金融
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利益だけで読めない…中小企業の実態把握では役員報酬に着目しよう

「昔よりも担当者の決算書を見る力が弱くなった」という声を金融機関からよく聞く。しかし、決算書を理解する力は、以前から大きく不足していたと思う。ほとんどの担当者が、収益力を分析する際は決算書の利益を中心に見ると教わり、それを前提とした格付けシステムを使っているが、これでは中小企業の実態を的確に把握することは困難だからだ。

中小企業の財務分析には役員報酬の確認が欠かせない。事業の儲けを1000万円生み出せるA社があるとしよう。儲けに対して役員報酬を設定するから、決算書の税引前利益は1000万円とはならない。役員報酬が800万円なら200万円となる。一方で、儲けが3000万円のB社が役員報酬を2800万円にしても税引前利益は200万円だ。決算書の利益ばかりを見ていると、2社の収益力(返済能力)が大きく異なることを的確に把握できないのではないか。

報酬の決め方に経営者の考えが表れる