医者
(画像=PIXTA)

新型コロナウイルス感染症に誰もが警戒するいま、医療機関が経営に苦しんでいる。金融機関の営業店の担当者にとって身近な医療機関といえば、町の開業医。すなわち入院用の病床が20未満の診療所だが、実はこうした診療所こそ新型コロナの影響で経営が苦しくなっていることが多い。

新型コロナ対策として不要不急の通院を避ける人が増えているため、診療所は例年より患者が減って売上(医業収益)が落ちている。特に新型コロナの感染者が多かった春頃は、患者数が前年同月比で2〜3割減ったというケースも聞く。

ここ数カ月は売上が回復してきているという声もあるが、失った売上は取り戻せない。コロナ禍がどれだけ長期化するか分からず、資金繰りに不安を抱える診療所が出ているのだ。

さらに、診療所特有の事情が追い打ちをかける。「例えば内装の工事や医療機器の導入などで、松竹梅のプランがあれば最高ランクの松を選び、過大投資に陥っている医師は少なくありません。特に借入金が多く残っている診療所は、コロナ禍の影響で厳しい局面にあるでしょう」(青森県で内科診療所を経営する医師)

改革遅れがちな診療所に積極的な経営支援を