自社工場
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バンクビジネス
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第9回目は、貸借対照表のうち「有形固定資産が増加する局面」に着目します。

有形固定資産とは、販売目的でなく、長期にわたり使用される物理的な形態を持った事業用資産です。主に建物・構築物・機械装置・船舶・車両運搬具・工具器具備品・土地・リース資産・建設仮勘定などが該当します。自社工場を保有するような製造業では、貸借対照表の資産の部の大半が有形固定資産ということも十分に考えられます。

有形固定資産の増加で、決算書に大きな変化が生じる局面は「大型の設備投資」に関連することが多いでしょう。

ひと口に設備投資といっても業種や状況で様々なパターンがあり、例えば製造業では「生産力向上を目的とした工場設備や機械装置の購入」、運送業では「便数増のための車両運搬具やリース資産の取得」、小売業では「新規・既存店舗の改装等に関連する資産取得」などが挙げられます。

設備投資に関連して有形固定資産が大幅に増加した場合、まずその投資計画を把握することが肝要です。具体的には、投資概要(内容・目的・規模)および投資効果の見込みが重点的に確認すべき項目となります。

設備投資の理由は様々ですが、大型の投資なら、将来の売上高増加や費用削減に寄与し、その結果利益を拡大する目的があります。そのため、会社の将来性を判断する材料として投資計画の把握は必須です。

また、その後の投資効果(損益実績)の継続的な確認も非常に重要です。投資効果としての利益が計画と比して少なければ、要因を特定し改善案を検討する必要があります。

設備投資後に企業環境に大きな変化が生じ、投資計画の抜本的な見直しを求められることもあるでしょう。特に大規模災害や社会的活動の制約、法規制等の改正などがあった際はそのような展開が生じやすいと考えられます。

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