40代ともなると、そろそろ将来のことを考える時期に差し迫ってきます。人生100年時代といわれる現代は超高齢化社会へと変化しつつあります。これから迎える老後、定年後の生活や自身の体の健康といった自分自身の悩みも多くなっていくでしょう。また、自身だけでなく子どもの進学、両親の介護が始まるなど、ライフスタイルが大きく変わる方も増えていくかもしれません。

そのなかで、気になるのはやはり「金銭面」ではないでしょうか。そこで、ぜひ知っておいていただきたいのが、資産運用です。今回は、40代からの資産運用を始めるためのポイントについて解説していきます。

目次

  1. 40代の貯金と投資の割合は?
    1. 40代で1,000万円以上の貯金がある人の割合は20.1%
    2. 40代の貯金と投資の割合
  2. 40代の資産運用は毎月いくら投資すればいい?
    1. 20年間、毎月3万円、3%で運用した場合
    2. 20年間、毎月5万円、3%で運用の場合
  3. 40代が投資を始めるメリットは?
    1. 40代が投資を始めるメリット1:60歳までまだまだ時間がある
    2. 40代が投資を始めるメリット2:収入にも余裕が出始めてきて投資に回せるお金がある
    3. 40代が投資を始めるメリット3:ビジネス経験があるので自分が詳しい業界の知見が生かせる
  4. 40代が資産運用を成功させるポイント
    1. 資産運用を成功させるポイント1:老後を見据えた目標金額を決める
    2. 資産運用を成功させるポイント2:大きなリスクは取らない
    3. 資産運用を成功させるポイント3:先取り貯金でお金を工面して着実に運用する
    4. 資産運用を成功させるポイント4:投資額を決めてその中で運用をする
    5. 資産運用を成功させるポイント5:住宅ローンや子どもの学費、親世代の介護費などもあるので貯金を意識する
  5. 40代が検討したい金融商品は?
    1. 資産運用に適した金融商品1:投資信託(インデックス運用)
    2. 資産運用に適した金融商品2:株式投資(ディフェンシブ、株主優待)
  6. 何かとお金が必要な40代。適切な方法で投資し、資産運用しよう

40代の貯金と投資の割合は?

40代「貯金と投資」の割合は?資産運用を成功させるポイント
(画像=lovelyday12/stock.adobe.com)

まずは40代の預貯金額と投資の関係について、データを元にそれぞれの割合を見ていきましょう。

金融広報中央委員会が、全国に住む8,000世帯を対象に行った「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」では、以下のような結果となっています。

40代で1,000万円以上の貯金がある人の割合は20.1%

世帯主の年齢が40代となる世帯で、貯金が1,000万円以上あると回答した人の割合は、全体の20.1%に着地しました。

金額別に見てみると、1,000~1,500万円は9.1%、1,500~2,000万円は5.0%、2,000~3,000万円は3.1%、3,000万円以上は2.9%という数値です。これを金額にしてみると、平均では694万円という結果となっています。

40代は、仕事で管理職などの地位についている方が増えてくる世代です。30代前半のうちに子どもが誕生した夫婦では、子どもが小学生となって教育費や保育園代が落ち着いてくるなど、安定した家計を保ちつつ貯金が可能な世代でもあります。このような背景が、20代(同条件にて0.0%)・30代(同条件にて13.2%)世帯よりも、貯金額の割合が増えている理由であると思われます。

40代の貯金と投資の割合

次に、40代の男性・女性別の貯金と投資の割合についてです。

日本証券業協会が2018年6月15日~7月29日まで実施した「平成30年度 証券投資に関する全国調査(個人調査)」のデータを元に見ていきましょう。なお、投資とは「株式と投資信託を合算したもの」という前提としています。

この調査で投資を行っていると答えた人は、40代男性626名のうち165名(26%)、40代女性616名のうち93名(15%)でした。

一方、預貯金があると答えた人は、40代男性626名のうち588名(94%)、40代女性616名のうち578名(94%)という結果になっています。

男性・女性ともに貯蓄をしている方の割合が90%以上となっています。「何かあったときのために」と堅実に貯金されている方が多いということがデータからわかります。

投資については、男性26%と女性15%の数値を平均してみると、40代では約21%の方が実際に投資を行っているという結果になりました。これからの時代、老後を貯金だけで生活していくには不安があるといった方も多いかもしれません。将来への備えの1つとして、投資による資産運用をしている方も一定数いるようです。

40代の資産運用は毎月いくら投資すればいい?

さて、40代の貯金額や投資の背景や平均額を紐解いたところで、次は実際に資産運用すると思い立った方に向けて解説をしていきます。40代で円滑に資産運用を行うには、毎月どれくらいの金額を投資に回すとよいのでしょうか?

