今年の9月15日でリーマンショックから12年。当時、株式市場は大きな落ち込みをみせたが、この12年の市場の動きを見てみると、長期的視点では右肩上がりになっている。

コロナ禍が世界のマーケットを揺るがしている現在の状況を考える上でも、リーマンショック後の市場の動きは参考になるはずだ。

リーマンショックとは?

リーマンショック後
(画像=PIXTA)

リーマンショックについて少し振り返っておこう。

2008年9月15日、米投資銀行のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻した。このことを引き金に、連鎖的に世界を巻き込む経済危機が起きた。このリーマン・ブラザーズの経営破綻から経済危機までの一連の事象をリーマンショックと呼んでいる。

リーマンショックの影響はアメリカ国内だけにとどまらず、世界中の証券取引所において広範な銘柄の株価暴落を引き起こした。株価の暴落、そして景気の後退は企業の業績を悪化させ、失業率は各国で高まった。日本も例外ではなく、大きな影響を受けた。

歴史的に経済危機は何度も起きているが…

歴史を振り返れば、リーマンショック以前にも何度も経済危機は起きている。1929年の「世界恐慌」、1987年の「ブラックマンデー」、2000年代初頭に起きた「IT場バブル崩壊」などだ。

ただいずれの経済危機も、株価が大きく値下がりしたあとには回復局面を迎えている。リーマンショックも同様に、株価は底をついた後、回復局面に入った。

日本の主要な株価指数の1つである「東証株価指数」(TOPIX)の値動きをみていこう。リーマンショックが起きた後、東証株価指数は急激に値下がりし、1,000を割り込む時期が続いた。ただ2013年に入って1,000台を回復した後、2019年後半にかけて右肩上がりの状況が続いている。

リーマンショック
(画像=2009年9月から2020年9月のTOPIX (東証株価指数)月足チャート。東京証券取引所HPより)

そして、今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって世界経済は大きなダメージを受け、企業の株価も大きく落ち込んだ。しかし、リーマンショック以降の市場が、数年間かけて回復し、右肩上がりの成長を見せたことを考慮すれば、今回の落ち込みも長期的には回復していく可能性が高いと考えられるだろう。

リーマンショックの教訓をどう生かすか…

このように過去の経済危機とその後の値動きについて振り返ってみると、株価は長期的にみれば回復していく可能性が高いということが分かる。では実際にこうした教訓を投資にどう生かすべきか。

1つ目は、繰り返しになるが、投資は長期的な目線で始めるべき、という点だ。

新型コロナウイルスの影響により、今は株価が下落しているが、いずれ株価は平均的には上昇トレンドになっていくはずだ。この1カ月、この数カ月、この1年で成果を出せるかは分からない。今後、いわゆる「二番底」が訪れる可能性もあるだろう。しかし、長期的な視点で投資を行なっていけば、利益をあげていける可能性が高い。

しかも今は株価が大きく下落しており、その反動でいずれ株価が大きく値上がりすることが期待できる。こうしたことから今、これまで株式投資をしていなかった人が新たに証券口座を開設し、株式投資をスタートさせるケースが目立っている。

2つ目は、これまで株式投資を続けてきた人もあまり悲観しすぎることはない、という点だ。確かに不況化においても保有株式を売却せずに持ち続けることで、短期的には資産が大きく目減りしてしまうため、一定程度の損切りなどは必要だが、株式投資自体をやめてしまう必要はない。いずれまた成果として利益を得られるシーンがやってくるからだ。

とはいえ、リスクを抑えるという視点も重要

ただ、いずれ株価の値動きがいずれ上向く可能性が高いからといって、楽観視してばかりはいられない。リスクはできるだけ抑えることに越したことはなく、できる対策は早めにしておくべきだ。

例えば「分散投資」はリスクを抑えることに非常に有効だ。株式や債券、投資信託というように、投資対象となる金融商品にはさまざまな種類があるが、こうした複数の種類の金融商品を組み合わせて資産運用することで、1つの金融商品の価値が極端に下落してもダメージは少なくすむ。

1つの金融商品で複数の資産を保有する際にも、同じ考え方ができる。株式投資においては、1つの銘柄に多額を投資するよりも、複数の銘柄に資産を分けて投資する方が、極端に資産が目減りするリスクを回避することができる。債券や投資信託でも同じ考え方ができる。

今こそ長期的な目線で投資を始めてみては

長期投資には「複利効果」というメリットもある。複利効果は、投資で得られた収益を再投資することで、利益の幅が時間を追うごとに大きくなっていくという仕組みで、投資期間が長くなればなるほどその恩恵は大きくなる。

最後に整理すると、経済危機が起きても株価は高い確率でいずれ回復することが期待でき、その上、長期で投資に取り組めば複利効果の恩恵も受けられるということだ。であれば、今こそ長期的な目線で投資を始めてみてはいかがだろうか。

前述の分散投資なども実践すればリスクも極力抑えられる。コロナ禍で株価が全体的に低くなっているこのチャンスを、みすみす逃すことだけは避けたいところだ。