9月で上半期が終わり、これから査定が始まるという企業も多いだろう。査定で良い結果が出ればもちろん昇給することが考えられる。給料が上がることは喜ばしいことだが良いことばかりかというとそうではない。特に年収が700万円を超えたら注意が必要だ。そこでここでは年収が700万円を超えたら注意すべきことについて解説する。

年収が700万円を超えたら所得税が高くなる

所得,年収700万
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家族構成などにもよるが、年収700万円を超えた場合にまず考えたいのが税金のことだ。まず所得税の計算方法から確認していこう。サラリーマンの給料は給与所得に該当する。給与所得では、1年間の給料収入すべてに所得税が課されるのではなく給料から「給与所得控除額」を差し引いた金額に基礎控除などの所得控除が差し引かれた金額に所得税が課される。

給与所得控除額は、1年間の給料収入の金額により以下のように異なっている。

ZUU online編集部作成
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年収700万円の場合の給与所得控除額は、700万円×10%+110万円=180万円となる。ちなみに年収600万円の場合の給与所得控除額は、600万円×20%+44万円=164万円だ。また配偶者や扶養家族がいると控除が増える。例えば夫、妻(専業主婦)、子ども(16歳)の3人家族の場合、家族に対する所得控除額は124万円となる。

上記以外に所得控除がないと仮定した場合、年収が700万円、600万円の所得金額はそれぞれ以下の通りだ。

・年収700万円の場合の所得金額
年収700万円-給与所得控除額180万円-所得控除額124万円=396万円

・年収600万円の場合の所得金額
年収600万円-給与所得控除額164万円-所得控除額124万円=312万円

所得金額に所得税率を乗ずることで1年間の所得税の金額が計算できる。日本の所得税率は、所得が高ければ高いほど税率が高くなり累進課税制度を採用している。所得税率は以下の通りだ。

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上記の例では年収700万円と600万円では税率が異なる。年収700万円の場合は、所得金額が396万円のため、税率は20%で控除額は42万7,500円。年収600万円の場合は、所得金額が312万円のため、税率は10%で控除額は9万7,500円となる。それぞれの所得税額は、以下の通りだ。

・年収700万円
所得金額396万円×税率20%-控除額42万7,500円=36万4,500円

・年収600万円
所得金額312万円×税率10%-控除額9万7,500円=21万4,500円

この世帯の例でいえば年収が100万円上がると所得税だけで36万4,500円-21万4,500円=15万円も上がることになる。この他にも住民税や社会保険料についても年収が上昇すると高くなる。控除額は扶養家族の人数や保険料の掛け金などその人の状況によって変わるため、どれだけの税額の負担が増えるのかは一概にいえない。しかし税負担額が増加するのは間違いないため、注意が必要だ。

年収が上がることで公的支援が受けられないことも

700万円になったからすぐに公的支援が受けられないということではない。しかし、年収が上がることで各種の公的支援が受けられないこともある。例えば、子どもがいる家庭に支払われる児童手当は、夫婦と子ども2人の場合、年収960万円を超えると受給できない可能性がある。その他にも子ども医療の助成制度や保育園の利用料など所得金額によって利用の制限や負担額に違いが出るケースもある。

市区町村などで所得制限の金額や負担額などが異なるため、年収が上がった場合には注意が必要だ。

収入の増加とともに、収入の「複線化」も重要

給与収入が増加したとしても税金の増加や公的援助が受けられない可能性があるなど、収入の増加額ほどの恩恵を受けられないことも少なくない。そこで収入の増加とともに考えたいのが収入の「複線化」だ。収入の複線化とは、収入が入ってくる手段を複数持つことである。副業として事業を始めることなども複線化の一つだがサラリーマンにおすすめなのが資産運用だ。

株式や投資信託などを利用して資産を増加させることが期待できる。資産運用は、元手が必要であったり専門的な知識が必要と思っていたりする人も多いかもしれない。しかし、実はそうではないものも多い。現在では投資信託のように高い専門知識を持った専門家に資産運用を任せられるものある。また、「100円から行える投資商品」などもあるため初心者でも敷居は低くなっている。

そのため大きな金額の元手や専門的な知識がなくても資産運用は可能だ。まずは、これら投資しやすい商品から資産運用を始めてみよう。年収が増えることは喜ばしいことだが、今回見た例のように年収が700万円を超えると税率が高くなることで税金の負担が大きくなったり公的援助が受けられなかったりする。そのため、資金計画が狂う可能性もある。

そうならないためにも資産運用などの給料収入以外の収入を得る手段を確保しておくことが必要だ。今は投資しやすい商品も多い。この機会に資産運用を始めてみてはいかがだろうか。