用は1ヵ月あたり平均約7万8,000円である。

月給も介護にかかる毎月の費用も平均額と仮定した場合、毎月の給与に占める介護費用の割合は「介護費用約7万8,000円÷月給約30万9,000円×100=約25.2%」と収入の約4分の1となる。現実的には、毎月の給料だけで介護費用を捻出するのは厳しいといわざるを得ない。

将来の介護費用を見越して資産運用を検討しよう

かなりざっくりとした計算ではあるものの、統計でシミュレーションをしてみると、上述したように毎月の給料だけでは、介護費用を捻出するのは難しい。対策として考えられるのが、賞与や貯蓄の一部を介護費用に充てるという選択肢だ。しかし、介護費用の支払いは1年だけではない。75歳から介護を受けたとして男性で約6年、女性で約12年という長期間介護が必要となる可能性がある。

介護期間は、毎月の介護費用の支払いが続くだけでなく、一時費用の支払いが必要となる可能性もある。そのため、まとまった費用が支払いできるよう一定の貯蓄が必要だ。ここまで見てきて「予想以上に介護費用の支払いがかかる」と頭を悩ませてしまった人も多いかもしれない。しかし、今から対策できることは十分にある。例えば、将来の介護費用に備えるためにおすすめなのが資産運用だ。

自分の両親が元気なうちから資産運用で貯蓄額を増やし将来の介護資金を作っておく必要がある。例えば、投資信託や金銭信託であれば「少ない金額からでも投資を行える」「インターネットを使って投資を行える」など、初心者にとっても利便性が高い。「投資をしたことがないため不安」という人は、将来の介護資金で追い詰められないためにも、まずは投資信託や金銭信託から資産運用を始めてみてはいかがだろうか。

医療の進歩などによる高齢化が進む日本の社会において、今後はより一層平均寿命が延びてくることが予想される。そうなると今まで以上に介護費用の負担が大きくなっていくだろう。親の介護はいつ始まるかどうか分からない。いつ介護が始まってもいいように親が元気なうちから資産運用で将来の介護費用の準備をしておきたいものだ。