「投資」といえば資産運用の手段の一つだが、同時に、興味・関心のある企業を応援する手段でもあると考えられる。こうした「応援投資」の考え方に肯定的な人が、現在増加傾向にあるようだ。この記事ではこの応援投資について、さまざまな視点から考えてみよう。

「応援投資」に関する意識調査の結果は?

応援投資
(画像=PIXTA)

大手証券会社のマネックス証券が2020年9月、応援投資に関する意識調査の結果を発表した。この調査結果から、応援投資に対して多くの人がどのような感覚でいるのか、ヒントを得ることができる。この調査は全国の20〜30代の有職者の男女を対象に実施された。

調査レポートでは「応援投資をしてみたいと思う人は7割近くに上りました」と説明した上で、「自分が応援したい先に投資をする、という考え方に興味を持った人は多いという結果となりました」と分析している。

さらに、どのような企業に投資をしたいか聞いたところ、社会に対して良いことをしている印象の企業に対しては、「既に投資をしている」と回答した人が6%、「投資したいと思う」と回答した人が47%に上った。

この調査結果についてマネックス証券は、近年の傾向について「企業に社会的な取組みが求められ評価される時代」とした上で、「個人も『なんらかの社会貢献活動』を行う人が増え、応援投資という考え方が受け入れられるといえる」と分析している。

こうした結果から、20〜30代においては応援投資に対する機運が高まっていると言えそうだ。

ある企業の株式を購入することは、本当に応援につながる?

ただ、そもそも応援したい企業の株を購入することは、実際にその企業を応援することにつながるのだろうか。

すでに上場している企業の株式を証券取引所を通じて購入する場合、すでにその企業の株式を保有している人から譲渡してもらうことになる。つまり、応援したい企業から直接的に株を購入するわけではないので、応援したい企業にお金を払う形にはならない。

新規上場株(IPO株)の場合は、応援したい企業の株式を最初に手にすることになるが、上記のような上場後の取引では、別な個人投資家などが持っている株式の所有権が自分に移転するだけだ。

こうした点を考慮すると、単に企業の株式を購入するだけでは、その企業を応援することにつながらないようにも感じるかもしれない。しかし結論を言えば、応援したい企業の株式を購入することは、間接的にその企業を応援することにつながる。なぜだろうか。

その企業の株式を購入したい人が増えると株価が上がる。株価が上がるとその企業の人気度や信用度も高まる。こうした動きは、その企業のブランドイメージを高め、金融機関からの資金調達もしやすくする。

つまり、より多くの人がその企業のことを応援したいと思って投資をすると結果的に株価が上がり、ブランドイメージの向上や資金調達の円滑化といった利益をその企業にもたらすわけだ。

応援投資する企業の探し方は?

これまで説明してきたような応援投資の視点を持つことで、資産運用の際の銘柄選びの選択肢も広がるのではないだろうか。

ではもし応援投資という観点で投資する企業を探す場合、どういう視点で銘柄選びをすれば良いのだろうか。

・「ESG」という視点

「ESG」という言葉がある。「Environment」(環境)、「Social」(社会)、「Governance」(ガバナンス)をつなげた言葉で、最近はこのESGの観点を持って事業活動をすることが、企業の長期的な成長に必要だと考えられている。

応援投資では、このESGに注目して投資する企業を選ぶという選択肢があるだろう。気候変動や大気汚染、貧困問題の解決などに取り組んでいる企業は、社会に対して良い影響を与えやすいからだ。実際に、こうしたESGに着目した投資額は年々増え続けている。

・「自分に身近な企業」という視点

自分に身近な企業の株式を購入するという視点を持っても良いだろう。普段から利用している製品やサービスを提供している企業であれば、応援したいという気持ちも湧きやすいはずだ。企業によっては株主優待で割引券などを提供しており、自分の利益にもつながる。

自分の家族や友人が勤めている企業の株式を購入するというのも選択肢の一つだろう。前述の通り、その企業の株式を購入したいという人が増えれば、ブランド力や資金調達力の向上につながる。つまりそこで勤める家族や友人を間接的に応援することになる。

投資を始めるきっかけとしての「応援投資」

投資初心者は、「どのような基準で投資する企業を選ぶか」について悩む場面も多いだろう。そんな時のための一つの基準として、「応援投資」という視点を持つのも良いだろう。

もちろん、応援したい企業であっても株価が下落傾向にあれば、再考すべきと考えられる。そんな時は、社会貢献やESGなど、自身が応援したいと考えるテーマに沿った投資信託を選ぶという選択肢もでてくるのではないだろうか。