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「リレバンを行うのは大手銀行」という矛盾
橋本 新発田さんは、銀行第二課長になる前は銀行第一課長として大手銀行を所管されていましたから分かると思いますが、大手銀行と地域金融機関には様々な違いがありますよね。例えば、大企業と取引する大手銀行は、取引先の事業承継問題に踏み込むことはありません。大企業で事業承継問題が起こるケースなど、通常はないからです。
一方で地域金融機関は事業承継問題に踏み込んでいかないと、取引先がなくなってしまいます。その意味で大手行よりも深く取引先に関わらないといけないと思うのです。
新発田 確かに、それは大きな違いです。言い方は悪いですが、全国で営業する大手銀行は地域から逃げることができます。一方で地域金融機関は自分の地盤から逃げることはできない──取引先がなくなってしまわないように経営に深く関わっていかないと自分たちの存続基盤が消えてしまうからです。
しかし、地域金融機関の現状を見ると、必ずしも取引先に深く入り込めていません。
橋本 それはなぜだとお考えですか。