執筆者:株式会社 ZUU
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新型コロナウイルスの感染が日本を直撃した2020年4~6月期の国内総生産(GDP)のマイナス幅は、年率で27.8%と発表されました(2020年8月17日速報値)。戦後最大の落ち込みとなり、コロナ禍が私達の消費活動や企業活動に与えている影響の大きさを改めて感じさせます。

2020年4~6月期、GDPマイナス幅が年率で27.8%

コロナ,GDP
(画像=goodideas/stock.adobe.com)

民間シンクタンクの日本経済研究センターがまとめている「ESPフォーキャスト」の7月調査(調査期間:6月25日〜7月6日)では、2020年4~6月期の実質GDP成長率は年率換算で前年同期に比べマイナス23.53%となる見込みとされていました。

ESPフォーキャストとは、民間エコノミスト約40人から株価や円相場の予測や景気判断に関する質問の回答を得て、その集計結果や分析を毎月発表しているもので、2004年から実施されています。

8月17日に発表された速報値ではマイナス27.8%と予想を上回り、世界経済に大きなダメージを与えた2008年のリーマン・ショック後の実質GDP成長率(2009年1~3月期)マイナス17.8%も上回る大幅なマイナスとなりました。

なお7月調査では6月調査に比べて数字が0.51ポイントほど下方修正されました。個人消費や設備投資、輸入の需要が上向くと見込まれている一方、輸出における予測が下振れしたことが要因とされています。

また、内閣府による5月の発表によれば、物価変動の影響を除いた2020年1~3月期の実質的なGDPの速報値(季節調整値)は、年率換算で3.4%減という数字となっています。このマイナス幅が4~6月は急激に拡大するかたちとなりました。

GDP(Gross Domestic Product)とは

そもそもGDPとは何を表すのでしょうか。日本語では「国内総生産」と表現され、内閣府はGDPについて「GDPは国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額」と説明しています。

GDPは具体的には「個人消費」「設備投資」「内需」「外需」などで構成され、四半期ごとに内閣府によって公表されています。GDPの増減率が「経済成長率」となり、GDPの規模は国の経済規模を捉える指標とされ、経済成長率は景気動向の分析に使用されます。

GDPには「実質GDP」と「名目GDP」があります。ここまでに紹介した内閣府とESPフォーキャストによる数字は実質GDPで、物価変動の影響が除かれた値です。名目GDPでは物価変動の影響は除かれません。一般的に経済指標として重視されているのは実質GDPのほうです。

景気動向の分析においてはGDPのほかにもさまざまな経済指標が用いられますが、現在のところ、この実質GDPの増減が最も重要な指標とされています。

なぜここまで大幅なマイナスを記録したのか

前述のとおり、GDPは「一定期間内に国内で生産されたモノやサービスの付加価値の合計額」を示しています。新型コロナウイルスの感染拡大は、さまざまな経済活動を停滞させました。

4~6月にかけては、4月上旬に日本国内の7都府県で緊急事態宣言が出され、その後、感染者は全国的に拡大しました。自治体による住民への外出自粛要請や飲食店などへの休業要請などがあり、個人消費や企業のさまざまな生産活動に影響が出ました。

こうした影響により、4~6月のGDP成長率は大きなマイナスになったと言えるでしょう。

失業率が今後高まる可能性も……マイナス成長はいつまで継続する?

個人消費の落ち込みや企業の生産活動の鈍化によって、今後は失業率が高まる懸念も出ています。

日本経済研究センターの7月調査によれば、2019年の失業率は2.3%程度でしたが、2020年半ばから2021年後半にかけて3%台で推移することが予想されています。悪化のピークは2020年10~12月期とされ、3.56%まで悪化すると見られています。

今後の注目点としては、GDP成長率の悪化がどれくらい継続するかという点でしょう。ESPフォーキャスト7月調査の時点では、2020年7~9月期以降はプラスに転じるという見方が強くなっています。

ただ、「第2波」が到来すると予測される中、経済のあり方について予断を許さない状況が続いていることは間違いありません。新型コロナウイルスの変異やワクチン開発の遅れによって終息時期がかなり後になるという見方が強くなれば、民間シンクタンクなどから厳しい予測が出てくることもありそうです。

世界経済の動きは?今後もGDPに注目

日本国外の動向についても見てみましょう。世界経済を牽引する米国の4〜6月期の実質GDP速報値は、年率マイナス32.9%となっており日本以上に深刻と言えます。一方で中国は、はやくもV字回復の兆しが見えていると言われ、中国国家統計局が7月16日に発表した4〜6月の実質GDPは年率3.2%とプラスに転換しました。

日本では緊急事態宣言こそ解除されたものの、一部地域では独自の外出自粛が呼びかけられており、早期の経済持ち直しは困難とも言われています。国の経済力を計る指標の一つとして、今後もGDPの変動に注目していきたいところです。(提供:20代、最高の自己投資メディア UpU

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