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コロナ禍の急落から回復し好調な株式市場。高値更新の可能性は?

日経平均株価・NYダウともにコロナ禍前の水準に概ね戻し、高値圏をキープしています。

日経平均は2019年12月から2020年1月には24,000円台だったものが、新型コロナウイルスの不安で2020年3月には16,000円台まで下落。そこからコロナ対策/経済対策/金融政策により2020年8月には23,000円台に回復してきました。

引き続き新型コロナウイルスの状況や経済/社会の回復への道筋は予断を許さない状況ではあるものの、金融市場は安定を取り戻し、上値を伺う展開となっています。菅政権でも継続される金融緩和を背景に、さらなる経済対策も期待されることや、ワクチンや治療薬開発の進展なども含め、高値更新の可能性は十分ありそうです。

金融経済への政治の影響は?

しかしながら、今のところ事態がさらに好転するまでには至らず、政治情勢にも変化が起き始めています。日本では2012年の再就任後から今年9月まで続いた安倍内閣を引き継ぐ形で菅内閣が誕生。その任期は2021年9月末までであり、この1年でさらに変化を迎えることになると言われています。米国でも2020年11月3日の大統領選挙によって、共和党トランプ大統領の再選か、民主党バイデン氏が新たな大統領となるのかは、米国のみならず世界にも大きな影響を与えるとされています。これらの政局は株価や為替など金融マーケットにインパクトを与える材料であり注目されています。ただし、マーケットにとっては単純に〇〇党だから良い悪いとは限らず、意外な方向に反応することもよくある話で、一筋縄にはいきません。

値下がりリスクへの備えは?

このような状況下において高値更新に期待は持たれつつも、株価はすでに高値圏にあり値下がりリスクが気になるところでもあります。投資家にとっては、このまま保有金融資産を持っていてもいいのか?ある程度は利食っておいた方がいいのか? 悩むところです。

そこで、まずは保有金融資産や銘柄ごとに継続保有すべきか吟味して選別しましょう。吟味して選別するのは当たり前のことですが、評価損益に左右されてしまい冷静に行動できないケースがままあります。保有すべきかの判断材料は、あくまで今後の期待値が基準になるはずです。

ポートフォリオの下落ヘッジをどう考えるか?

次に、高値更新を期待して既存ポートフォリオを概ね継続するにしても下落へのヘッジも考えておきたいところではないでしょうか?

ご自身がどのような目的を持って資産運用を行い、どのようなポートフォリオを構築しているのかによって、リスクヘッジの考え方もやり方も変わってきます。もちろん資産運用の知識や経験によっても異なってきますから、一概に何が良いとは言えません。資産運用は万人に通用する方程式があるわけではなく、個々人によって向き不向きも異なるため、オーダーメイドで自分に合ったものを常に模索し続けていくべきでしょう。

ポートフォリオの構築やヘッジのヒント

とは言え、ここで終わってしまってはこの記事の意味がありません。ポートフォリオの構築やヘッジのヒントとなる話をお伝えしたいと思います。結論から先に言えば、それは暗号資産(仮想通貨)の代表格であるビットコインです。ビットコインと言うと過去に急騰急落を重ねてきた危険なもの、というイメージがあるかもしれませんが、コロナ禍を経て、今や資産運用のポートフォリオに組み入れることができる有力な金融商品の1つとして、取り巻く状況は以前と比べ大いに変貌しています。そこで今回は、株式投資家のポートフォリオに、ビットコインを加えることをお勧めする3つの理由についてお話ししていきます。まずはその前に、ビットコインの状況を確認しておきましょう。

ビットコインの状況

・ビットコインの価格推移

ビットコインは2008年10月に誕生し、2017年年初は10万円台だった価格が、同年末には200万円台にまで上昇。その後、中国による暗号資産(仮想通貨)への規制強化や、ネムという暗号資産(仮想通貨)の流出事件などにより、ビットコインは2018年3月末に70万円台まで下落しました。これら一連の乱高下や出来事から、暗号資産(仮想通貨)のブームは過ぎ去り、2018年末には30万円台にまで下落しました。その後2019年には欧米のヘッジファンドや大手金融機関もビットコインを活用する流れが高まり130万円台まで回復。そして、2020年3月には新型コロナショックで50万円前後まで下落。しかし、その後は世界的な混乱の中、ゴールドと共に資産の安全な逃避先の1つとしてビットコインが注目され、2020年8月130万円程度まで価格を戻しました。その後、若干調整し10月末にかけて年初来高値を更新し140万円を突破しました。

チャート,ビットコイン
出典:コイネージ

・ビットコインの時価総額

ビットコインの時価総額は2020年10月26日現在で、およそ2,422億ドル/25兆4,362億円です(CoinMarketcap)。これは、米国株で言えばナイキ(約1,610億ドル)、マクドナルド(約1,668億ドル)、コカ・コーラ(約2,140億ドル)、ウォルト・ディズニー(約2,241億ドル)などよりも大きい水準で、日本株ではトヨタ自動車(約1,857億ドル)が唯一近い水準にあります(2020年10月26日終値換算)。

実はすでに規模で言えばビットコインは世界の名だたる企業と並ぶほどであり、メジャーな投資対象の一つとなっていることが分かります。

・発行上限2,100万枚のビットコイン

また、ビットコインは予め発行数量が上限2,100万枚と決められています。法定通貨や企業の株式などのように、突然、国が円やドルをバンバン増刷したり、企業が新株をドンドン発行することでそのものの価値を下げてしまうといったことが起こらない仕組みと言えます。ビットコインの場合は、あらかじめプログラムに従って計画的に発行数量を増やすことにより、むやみに価値が希薄化することが無いように設計されています。

