物価上昇率(インフレ率)に対して一定の範囲の目標を定め、市中の通貨量を制御することで緩やかなインフレを起こすこと。安定的な経済成長の実現を目指して行われる金融政策。日本におけるインフレ目標は、物価下落と不況が同時に生じる「デフレ・スパイラル」を断ち切るために、一定の物価上昇率を目標としてそれを達成するまで金融を緩和するというものである。英国やオーストラリアなどでもインフレ目標を導入しているが、いずれもインフレ抑制のためで、デフレ対応として導入している国の前例はない。日本で論議されているインフレ目標値は、消費者物価上昇率で0〜4%である。日本における導入は、インフレ目標値の導入でインフレ期待が起き、買い急ぎや設備投資の前倒し、すなわち将来値上がりする可能性があることを懸念して手当てを急ぐ駆け込み需要が起こることが期待されているが、日銀は否定的な立場を貫いている。そこには過去の経験からくる、インフレになるまで貨幣供給量を増やし続ければ、デフレからは脱却が可能だろうが、一度発生したインフレを抑えることは難しいのではないかという懸念があるためであると言える。またインフレ目標を導入し、人為的にインフレを起こした場合に、物価だけが上昇し景気が回復しない(失業率が下がらない)、というスタグフレーション(stagflation)を心配する見方もある。