日常生活を送っているとさまざまなところで「もったいない」と感じることがあります。この「もったいない」が積み重なり、結果としてあなたの大切な時間やお金を奪っているかもしれません。今回は意思決定に役立つ「サンクコスト」という考え方を紹介します。

サンクコストとは回収できない費用のこと

“損切り”が苦手なあなたが身軽になるための「サンクコスト」の考え方
(画像=Maksym Yemelyanov/stock.adobe.com)

すでに過去に支払ってしまった費用で、どのようにしてもいまさら取り戻せないお金のことをサンクコストと言います。サンク(sunk)とは沈むという意味で、埋没費用とも呼ばれます。

サンクコストは何をしても回収できない費用なので、これからのことを合理的に決めるためには無視したほうがいいのですが、実際にはサンクコストに引きずられてしまうことはよくあります。

身近なサンクコスト、3つの具体例

サンクコストは意外と私たちの日常生活にも潜んでいます。具体的にどんなものがサンクコストなのか見てみましょう。

サンクコスト例1:スポーツ観戦

お気に入りの野球チームの試合を見るために、10,000円でチケットを買いましたが、紛失しました。あなたは再度、10,000円を出してチケットを買うかどうか考えてみてください。

この場合、紛失したチケット代10,000円がサンクコストで、どのような意思決定をしても戻ってきません。一旦は10,000円を出して見たいと思ったのですから、サンクコストは無視して再びチケットを買うことが合理的な意思決定といえそうですが、多くの人はその試合に「20,000円分の価値はあるのか……」という視点で考え、試合を見に行くことを諦めてしまうのではないでしょうか。

サンクコスト例2:自己啓発

あなたは10万円を払って5日間の自己啓発セミナーに申し込みましたが、2日目あたりから自分には向いていないと感じはじめました。3日目以降の参加はどのようにするのがよさそうでしょうか。

「10万円がもったいないから我慢して行こう」と思ったら、それはサンクコストに引きずられていることになります。ただしこの場合、3日目以降急に面白くなってくる可能性もあります。よって、「3日目以降面白くなる可能性」と「途中でやめた場合に得られる自由な3日間」を比較して決断するのが合理的といえるでしょう。

サンクコスト例3:貯蓄型の生命保険

あなたは5年前から毎月個人年金保険に2万円払ってきましたが、子どものためにもう少し教育費を増やしたいと考えています。ところが、いま保険を解約してしまうとかなり元本割れすることがわかりました。

このケースでは、これまで払ってきた保険料がサンクコストです。したがって、いま現在、月に2万円自由に使えるお金があるとしたら……という視点で考えると、新たに個人年金保険を契約するか、子どもの教育費に回すか、という合理的な選択肢も出てきます。

無意識に陥っているサンクコストを見つけて身軽になろう

今回はサンクコストの考え方を紹介しました。無意識に陥っているサンクコストが積み重なって、新しいことや本当にやりたいことを諦めてしまうのはとてももったいないことです。定期的に日常の行動や投資をメンテナンスし、身軽な状態を保っていきましょう。

(提供:ANA Financial Journal

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