愛着のある不動産を売却しなければならない理由は様々です。家族構成の変更、仕事の関係、施設に入居するためなど、ライフスタイルに関わるいろいろな変化、イベントが考えられます。

必要に迫られての売却の場合、ある程度スピード感を持った売却プロセスが求められます。売却時の大まかな流れと必要書類、注意すべき税金などについてみていきましょう。

目次

  1. まずは信頼できる不動産仲介業者を探したい。探し方のコツは?
  2. 売主として知っておきたい不動産売却の流れと必要書類
  3. 不動産売却時にかかる税金
    1. 不動産売却にかかる税金1:不動産売買契約書に貼付する印紙税
    2. 不動産売却にかかる税金2:不動産売却益にかかる税金
  4. 適切なコストとスムーズな売却のため、知識を身につけていこう

まずは信頼できる不動産仲介業者を探したい。探し方のコツは?

はじめての不動産売却。大まかな流れと必須書類、注意すべき税金は?
(画像=amnaj/stock.adobe.com)

不動産売却を決意した場合、まず信頼のおける不動産仲介会社を見つけることから始めましょう。

最近は、不動産売却一括査定サイトがあります。売却不動産の基本情報を一回入力するだけで複数の不動産仲介会社に自動的に連絡が行き、フィードバックをもらえる仕組みになっています。

そこで注意すべき点は、不動産売却は、仲介会社にとって非常においしい取引であるということです。売却を請け負えれば、売却側の仲介に立てるので、物件価格の3%+6万円(税抜)の仲介手数料は、確保できるからです。

そのため、売却を請け負うために、相場とかけ離れた高い価格を提示してくる仲介会社があります。彼らは売却を請け負った後で、「これでは売れません」と売却価格を引き下げてきます。したがって、相場とかけ離れた高い売却可能価格を提示してくる仲介会社は、避けた方がよいでしょう。

売主として知っておきたい不動産売却の流れと必要書類

信頼できる不動産仲介会社が決まった後は、売却は下記の流れになります。ステップごとに必要な書類も多数あり、1つひとつ揃えていく必要があります。担当者とともに、進めていきましょう。

・不動産売却の流れ1:基本事項の確認
売却依頼を行う不動産仲介会社に、物件売却の理由など、様々な情報を共有します。

・不動産売却の流れ2:媒介契約の締結
仲介会社との媒介契約書を作成します。その際、一般媒介、専属媒介、専任専属媒介の区別がポイントとなります。信頼できる仲介会社を見つけられているなら、専属媒介、専任専属媒介での契約となるでしょう。

・不動産売却の流れ3:物件調査
仲介会社が現地に行き、物件の状態、水回り、外観、内装の状態を確認します。区分所有物件であれば共有部分の状態も確認します。さらに物件所在地の役所、法務局、水道局に行き、公図、道路付け、ハザードマップ、建蔽率、容積率、上下水道の引き込み状態などを調査します。

・不動産売却の流れ4:価格査定
売却価格を決定します。優秀な担当者は値付けが非常に上手で、後の買い手との交渉に使う金額も込みで、価格査定の金額を算出します。

・不動産売却の流れ5:売り出し・広告活動及び買受希望者の募集
仲介会社は、実際の営業活動を行います。不動産流通サイトへ掲載もこの時点から発生します。

・不動産売却の流れ6:買受希望者との折衝
買受希望者が出てきた場合、仲介会社は希望者の資力や信用などを調査します。その後、買受希望者との売買交渉に入ります。

・不動産売却の流れ7:売渡証書書の発行
売渡が決まったら、仲介会社から発行された売渡証明書を受領します。

・不動産売却の流れ8:重要事項説明
重説ともいいます。決済当日に行うのが一般的です。2〜3時間ほどかけ、土地、建物の内容など重要事項説明書をもとに読み合わせを行います。

・不動産売却の流れ9:売買契約書締結
売却のクライマックス、売買契約を締結します。

・不動産売却の流れ10:決済・引き渡し
買手が住宅ローンを組む場合、通常は融資を受ける銀行で、売主、買主、司法書士、仲介会社を交えて、頭金の決済、住宅ローンの締結を行います。買主は不動産所有権移転登記を司法書士に依頼し、売主は鍵を買主に引き渡します。

以上が、売主が知っておきたい不動産売却の大まかな流れです。

不動産売却時にかかる税金

不動産を売却する際、あるいは売却後に課される税金があります。その種類と内容についてみていきましょう。

不動産売却にかかる税金1:不動産売買契約書に貼付する印紙税

上記の不動産売却の流れ9に記載した不動産売買契約書には、印紙税がかかります。印紙税は作成者が負担するのが原則ですが、通常2通作成しますので、売主側も負担します。

▽不動産の売買契約にかかる印紙税

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円を超え
50万円以下のもの
400円 200円
50万円を超え
100万円以下のもの
1千円 500円
100万円を超え
500万円以下のもの
2千円 1千円
500万円を超え
1千万円以下のもの
1万円 5千円
1千万円を超え
5千万円以下のもの
2万円 1万円
5千万円を超え
1億円以下のもの
6万円 3万円
1億円を超え
5億円以下のもの
10万円 6万円
5億円を超え
10億円以下のもの
20万円 16万円
10億円を超え
50億円以下のもの
40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円
(出典:国税庁HP)

この表のように、不動産売買契約書は、印紙税の軽減税率が租税特別措置法で定められています。

不動産売却にかかる税金2:不動産売却益にかかる税金

通常の不動産売却時、売却により譲渡益が発生した場合、他の所得を分離して課税譲渡所得金額が計算されます。この課税譲渡所得金額に対して所得税と住民税が課税されます。この所得税と住民税をあわせて譲渡所得税ともいいます。

課税譲渡所得金額=譲渡収入金額―(取得費―譲渡費用)-特別控除

・譲渡収入金額
土地建物等の譲渡により収入が確定した金額です。通常は売却金額となります。

・取得費
譲渡する土地建物等の取得に要した金額、設備費、改良費の合計です。ただし建物の取得費は、ここから一定の方法で計算した減価償却費相当額を差し引いた金額となります。

この取得費には、購入代金(建築費)、購入手数料、登録免許税・不動産取得税、借入金利子などが含まれます。また、取得した金額がわからない場合など、概算取得費として譲渡収入金額の5%を取得費として計算に用いることも認められます。

・譲渡費用
仲介手数料や立退料などがこれに含まれます。

・特別控除
一定の条件を満たした売却の場合に控除として適用されます。控除額は以下の通りです。

  • 収用等により土地建物を譲渡した場合:5,000万円
  • マイホームを譲渡した場合:3,000万円
  • 特定土地区画整理事業等のために土地を譲渡した場合:2,000万円
  • 特定住宅地造成事業等のために土地を譲渡した場合:1,500万円
  • 平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した場合:1,000万円
  • 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合:800万円

上記式により求められた課税譲渡所得金額に、長期譲渡所得の場合では20.315%、短期譲渡所得の場合は39.63%をかけた金額が譲渡所得税となります。

適切なコストとスムーズな売却のため、知識を身につけていこう

はじめての不動産売却においては、不動産仲介会社の選定から、売却の流れに沿った多くの書類の作成、そして発生する税金など、多くの知識が求められます。適切なコストとスムーズな売却のためにも、本記事を足掛かりに、まずは基本的な事項から学びを進めていきましょう。

(提供:オーナーズ倶楽部

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