営業店に必要な高齢のお客様対応ノウハウ
(画像=PIXTA)

【ケース3】伝票を読みにくそうにしているなど視覚に難がありそう…

症状の差こそあれ、老眼は高齢者のほぼ全員に及ぶため、視覚に難のある該当者は難聴などの発症者よりも遥かに多数に及びます。

老眼は、加齢と共に日々少しずつ進行しますが、以前に購入した老眼鏡の度が合わなくなっても、「もったいないので…」とそのまま長期にわたって使い続ける高齢者もみられます。したがって、「老眼鏡を使用している=見えているはず」と早合点することは禁物です。

また別の可能性として、糖尿病などの可能性を疑う必要もあります。予備群を含めると2000万人に達するといわれる糖尿病は、合併症として糖尿病網膜症に至ることが少なくありません。発症後、高血糖によって血管が痛めつけられ、単純網膜症・増殖前網膜症・増殖網膜症と進行する中で次第に視力が衰え、最終的に失明に至る症状となる該当者もみられます。

糖尿病は、緑内障、網膜色素変性に次ぎ、視覚障害要因の第3位に位置づけられます。失明までは至らずとも、社会生活に支障を来して、障害認定を受けている人は珍しくありません。したがって、高齢のお客様が伝票を読みにくそうにしていたり、説明時に資料をちょっとしか見ない素振りを示したりした場合には、老眼だけでなく、糖尿病網膜症による視覚障害の可能性も視野に入れる必要があります。

記帳台やテラー・カウンター上に老眼鏡を置く店舗はごく一般的な一方で、肝心の老眼鏡やケース・ボックスなどが汚損されたままとなっていることが少なくありません。コロナ下の折、ただでさえ第三者が使用した用具・備品を使い回すことに抵抗感が強まっている点に改めて留意する必要があります。

こうしたお客様側の心情に鑑みたうえで、備付の老眼鏡を活用してもらおうとするならば、最低限の対応として、面前での消毒除菌シートほか衛生用品による払拭消毒の実施が不可欠です。さらに、 使用時に耳や鼻への接触が避けられない老眼鏡ではなく、拡大鏡 (虫眼鏡)の設置・利用に向けた 追加・変更も有効です。

老眼鏡や拡大鏡だけでは 対応し切れないことも