現在、ビットコインの発行枚数はおよそ1,851万枚で、上限の内約88%が発行済みとなっています(Blockchain.com)。残りの約250万枚/約12%は、2140年に向けて少しずつ発行され上限に達する見込みです。

理由その1~資産保全の安全性に注目が集まるビットコイン

・大口投資家の参入

このようなビットコインの状況から、昨今では安全な投資対象の1つとしてプロの機関投資家や上場企業も活用するようになりました。かつてのような一獲千金をもくろむ怪しげな存在とは大きく様変わりしているのです。直近でも報道によると、NASDAQ上場IT企業である米国のMicroStrategy社が4.25億ドル(約446億円)、資産運用会社Stone Ridge Holdings Groupが約1億1,500万ドル(約120億円)、NYSE/NASDAQ上場ソフトウエア企業Square社が5,000万ドル(約52.5億円)、などビットコインの大口購入が相次いでいます。また投資対象をビットコインのみとした初の証券Grayscale Bitcoin Trustは59.8億ドル(約6,279億円)のビットコインを保有しています(2020年10月26日時点)。

また、2017年末以降、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)やインターコンチネンタル取引所(ICE)などでビットコインの先物取引がスタート。その後もパナマのデリビット取引所やシカゴ・マーカンタイル取引所などでオプション取引も始まり、大口投資家が参加しやすい状況が整ったことで、流動性が増し、さらにビットコインを投資対象として活用しやすい環境となっています。

ビットコイン,保有リスト
上場企業等のビットコイン保有状況(BitcoinTreasuries.org)

・コロナ禍での法定通貨への不安

このように機関投資家をはじめとする多くの投資家がビットコインに注目する背景に、コロナ禍における法定通貨への不安があります。各国の巨額の新型コロナウイルス対策に連動する財政出動により、将来的なインフレ懸念を根底に米ドルをはじめとする法定通貨の価値が低下するのではないかと考えられています。そのような状況から、無尽蔵に供給される類ではないゴールドやビットコインに資金が向かうという流れが発生したと見られています。

発行上限が決められ増加ペースも計画的なビットコインの価値が、法定通貨に対する不安の裏返しとして高まってきているというわけです。法定通貨だけではなく暗号資産(仮想通貨)も持っておいた方が安全なのではないか、少なくとも資産の一部を移しておこう、という流れと言えます。

理由その2~他の金融資産と被らない特性と相関性の低さ

・他の金融資産と被らない特性

ビットコインは既述の発行上限が決められていること以外にも、他の金融資産と被らない特性がいくつもあります。

  •  電子データのみで紙幣のような実態がない。
  •  中央集権的な発行者や管理者がいない。
  •  ブロックチェーン技術によりデータが分散管理されている。
  •  改ざんや偽造することが出来ない。
  •  24時間365日動いている。
  •  少額から購入できる(コイネージでは0.001BTCから。1BTC100万円なら1,000円から)

他にもありますが、会社が株式を発行したり、国が国債を発行したり、中央銀行が法定通貨を発行したり、といった従来の金融資産と大きく異なることが分かると思います。

・相関性の低さがポートフォリオに加える意義に

このような他の金融資産と被らないという特性は、価格の変動にも表れることとなり、独自の値動きとなることも特筆すべき特徴です。ビットコインの値動きは「ゴールドと相関性が高い」「米ドルと逆相関だ」「株価指数との相関が高まってきた」と、その時々で相関/逆相関が語られることがありますが、本質的には他の金融資産と相関/逆相関にあるというものではありません。

それ故に、ポートフォリオの一部にビットコインを持つことにより、バランスの良いポートフォリオの構築を目指せるという側面があります。ここまで見てきたように、大口投資家が暗号資産(仮想通貨)を活用しだしたのは、ポートフォリオの中に加えておくべき意義を見出していると言えるでしょう。

(コイネージの日次レポート/週次レポートでは、ビットコインの各マーケットとの相関ランキングなど豊富なデータも掲載していますので、ぜひご参照ください。)

理由その3~さらに将来性にも期待できる魅力

・デジタル資産の主役

ここまででビットコインをポートフォリオに加えるに値することはご理解いただけたのではないかと思いますが、ビットコインの魅力は当然のことながらそれだけではありません。もちろん、ヘッジに使える、ポートフォリオに使えますよといった「発見」をしていただきたいのですが、それだけではないのがビットコインの面白いところです。

2020年10月21日に米国決済サービス大手のPayPal(ペイパル)が、暗号資産(仮想通貨)の売買や、2,600万店の加盟店でビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)での支払いが出来るようにすると発表しました。これに伴い、ビットコイン価格は年初来高値を更新し、140万円に迫りました。

いよいよ本格的にデジタル資産が私たちの生活と身近なものになりそうなニュースであり、今後は「デジタル人民元」など中央銀行デジタル通貨(CBDC)にも話題は広がりそうです。そのような中でも、一番初めに生まれた暗号資産(仮想通貨)であり、今でも暗号資産(仮想通貨)全体の時価総額の過半を占めるビットコインは、デジタル資産の主役であり続けると見られています。

・未来を想像してみてください

人類の歴史において「通貨」は非常に大きな発明であったことは言うまでもありません。そして、ゴールドや株式など各種の金融資産がそれに続きました。暗号資産(仮想通貨)、デジタル資産は、その類を見ない特性から単に通貨に続く流れの1つというよりは「通貨」に近い発明と言えるかもしれません。

そう遠くない未来には従来の法定通貨と置き換わって、世界中の人々が暗号資産(仮想通貨)を当たり前のように使っていてもおかしくはありません。そこまで極端ではなくてもごく普通に多くの人が活用する時代はもう目の前でしょう。

そんな未来に向けて、資産運用の一部にビットコインを取り入れる魅力を想像してみてください。十二分に行動に移す価値があると思いませんか?