執筆者:株式会社ZUU
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(画像=govan/stock.adobe.com)

新たなビジネスについて考える中で、少しでも未来のヒントを得ようとシリコンバレーの動向をチェックするビジネスパーソンも少なくありません。しかし今、ほかと差をつけるなら“中国トレンド”を押さえるべきかもしれません。「中国の今を知れば日本の未来がわかる」と情報発信する中国トレンドマーケターの黄未来(こう・みく)さんに、「なぜ今、中国トレンドなのか?」を語ってもらいました。

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中国トレンドマーケター 黄未来(こう・みく)さん(画像=UpU編集部)

成功するには他人と違った視点を持つ必要がある

――黄さんはオンラインサロン「中国トレンド情報局」を運営するなど、中国の今について活発に情報発信されていますね。「中国発のさまざまなサービスを見れば、タイムマシーンのように、日本の未来のヒントを先取りすることができる」とおっしゃっていますが、なぜ中国トレンドを押さえる必要があるのでしょうか?

黄未来さん(以下、黄さん):結論としては、「成功するには他人と違った視点を持つ必要があるから」です。昔は誰も動画投稿で生計を立てるなんて想像もしていませんでしたよね。でも日本のトップYouTuberの1人であるHIKAKINさんは、アメリカのYouTuber事情を一足先に学び、国外ではYouTuberがすでに市場として成立していることを知っていたようです。だから先に仕込んで勝てたのでしょう。ほかの人々より抜きんでるためには、みんなが持っていない材料が必要です。そこで役立つのが、中国トレンドを知ることなんです。

――アメリカのビジネス事情をチェックするビジネスパーソンは少なくない印象ですが、あくまで中国なんですね。

黄さん:いまやテクノロジーやインターネットの領域、具体的にはVRやキャッシュレス決済、AIによる画像解析などにおいて、中国はアメリカに負けないくらいスピーディーに成長しています。もちろんアメリカ国内の動きをチェックするのもいいことなんですが、中国のほうが同じアジア圏ですし、文化的に日本と近い部分があります。となると、中国の現状と日本の未来が重なる可能性は大いにあるはずですよね。

――「とくにこの領域に関心のあるビジネスパーソンは中国に目を向けたほうがいい」というのはどんなことでしょうか?

黄さん:いろいろ挙げられますが、ビッグデータ分析はそのひとつですね。ビッグデータを扱うとき、どうしても個人情報保護の観点が問題になってしまいますが、中国では「便利になるのであれば、個人情報をプラットフォームに明け渡しても構わない」という考え方が主流です。この個人情報に対する意識の違いは、イノベーションの起きやすさにもつながるのではないかと考えられます。

――黄さんが運営されているオンラインサロン「中国トレンド情報局」には、どんな人が集まっているのでしょうか?

黄さん:現在450名ほどが所属しているのですが、中国に直接関連するビジネスをしている方は全体の2、3割程度です。それよりは「今の中国を見ることで未来のヒントを得る」という観点の方がほとんどですね。

超盛り上がるライブ配信

――「中国は勢いがあるし、いずれ自分のビジネスにも役立つだろう」ということですか?

黄さん:たとえば動画のライブ配信は、日本だと局地的な盛り上がりに過ぎませんが、中国だと老若男女がライブ配信を楽しんでいるんですよ。それこそ屋台のおじさん、おばさんが、暇つぶしに自分の調理風景をライブ配信しているんです。日本では考えられませんよね?でもそのような中国の現状を知ることで、「ライブ配信にはこういう使い方があるんだ。マネタイズの方法があるんだ」と知ることができます。

以前、「中国トレンド情報局」のイベントとして、中国の大手音声プラットフォームアプリ「Himalaya(ヒマラヤ)」の日本法人CEOの方と対談しました。日本ではまだ音声配信はそれほど馴染みがないサービスですが、中国やアメリカだとものすごく流行しているんです。なので、「音声に強いインフルエンサーとは?」や「音声で有利なコンテンツは?」ということを今から知っておけば、いざ日本で音声配信が流行ったときに有利じゃないですか。

「中国ってそうなんだ」とある意味で対岸の火事のように知識だけを得るのではなく、あくまで日本の未来の可能性として捉え、自分のビジネスなどに生かすことが重要なんです。

――先ほどライブ配信の話が出ましたが、中国の現状を踏まえて、日本のライブ配信業界は今後どのような動きをとると予想されますか?

黄さん:Instagramの動向にかかっていると思います。今もInstagramでライブ配信はできますが、マネタイズにつながる機能が実装されていないので、まだ弱いんですよ。儲かれば、やる人が増える。儲からないなら、みんなやらない。シンプルな話です。大手SNSであるInstagramのライブ配信機能が充実して、“稼げるプラットフォーム”になれば、ライブ配信というジャンル全体が盛り上がるのではないでしょうか。

――なぜマネタイズにつながる機能が実装されないのでしょうね?ユーザーが増えるのは、プラットフォーム側にとってもメリットが大きいことだと思いますが……。

黄さん:たとえば、ライブ配信に買い物かごのページをつけて、動画内で紹介された商品をすぐ購入できるようになったとしましょう。そうなると、どうしてもライブ配信で売れやすい/売れにくい商材が分かれてしまうんですよ。

服や化粧品は売れやすいけど、今私がコーヒーを飲むのに使っているコップなどは、たぶん売れない。となると、どうしても取り上げられる商品のジャンルが偏ってきて、プラットフォームの属性が限定されてきてしまう。あくまで私の想像ではありますが、Instagram側は短期的なマネタイズではなく、ブランディング的な観点から慎重になっているのではないでしょうか。

【黄未来 プロフィール】
1989年中国・西安市生まれ。6歳で来日。早稲田大学先進理工学部を卒業後、2012年に三井物産に入社。国際貿易及び投資管理に6年半従事したのち、2018年秋より上海交通大学ビジネススクールにMBA留学。マーケティングマネージャーとしてバイトダンス北京本社に勤務し、2020年1月に退職。現在は中国トレンドマーケターとして、ビジネス系オンラインサロン「中国トレンド情報局」を主宰。2019年10月、初の著書『TikTok 最強のSNSは中国から生まれる』をダイヤモンド社より出版。

(提供:20代、最高の自己投資メディア UpU

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