新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅勤務をする人たちが増加している。こうした働き方の変化に伴い、デイトレードを始める人も増えているという。ただ勤務時間中のデイトレードは、あまり褒められたものではない。では、サラリーマンがとるべき投資スタイルとは、どのようなものなのだろうか。

コロナ禍によって投資を始める人が増えている

投資スタイル
(画像=PIXTA)

コロナ禍が本格化してから、感染防止対策として「テレワーク」(リモートワーク)を導入する企業が増えた。自宅にパソコンがあれば、Zoomなどのウェブ会議ソフトを使ってリモートで会議に参加することができ、通勤時間の削減などメリットもあるため、こうした働き方は、新型コロナウイルスが収束したとしても一定程度定着すると考えられている。

このように新型コロナウイルスが働き方にも影響を与える中、新たに投資を始める人も増えてきている。日本証券業協会の調べによると、証券会社15社における新規口座開設数は、2020年8月中は23万8,134口座で、前年同月の13万8,074口座に比べると約10万口座も増加した。

なぜ、ここまで投資を始める人が増えたのだろうか。その理由はいくつかある。一つは、新型コロナウイルスの拡大に伴う不況によって株価が下落したため、いまが投資の好機だと考える人は少なくないからだ。また突発的な感染症の拡大は社会不安を高め、将来への備えとして投資を始めた人も多いと推測される。

これらに加えて、会社に通勤しなくても良いテレワークによって「可処分時間」が増え、投資活動に充てる時間を持てるようになった人が多くなったという理由が考えられる。投資を始める際には最低限の知識を学ぶ必要があり、銘柄選びにも時間がかかる。テレワークによって、こうした時間を確保することができるようになったのだろう。

企業にとっては悩みの種も…それは「デイトレード」

テレワークによって投資に充てる時間が生み出されたこと自体は、非常に良いことだ。国も来たる「人生100年時代」に備え、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの制度を通じて多くの人が投資を始めるよう促しており、政府にとっても喜ばしいことと言える。

ただ企業にとって、こうした状況が悩みの種になってしまう可能性もある。テレワークの従業員が勤務時間中であるにも関わらず、「デイトレード」をしているというケースが出てきているからだ。テレワークではその社員の就業状況を逐一確認することが難しい。そんな中でデイトレードに時間を割かれると、企業側にとってはマイナスでしかない。

従業員にとっても、デイトレードに気をとられて本業が疎かになってしまえば、結果的に仕事で成果を残せなくなり、昇給や昇進に影響する可能性もある。こう考えれば、テレワーク中のデイトレードは、企業にとっても従業員にとってもマイナスだと言えるだろう。

テレワークの普及によって増えた可処分時間を投資に充てること自体は悪くないため、サラリーマンに適した投資スタイルは選択すべきだと考えられる。

「投資信託」は企業勤めの人にぴったりな投資スタイル

本業に集中しつつ、資産形成をしたいという企業勤めの人に最適な投資スタイルの一つが「投資信託」の保有だ。

投資信託とは「投信」(とうしん)などとも呼ばれ、運用の専門家が投資・運用するファンドのことだ。この投資信託を購入すれば、資産運用を間接的に運用の専門家に任せることができ、株式や債券の銘柄選びや売買に自分の時間を割く必要がなくなる。

手数料はかかるが、特に投資初心者や企業勤めの人であれば、投資信託を通じた資産運用は現実的な選択肢の1つとなる。投資信託ではさまざまな株式や債券を組み合わせて運用されるため、リスクを極力少なくする「分散投資」にもつながる。

投資信託には運用方針によっていくつかの種類に分かれるのだが、代表的な例を説明しておこう。

・インデックス運用型とアクティブ運用型

インデックス運用型は、東証株価指数などの主要な株価指数に連動した成果を目指す投資信託だ。一方のアクティブ運用型は主要な指数を上回る成果を目指す投資信託で、インデックス運用型よりも「攻め」の運用タイプであると言える。

・バリュー型とグロース型

バリュー型は、割安な価格で推移していると思われる銘柄に積極的に投資していく投資信託だ。一方のグロース型は、これから大きな成長が見込まれると考えられる銘柄で運用していく投資信託だ。

・バランス型ファンド

バランス型ファンドは、株式や債券などの金融商品の種類、国内や国外、先進国といった地域を分散して組み立てられた投資信託のことだ。分散投資に重きを置いているため、リスクを極力少なくしたい人にとっては推奨されるタイプであると言える。

このほかにも、ハイテクやESGなどの様々なテーマに基づいた投資信託もある。自分の志向やリスク許容度にあった投資信託を選ぶと良いだろう。

投資信託を始めることが堅実な選択肢

せっかくテレワークを機会に投資を始めたにもかかわらず、勤務時間中にデイトレードをするような本業に悪影響を及ぼす可能性のある投資スタイルを採るのは本末転倒ともいえる。

投資信託は、運用を専門家に任せることができる堅実な選択肢である。こうしたリスクの少ない投資スタイルから始めて、少しずつ投資に関する知識を積み重ねていくというのが、サラリーマンにとって現実的な選択肢と言えるのではないだろうか。十分な知識が身についた後であれば、本業に影響しないように配慮した上で、デイトレードにチャレンジするのも良いだろう。