こちらでは、金融庁が提供している「資産運用シミュレーター」を使って、40代から60代までの20年間、長期的な資産運用(長期投資)を行ったときのシミュレーションをしていきます。

【参考】金融庁 資産運用シミュレーション

20年間、毎月3万円、3%で運用した場合

毎月3万円で長期的に投資を行った場合、年3%収益が期待できる商品への投資であれば、20年後には約985万円にまで資産が増えるという結果となりました。

元金は2年で72万円に増え、利益としてリターンが期待できるのは約2万円です。これが20年後には、元金720万円、利益は約265万円となります。毎月一定額でもコツコツ運用していけば1,000万円近い資産となるのです。

20年間、毎月5万円、3%で運用の場合

今度は年利の%はそのままに、投資する金額を5万円に変えてみましょう。

毎月5万円だと、20年後には元金1,200万円+利益約442万円の合計約1,642万円という結果が出ました。

毎月3万円投資との差額は約657万円となっています。投資に回す額が増えた分、20年後の合計金額も増えているのは当然ですが、月2万円の違いで大きく差が出るということが理解できるはずです。

ここで老後に必要な資金を2,000万円と仮定してみます。40代から60代までの20年間、毎月5万円を投資して資産運用すると約1,642万円となりますが、差額は約358万円です。

2,000万円の大半を資産運用することで貯め、残りの約358万円は投資ではなく銀行の定期預金などを利用、貯め方に幅を持たせる、と考えれば、かなり現実的に感じるのではないでしょうか。

ちなみに、5%の利益がある商品で、毎月5万円、20年間運用すると、約2,055万円になります。これから長期投資によって資産運用を考えているのであれば、投資商品の金利についてよく調べ、将来のために貯めておくべき金額をシミュレーションしてみてください。

40代が投資を始めるメリットは?

これから投資を始めようと考えている方は、投資が持つ性質について熟知しておきましょう。ここでは40代から資産運用を行うメリットをお伝えします。

40代が投資を始めるメリット1:60歳までまだまだ時間がある

40代というと、毎日の生活や健康に気を付けながらバリバリと働くことができる、まだまだ現役世代です。20年あれば、定年までの時間、じっくりと資産運用を行うことができます。

厚生労働省が実施した「平成29年就労条件総合調査」によると、定年を65歳と定めている企業は全体の89.1%という結果が出ています。厚生労働省が方針を示した「高年齢者雇用安定法(2013年4月1日施行)」の改正などにより、定年を65歳に制定している企業が多くあります。定年年齢は必ずしも65歳でなくてもよいため、60歳で定年という企業もあります。 自身が勤める企業の定年年齢が規則の改正によって、入社時より変更となっている場合がありますので、この機会にあらためてチェックしてみましょう。

40代が投資を始めるメリット2:収入にも余裕が出始めてきて投資に回せるお金がある

40代というと、管理職や経営層のポストについている、という方もいるのではないでしょうか。歩合制でなければ、収入にも余裕が出はじめる世代であり、貯金をしているという方も多いようです。健全な生活を順風満帆に送れるくらいのしっかりとした蓄えがあるため、「貯金は投資に回す」という選択もできるのです。

40代が投資を始めるメリット3:ビジネス経験があるので自分が詳しい業界の知見が生かせる

40代にもなると、ビジネスの経験を多く積んでいると思われます。長年培ってきた経験から、40代で転職して前よりも待遇の良い仕事に就くこともできるでしょう。もしかしたら、これまでにさまざまな業界を経験してきた、という方もいるのではないでしょうか。

これらの経験が、投資に役立つことがあります。特に株式においては、特定の業界の内情などは、ある程度の知見がなければ動向を読むということは難しいものです。経験を投資に素早く反映させることができるのも、40代で投資を始めるメリットといえるでしょう。

40代が資産運用を成功させるポイント

メリットは理解できたものの、いざ資産運用をはじめるとなると、リスクなどが頭をよぎるものです。そのような方に向け、40代からの資産運用を成功させるためのポイントを紹介します。

資産運用を成功させるポイント1:老後を見据えた目標金額を決める

毎月給料などから天引きして年金を納めている方なら、老後は65歳から公的年金が受給できるようになります(現在の年齢により、受給開始年齢は異なります)。やや極論ですが、100歳まで生きたとしても、65歳から支給される年金の金額内で生活を送ることができればよいのです。しかし、生活のしかたによっては赤字となってしまう可能性もあります。

年金が毎月15万円支給される(65歳~)と仮定しましょう。その支給されたお金をすべて使用すると1年間で180万円、100歳までの35年間では6,300万円使うことになります。

しかしこの金額は試算であり、毎月の生活費が増えれば、当然もっと必要になります。定年後は再就職もなかなかスムーズにいかず、現役時代よりも収入がグッと下がることが想定されます。そのため老後の収入状況を見越し、「自分が毎月どれくらいの金額内で生活すべきか」ということを今のうちから知っておくとよいでしょう。

資産運用を成功させるポイント2:大きなリスクは取らない

投資はリスクと隣り合わせです。利益=リターンが大きいほど、比例してリスクも高くなっていくものです。これから投資を始めるという初心者は、大きなリターンを望むよりも、低リスクで安全性の高い商品からはじめるのがよいでしょう。

