テラー
(画像=PIXTA)

これまでの6回の連載を通して、金融機関という組織の「内的」な構造と機能、そして「外的」な社会における立ち位置や機能、事業モデルの説明を行ってきた。

そこには読者の皆さんに、金融機関という職場への認識を今一度新たにしてもらうとともに、その理解をより深めることで、自身の活躍の場とその将来像を具体的にイメージしてもらいたい――という目的があった。連載タイトルにあるように「金融機関という職場で働く」ことの可能性を考えるうえでは、まず金融機関という職場について深く知ることなしでは考えられないからである。

今回からは、より具体的なその可能性について論じていきたい。いきなり極論を挙げるなら、金融機関はやはり「皆さんにとって大きな成長の可能性が期待できる」職場であるということがいえる。つまり、皆さんのキャリア形成にとっても非常に有意義な職場であると考える。

「キャリア」は、具体的に考えれば、「職場である金融機関でのキャリア」「転職を見越したキャリア」という両方の意味で捉えられる。金融機関という職場内でのキャリアの広がりについてはこれまでにも説明済みであるが、たとえ転職をした場合であっても、金融機関で身につけられる知識やスキル・経験があれば、ある程度、異業種や異なる職種の職場でもやっていけるはずである。

とはいえ、本稿には「転職活動上有利になる」という意図はないのでご注意いただきたい。後述もするが、金融機関に対する社会的期待から、「金融機関の職員だったんだから、これができて当然だろう」といった認識のもと、働いていくうえで何かしら有利に働くことはあり得るだろう。対して筆者は、これまでと比べて金融機関という職場(職歴)に対する「表面的なブランド価値」はなくなっていると感じている。

いずれにせよ、たとえ職歴が転職活動にプラスに働き、望みどおり希望の転職ができたとしても、「実」が伴わなければ、転職した後に苦難が待ち受ける――ということはくれぐれも肝に銘じておいてもらいたい。

高いレベルの人材が当然に期待されているのが金融機関