親からの相続で引き継いだ古い家。建て替えて住もうとしたら建築許可が下りない……。このようなことは実際に起こり得ることです。この記事では、売却・建て替えなどがままならない「既存不適格住宅」について、いくつかのケースを紹介すると同時に対処法を解説します。

建て替えできない物件は少なくない

ゆずり受けた不動産でまさかの事態!建て替えも売却もできない「既存不適格物件」とは
(画像=Andrey Popov/stock.adobe.com)

現行の建築基準法に抵触する住宅だからといって、違法建築物とは限りません。新築当時は、建築基準法に適合していたのに、その後の法改正などにより現行法の基準を満たさなくなった住宅は、意外と多いのです。こういった物件を「既存不適格物件」といいます。

例えば、現行の建築基準法では、「幅員4m以上の道路に接していること」が基準(都市部の場合)とされますが、東京23区では住宅総戸数約500万戸のうち、接道の幅員が2m未満の住宅は18万戸、2~4m未満の住宅は116万戸、さらに接道していない住宅も6万戸あります。あわせて140万戸、実に3割近くが基準を満たしていません。

既存不適格の具体例

仮に接道道路の要件を満たさない住宅を建て替える場合、道路の中心線から2mまで敷地・住宅を後退させなければいけません。いわゆる「セットバック」です。

セットバック以外にも、既存不適格が生ずる理由には以下のものがあります。

  • 日影規制(1976年建築基準法改正により導入)
  • 用途地域(住居系・商業系など利用実態に応じて市町村長が指定する13の地域)の変更
  • 容積率・建ぺい率・隣地間距離・高さ制限の変更(用途地域別に定められた範囲で市町村長が決定)
  • 建築基準法など関連法規に対する自治体の運用変更

このような既存不適格物件の場合、立て替えが難しいことが理由で、売りに出したときに買い手がつきにくくなることがあります。また購入希望者が現れたとしても、銀行などからスムーズに住宅ローンが下りないといったケースもあります。

既存不適格住宅を建て替える前に地域の専門業者に相談を

建築規制に関する法制は建築基準法・都市計画法などの関連法規が複雑に絡み合い、しばしば改正もされます。さらには自治体によって運用もまちまちです。

役所の窓口(建築指導課・建築審査課)に出向いて相談するといった選択肢も考えられますが、専門性が高く、最初の相談としてはハードルが高いかもしれません。

とくに築年数が古い住宅を相続などで引き継ぐ可能性がある場合には、地域の事情に精通した不動産会社などへ事前に相談してみると、より実際的な情報や解決策が手に入りやすいでしょう。

(提供:ANA Financial Journal

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