次の上昇を期待できる株式銘柄を探すために、多くの投資家が注目するテーマを研究することは有効なテクニックといえます。「DX」「5G」「親子上場株」と、この数年実績のあるテーマを解説してきた本シリーズ、最終回は今年のルーキー・テーマともいえる「巣ごもり消費」関連を取り上げます。新しい生活様式が求められるなか、この「巣ごもり消費」は息の長いテーマとなることが予想されています。関連する銘柄とその動向を見ていきましょう。

ルーキー・テーマの「巣ごもり消費」は短期急騰も期待できる

【特集#4】投資家大注目!テーマから考える株式投資入門
(画像=ANA Financial Journal 編集部)

株式市場における物色の「テーマ」には「旬」と「寿命」があります。社会的なブームに乗じたテーマの場合、例えば「萌え関連」「東京五輪関連」など消費やイベントに絡むテーマなどは、1〜~2ヵ月以内でピークを迎える場合もあります。対して国土強靭化関連など国の政策に関連するテーマは、半年から1年程度続くことがあります。

ただし、時間が経つとテーマ性に新鮮味がなくなって資金が集まりにくくなり、株価へのインパクトが限定的となってきます。テーマには、業績向上を思惑視する「期待買い」と具体的に収益につながる「現実買い」のステージに分かれるといっていいでしょう。ただ業績動向と関係の薄い、制度的な「高配当関連」などは息の長いテーマとなります。

このような背景の中、株式市場で短期急騰を狙うなら、多くの場合、新鮮なテーマ株や材料株の待ち伏せ投資や飛び乗り投資が有効です。その点で「巣ごもり消費」は2020年に急浮上したルーキー・テーマといえるでしょう。関連する業界も拡大しており、息の長いテーマとなることが予想されます。

国内GDPの50%を占める個人消費に影響を与える「巣ごもり消費」の破壊力

世界的な経済への変動で人の移動が一部制限されるなど、2020年は波乱の年となっています。こうしたなか、国内では企業のテレワーク・リモートワーク、学校のオンライン教育といった新たなニーズが拡大しています。

また米国ではGDP(国内総生産)の70%、日本では同50%強を占める個人消費にも新たな需要が拡大しています。その大きな流れが「巣ごもり消費」です。消費活動が自宅型となり、オンラインショッピングや家庭内での食事や料理、インドア系の余暇活動などのニーズが高まっています。

米国株式市場では、オンライン通販のアマゾン、映画やドラマをオンラインでストリーム再生サービスするネットフリックスの株価が人気化しています。日本国内でも様々な巣ごもり消費の動きが顕在化してきました。東京株式市場で話題となったトピックスをピックアップしてみましょう。

巣ごもり消費に関わる5つの潮流を確認したい

巣ごもり消費の潮流1:インターネット通販

電子商取引、eコマース、ネットショッピングともいわれるインターネット通販事業者は、アマゾンや楽天市場、大手家電量販店のサイトなどが有名ですが、中小の小売店なども続々とネット通販に参入しています。個人や小規模事業者向けECプラットフォームを運営するBASEの株価は、2020年5~7月にかけて一時3倍超となるなど人気化しました。

また、ネット通販の拡大で宅配業者も繁忙です。インターネット通販の拡大で宅配便の取扱個数が2割増えた、クロネコヤマトを展開するヤマトホールディングスの2020年4~6月期の連結営業損益は、80億円前後の黒字(2019年同期は61億円の赤字)に転換しました。

巣ごもり消費の潮流2:フードデリバリー・持ち帰り食

街の飲食店や居酒屋までもが「持ち帰り弁当・料理」を始めた結果、食品トレー・弁当容器を手掛けるエフピコなどが注目されています。また、大都市圏ではウーバーイーツに代表される出前・宅配ニーズが高まっており、ピザ・弁当などの宅配デリバリーの出前館、フード・デリバリーサービスのライドオンエクスプレスホールディングスの事業拡大が関心を集めています。

巣ごもり消費の潮流3:家庭料理

家庭での食事が増えた結果、スーパーマーケットの業績が全般に堅調です。また、子どもと一緒に家庭でパン・お菓子作りをするミニ・ブームが生まれて、パンや製菓材料・道具が揃うオンラインショップを運営するcottaの株価が2020年4~7月にかけて急伸しました。

巣ごもり消費の潮流4:家庭用ゲーム、家庭内エクササイズ

巣ごもり消費の代表格でもあるのが家庭用ゲームです。特に、任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch(スイッチ)」のゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」が大ヒットしています。

巣ごもりによる運動不足、体重増加の心配が高まり、同じくスイッチ向けゲームソフトで、家庭で楽しみながら運動できる「リングフィット アドベンチャー」の出荷本数が、2019年10月の発売から8ヵ月の2020年6月で100万本を突破しました。抽選販売が実施されるなど、品薄状態が続く人気商品となっています。

巣ごもり消費の潮流5:DIY・ホームセンター

家庭での巣ごもりで園芸や日曜大工もミニ・ブームになっているようです。また、テレワークからデスク、椅子、棚などの需要なども高まり、ホームセンター企業の業績も堅調に推移しています。

このように巣ごもり消費といっても幅広く、新しい生活様式が求められるなか新たな消費行動が生まれ、企業のビジネスチャンスも大きく転換していることが伺えます。

(提供:ANA Financial Journal

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