「投資」とひとくちに言ってもその目的や方法はさまざまだ。今回はいくつかの調査結果をもとに、投資目的や方法の男女間での違い、またその傾向について紹介する。男性的な目線と女性的な目線を知ることで投資の目的や方法について考えるきっかけにしてもらいたい。

女性は子どもや家族の将来、男性は自分の将来のために投資をする

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(画像=PIXTA)

アメリカの資産運用大手ピムコの日本法人・ピムコジャパンが日本の富裕層を対象に行った投資に関する調査によると、男女で投資の目的に違いがあることがうかがえる。「投資が役に立つと思う目標」として女性は「子どもの大学進学」と「子どもへの将来の経済支援」で9割近くを占めた。一方、男性は「早期退職」「起業」が9割を超えている。以下、3~5位は男女それぞれ以下のようになっている。

〈男性
1位:早期退職
2位:起業
3位:経済的自立
4位:子どもへの将来の経済支援
5位:家族計画/出産

〈女性〉
1位:子どもの大学進学
2位:子どもへの将来の経済支援
3位:早期退職
4位:住宅の購入
5位:別荘の購入

女性は子どもや家族の将来に備えるため、男性は自分の将来のために投資が役立つと考える傾向にあるようだ。

女性はリスク回避、男性は高リターンを重視する

ピムコジャパンの調査では、投資スタイルにおいても男性と女性で違いがあることがわかっている。「目標達成により多くの時間がかかってもリスクを減らしたい」「リスクを増やし、より高いリターンを達成したい」という2つの投資スタイルのどちらかを選択してもらったところ以下のような結果になった。

女性
・リスクを減らす:76%
・高リターン:24%

男性
・リスクを減らす:65%
・高リターン:35%

女性より男性の方が高リターンを選ぶ傾向が強くなっている。また子どもへの相続について「現在保有する資産額を確実に子どもに相続させたい」と「リスクは増えるが資産を投資し、増やしてから子どもに相続させたい」という選択肢からどちらかを選ぶ質問では、以下のような結果になった。

女性
・現在の資産額:64%
・増やす:36%

男性
・現在の資産額:60%
・増やす:40%

ここでも資産を増やすことに積極的なのは男性であることがわかる。アメリカのCS(顧客満足度)調査機関J.Dパワーの日本法人・J.Dパワー・ジャパンが行った調査でも、男性は「リスクよりも運用益重視」、女性は「運用益よりもリスク回避を重視」という傾向だった。また投資を始めるときの手法も男性と女性では大きく異なる。

男性は、まとまった金額を準備したうえで資産運用を開始し、複数の金融商品を自分で運用したい人が多い。一方、女性は手元にあるお金を毎月積み立てていき、あれこれ手を出さずに一つの金融商品に投資、運用はプロに任せたい人が多い傾向だ。必然的に好む金融商品も男女では異なり、男性は「株式」、女性は「投資信託」に興味を持つ傾向にある。

また、資産運用を進めていくなかで、時には「相場が下がりこれ以上損しないために口座のお金を全額引き出す」という行動を取らざるを得ないことがあるだろう。しかしロボアドバイザー「WealthNavi」のデータによると、このような「全額出金」を行ったユーザーは、男性が女性の2倍にものぼったという。男性のほうが短期的な値動きに影響されやすいことがわかるデータだ。

初心者は“女性目線”の投資スタイルがおすすめ

「中長期で保有することを視野に入れつつ、手元にあるお金で少額から投資を始める。そして運用はプロに任せる」という、ここまで紹介したデータにおいて「女性的な視点」での投資スタイルは、資産運用の初心者におすすめだ。こうした条件に適している金融商品はやはり投資信託だろう。

自分で銘柄や売買タイミングを決めなければならない株式は、相場の動きを日々注意深く読んでいかなければ大きな失敗をしかねない。資産価値が減少するのを食い止めるため、先述したような「全額出金」をしなければならない局面に直面することもあり、知識と経験がなければ安定的・中長期的な資産運用は難しいだろう。

夫婦で投資目的や投資スタイルを話し合ってみる

夫婦で将来のことを話し合っているうちに、資産運用に興味を持つようになった人も多いのではないだろうか。ここまで述べたように投資の目的や運用スタイルにおいて、男性と女性ではそれぞれに思い描くイメージが異なる傾向がある。

男性は「運用益」を重視、「自分の力で資産を増やしたい」と考える一方で、女性は「リスク回避」を重視しているため「プロに運用してもらって着実に資産を築きたい」と考える傾向がある。「子どもの将来」「自分たちの将来」などライフプランを具体的に描きながら、それぞれのライフイベントに「必要な資金をどのように形成するか」を夫婦で十分にすり合わせておいた方がよいだろう。

今回は、男女で資産運用の目的や方法に差があることを紹介した。男女で傾向が分かれたが、夫婦で資産運用を考える場合、お互いの考えを共有することでよりよい方法を選択できるだろう。資金が必要となる時期や金額に合わせ、さまざまな金融商品をうまく使い分けて資産形成を目指していこう。