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今回以降、貸借対照表について解説していきます。本稿では貸借対照表のうち「現金預金の減少」「営業資産(売上債権・棚卸資産)の増加」に着目していきます。

現金預金は、企業が所有する現金や金融機関への預金を指します。一般に現金預金の多い企業は倒産リスクが低く、安全性が高い先と判断できます。

現金預金に関しては、「残高が十分にあるか」「資金の推移がどうなっているか」「増減の理由は何か」を知ることが必要となります。そのためには資金繰り表やキャッシュ・フロー計算書を確認するのが一番です。

しかし、中小企業ではそうした資料を作成していないことも多いです。そこで代わりに、決算書での推移や、月次の残高試算表の現金預金残高の推移を並べて比較してみます。

現金預金の増減理由は様々です。例えば「売上の増加および減少」「 固定資産の購入や売却」「新規借入や借入金返済」といったものがあります。こうした要因について、前述した資料の精査や企業へのヒアリングで確認することが重要です。

次に営業資産です。主に売上債権(売掛金・受取手形)および棚卸資産(商品、製品、貯蔵品等)が主な項目となります。

営業資産は、資金化されるまでに「在庫を仕入れ、販売するまでの時間」「売上債権を回収するまでの時間」がかかるのが普通で、回収できなくなる可能性もあります。その「現金預金となるまでの一定期間」に運転資金需要が生じます。

営業資産を見るうえでは、決算書上の表面的な金額を確認するだけでなく、その裏にある取引背景、取引条件(回収サイトや支払サイト)、ひいては資金需要を把握することが重要なポイントとなります。

営業資産についての分析手法に「回転期間」があります。今回は、営業資産に関する回転期間の代表的な2つの指標について紹介します。

売上債権回転期間と棚卸資産回転期間を利用