マンション経営を含む不動産投資では、税金との関わりを避けて通ることはできません。そもそも不動産を購入、所有、売却する際にはそれぞれ税金との関わりがあるため、それらのプロセスをすべて含んでいるマンション経営では税金のことを理解しておく必要があります。

そして、不動産投資はひとつの事業なので、事業を営むのにあたって関わりがある税金もあります。これだけを見ると不動産投資は税金だらけでメリットがないと思われるかもしれませんが、税金が発生するということはそれだけ利益があるからです。

そこで当記事ではマンション経営に関連する税金を「購入時」「保有時」、そして「売却時」の3つのプロセスに分けて、それぞれに関わりがある税金について解説します。税金についての知識をおろそかにすると、知らなかったでは済まされない事態に発展してしまう恐れもあります。10分程度で読み終えられる内容で充分理解できますので、この機会にマスターしてみてください。

不動産にかかる税金を解説

税金
(画像=Андрей Яланский/stock.adobe.com)

そもそも不動産は、持っているだけで税金が発生する資産です。「固定資産税」や「都市計画税」は不動産を所有している人に対して発生する税金ですし、不動産取引をする際にも税金は発生します。これら不動産に関連する税金は不動産投資をしているわけではなく、マイホームを所有している人に対しても課税されるという点では同じです。

不動産投資の場合はそこに事業性が加わるため、事業をしていることによって得られた収入に対する「所得税」が発生します。

最終的に不動産を売却した際にも税金との関わりがありますが、これは売却によって利益が発生した場合のみです。

それではマンション経営の3つのシーンそれぞれについて、関わりがある税金を解説していきましょう。

購入時にかかる税金

不動産の購入時に発生する税金は、以下の通りです。

1.印紙税

印紙税とは、不動産の売買契約書や融資の際の貸借契約書など、さらには代金決済の領収書に印紙を貼る際に発生する税金です。金額の大きな契約や金銭のやり取りに対して課税されるもので、例えば区分マンション物件取引の価格帯である「1千万円超5千万円以下」だと税額は2万円、「5千万円超1億円以下」だと6万円といった具合です。
参考:国税庁「印紙税の税率一覧」

不動産取引の代金決済で領収書を発行する場合、そこに貼る印紙代として印紙税が発生します。5万円未満は非課税ですが、それ以上の金額の印紙税については下表の通りです。1億円以上の規定もありますが、標準的な区分マンションの価格帯として考えられる金額のみ抜粋しました。

100万円以下200円
100万円超200万円以下400円
200万円超300万円以下600円
300万円超500万円以下1,000円
500万円超1,000万円以下2,000円
1,000万円超2,000万円以下4,000円
2,000万円超3,000万円以下6,000円
3,000万円超5,000万円以下1万円
5,000万円超1億円以下2万円

出典:国税庁ホームページより

2.登録免許税

「登録免許税」とは、不動産の登記に際して発生する税金です。マンション物件を購入した際には登記によって所有者であることを証明する必要があるので、そのための費用であると考えてください。一般的な投資用マンションでは税率が0.4%になります。

3.不動産取得税

代金を支払って不動産を購入すると、「不動産取得税」が発生します。土地と家屋それぞれの税率は、以下の通りです。相続の場合は不動産取得税の課税対象外ですが、無償による不動産の譲渡であっても相続以外であれば課税対象となります。

宅地の不動産取得税率:固定資産税評価額の半分に対して3%
家屋の不動産取得税率:固定資産税評価額に対して3%

保有時にかかる税金

マンション物件など不動産を保有している期間(つまり不動産投資家として賃料収入を得ている期間)に発生する税金は、以下の通りです。

1.固定資産税、都市計画税(固都税)

いわゆる「不動産を持っていることで発生する」税金です。固定資産税はすべての不動産に対して発生する税金で、固定資産評価額に対して1.4%が標準税率です。都市計画税については市街化区域に指定されている区域内の土地や家屋に対してのみ課税されるもので、0.3%が標準税率です。

それぞれ標準税率という表現を用いているのは、それぞれの税率を上限として各自治体が税率を設定する仕組みになっているからです。固定資産税の1.4%、都市計画税の0.3%はそれぞれ上限であり、多くの自治体では上限が設定されています。

都市計画税の課税対象は市街化区域のみですが、投資用マンションは市街化区域にしか建てられないため、マンション経営をする大家さんは実質的に都市計画税の課税対象者となります。なお、この2つの税金を総称して「固都税」と呼ぶこともあります。

2.所得税

マンション経営では、不動産所得が発生します。不動産所得とは入居者からの家賃収入や、敷金・礼金、更新料などの収入を指します。敷金や保証金として入居者から受け取ったお金のうち、返還の義務がないものは不動産所得となります。こうした不動産所得には、所得税が課税されます。これは不動産投資だけでなく、事業性の収入であればどんな収入であっても同じく課税されるものです。

所得税は累進課税となっており、所得額が大きくなるほど税率が高くなります。税率の一覧は、以下の通りです。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超40%2,796,000円

出典:国税庁ホームページより

売却時にかかる税金

所有しているマンション物件を売却した場合に購入価格を売却価格が上回ると、譲渡益が発生します。この譲渡益は譲渡所得となり、他に給与所得や事業所得がある人であってもそれらの所得とは分離して課税されます。この「譲渡所得税」には独自の税率が設定されており、それぞれ以下の通りです。

区分所得税住民税
長期譲渡所得15%5%
短期譲渡所得30%9%

出典:国税庁ホームページより

長期と短期で2種類の税率が存在していることが見て取れます。長期とは、不動産を保有している期間が5年以上になる場合で、5年以下は短期に分類されます。短期と長期では税率が倍ほどの違いがありますが、これには不動産を短期間で転売する、いわゆる「マンション転がし」と呼ばれるような投機的な不動産取引を抑制する狙いがあると言われています。そのため、短期譲渡所得は税率が高めに設定されているのです。

ただし、この譲渡所得税については譲渡益が発生した場合にのみ課税されるものであり、売却時の価格が購入時の価格よりも低い(つまり売却で損をしている)場合は、課税対象とはなりません。

税金は必要なコスト、利益があるから発生する

マンション投資を含む不動産投資に関わりのある税金の概要、税率について解説してきました。改めてお読みになったうえで「やっぱり税金だらけだ」とお感じの方もおられることでしょう。しかし、冒頭でも述べたように税金が発生するということは、それだけ利益がある事業だからです。

項目を並べると税金の「数」はとても多く感じますが、購入時に発生する印紙税や登録免許税などについてはそれほど多額なものではありません。そして、保有時に所得税の税額が大きくなってくるということは、それだけマンション経営の収入が大きくなっていることの証しです。納税を通じて社会的信用が高くなり、今後の融資を受けやすくなるというメリットもあります。

不動産投資に関連する税金は必要なコストであるととらえ、事前に把握することで「こんなはずではなかった」ということがないようにしておきましょう。

(提供:THE Roots

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