そのため、商品を選ぶときは必ずリスクについて説明を受け、各々の商品の特徴をよく見極めることが大切です。

資産運用を成功させるポイント3:先取り貯金でお金を工面して着実に運用する

先取り貯金とは、毎月の給料から先に貯金したい分だけを別の口座などに移して貯金する方法です。先取り分だけが引かれた状態ですので、無駄遣いが減り、確実に貯められる方法としても人気を集めています。

この先取り貯金を上手く活用して貯めた範囲内で、お金を工面して投資に回し、無理のない資産運用を行うことも可能です。

なお、先取り貯金には主に2つの方法があります。

1つは、住宅を購入するなど用途や目的に合わせて積み立てる財形貯蓄です。なかでも、預金額が550万円までであれば利息分は非課税となる「年金財形貯蓄」なら、満55歳以下の方は利用可能となっています。銀行などがサービス展開していますので、取引のある銀行で受け付けてくれるか調べてみましょう。

2つめは、企業側で給与受け取り者の給料用口座から指定した金額を他の口座に移す社内預金制度です。こちらは企業ごとの規則により、できるかどうかが決まります。一度、社内の担当者に聞いてみるとよいでしょう。

資産運用を成功させるポイント4:投資額を決めてその中で運用をする

毎月いくら貯金すると貯金額を決めるように、毎月の投資に回す金額を決めることで、無理のない資産運用が可能です。投資に関しての知識がまだ浅いうちは少ない金額で、慣れてきたら少しずつ投資金額を増やすようにするとよいでしょう。

資産運用を成功させるポイント5:住宅ローンや子どもの学費、親世代の介護費などもあるので貯金を意識する

40代は、実はお金の悩みに直面しやすい時期で、心配事が出てくる方も多いでしょう。

たとえば、30代で家を建てた方のなかには「住宅ローンがまだ20年残っている」という方もいると思います。また、子どもが中学、高校、大学と進学するにあたって学費もかかってきます。

そして、自身の両親が高齢になる方がほとんどであり、数年後には親の介護費用を負担する必要があるかもしれません。

ライフプラン表などを上手く活用し、これから必要になる金額を意識してなるべく貯金に回すことを心がけるのも、40代の資産運用のポイントの1つといえるでしょう。

40代が検討したい金融商品は?

40代におすすめしたい、資産運用できる金融商品を紹介します。

資産運用に適した金融商品1:投資信託(インデックス運用)

投資信託は、経験豊富なプロがあなたの代わりに資産を運用してくれる金融商品です。

インデックス運用とは、株価の指標となるインデックス(指数)と連動した運用を行う方法です。日本であれば、日本株の代表として有名な日経平均株価をインデックスとしている商品が多く存在します。

このインデックス運用は、市場と同じ動きをすることが特徴です。市場がプラスに動いているときは自身の運用も上向きに、マイナスのときは下向きの推移となるため注意が必要です。しかし、仕組みがシンプルであることや、運用に関してはプロ任せでOKな点が、最初に行う投資として初心者にも取り組みやすいといえます。

資産運用に適した金融商品2:株式投資(ディフェンシブ、株主優待)

株式投資にはさまざまな商品があり、なかにはハイリスク・ハイリターンなものもあります。しかし、ある程度安定した運用がしやすいといわれているのが、「ディフェンシブ株」と呼ばれる株式投資です。

ディフェンシブ株とは、世の中の景気や市場の動向などに影響されにくい銘柄のことをいいます。食品や医薬品などの生活必需品をはじめ、鉄道や電気というような生活において必要不可欠なインフラを扱っている企業を指します。これらの銘柄は業績が安定していることが多く、株価も乱高下しにくいとされています。大きなリターンは望めないものの、「資産を減らしたくない」といった方におすすめです。

また、「株主優待」の豊富さも銘柄を選ぶときにチェックしておくとよいでしょう。企業が事業活動で利益を出したときに株主に配当される「配当金」によって資産がプラスになることがあります。

また、その企業オリジナルのブランド商品が返礼品としてプレゼントされることもあるようです。近年では「株主優待」のバリエーションも豊富になりつつあり、株主優待の内容で銘柄をチョイスするという投資家も増えています。株主優待のバックを目当てに株式投資を行う、というのも1つの方法ではないでしょうか。

何かとお金が必要な40代。適切な方法で投資し、資産運用しよう

20代・30代のころとは違い、これからの生活についてより身近に考える機会が増えてくるのが40代です。老後の資金についてはもちろん、子どもの学費、親の介護にかかわる費用など、さまざまなことにお金が必要となり、多少なりとも不安をかかえている方も多いのではないでしょうか。

しかし、投資信託や株式投資といった金融商品を上手く活用すれば、将来への十分な備えとすることも可能です。築いてきたキャリアを元にさまざまな世界で活躍している40代の方なら、これまでの豊富な経験を活かして上手に資産運用もできるでしょう。

著者 岩田 結

(提供:ANA Financial Journal

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