不動産投資は、老後資金を作るうえでも有効な手段の一つです。例えば、余裕資金を使って、区分所有物件や一棟アパートを購入し、そこからの家賃収入を老後の公的年金に上乗せすることも一つの方法です。

もう一つ、公的年金の上乗せ分として注目される金融商品として「個人年金保険」があります。今回は、老後資金の+αと位置付けられる、不動産投資と個人年金保険を比較してみましょう。

個人年金保険は自身が振り込んだお金がスライドして支払われるのみ(一部運用あり)

賃貸管理
(画像=jirsak/stock.adobe.com)

まず、老後資金を作る際に代表的な金融商品である、個人年金の内容を見ていきましょう。分かりやすく商品の内容を説明すると、以下の通りです。

例えば現在30歳であれば、60歳まで30年間保険料を支払います。わかりやすくするために、毎月1万円ずつ積み立てると

10,000円×12か月×30年=360万円

となり、これが元本です。

60歳以降は、支払うポジションからもらうポジションに変わります。そしてある生命保険会社のHPのシミュレーションを使って計算してみると、5年ごと利差配当付き個人年金保険に加入した場合、60歳から5年間据え置き、支給開始は65歳から74歳までの10年間もらう場合、

381,000円×10年=381万円

で、381万円÷360万円=105.8% 増えることになっています(男性の場合)。
計算上かけた時より、21万円多くもらえるという事になります。これを10年確定個人年金と呼びます。

しかし、この考え方は本当に正しいのでしょうか。これを検証する方法として、「割引現在価値」という考え方があります(Discounted Present Value)。お金には複利効果があります。現在の低金利下では、定期預金で積立てしてもなかなか増えません。しかし1%で運用できる可能性は、無きにしもあらずです。

仮に毎月1万円を30年間年利1%で積立てた場合、30年後の受け取り総額は、約420万円になります。利息分で約60万円です(金融庁シミュレーション使用 税金は除く)。個人年金の最後に381万円の運用利回りを逆算すると、約0.4%、これが年に換算した利回りとなります。

しかし、現在、生命保険会社の個人年金は、変額個人年金が主流となっています。これは、積極的に運用商品を選択して、お金を増やすことを目的とした商品です。こちらは、投資性金融商品と同じなので、利回りは確定していません。

不動産投資は自分のお金ではなく、他人資本で運用できる

次に、不動産投資を考えてみましょう。この投資手法の最大の特徴は、金融機関からの借入金(他人資本)を入れることで、自己資金の数倍の物件を買うことがでる、という事が最大のポイントです。

これを以下の模式図で考えてみましょう。

バランスシート
(画像=THE Roots編集部)

これは、企業で使う貸借対照表を個人に当てはめたものです。

例えば、左側(借方)の総資産を、一棟物アパート一億円と考えましょう。これに、金融機関から9,000万円を借入し、頭金=自己資金は1,000万円と仮定します。

すると、純資産(NAV=Net Asset Value)は、当然1,000万円となります。この意味するところは、1,000万円の自己資金で、1億円の投資ができるという事に他なりません。これによりレバレッジを利かすことが可能になります。

もし、物件から上がってくる家賃収入が毎月1,000万円(表面利回り10%)、銀行からの借入利子300万円(3%相当)、その他固定資産税、修繕積立金などの経費で200万円(2%相当)とすると、5%の利回りとなります。NAVは、不動産投資のREITにも使う指標で、返済を進めることによって、年々NAVを上げ、純資産を増やしていくことが、不動産投資の本質なのです。

保有中は家賃収入を得られる

不動産投資は、債券投資と似ています。物件保有期間は、家賃収入が入ってきます。これは債券投資で言えば、年数回の利払いに該当します。上記の例でいえば、年5%の利払いが受け取れることになります。

しかし、キャッシュフローでいうと、話が異なってきます。1億円の物件から上がってくる5%は、年間500万円です。一方自己資金で入れた金額は、1,000万円です。

これを単純に割ると、

500万円÷1,000万円=50% 

の利回りになります。これがまさにレバレッジ効果と言えるものです。

融資返済が終われば、家賃を丸々得ることができる

次に、毎月入金される家賃収入をできるだけ使わず、繰り上げ返済に充当することを考えていきましょう。そうすると、上記図のNAVが増えて、負債である借入金が減ってくることになります。完全に借入金返済が終了した場合、総資産=純資産となります。その段階では、空室が出ない限り、家賃収入が丸々手元に残ります。

不動産投資でオーナーが一番避けなければならないことが、この空室リスクです。もし空室になった場合、家賃が全く入らなくなるからです。

ここで大切なのは、空室になりにくい場所を選ぶことです。日本の人口が、後減少していくことは間違いない状況下で、人口減少する場所に収益物件を購入すると空室リスクが高くなります。そういう意味で、物件選定は、株式投資でいう銘柄選択と似ています。

融資返済が終わっていれば売却して現金化できる

そして、投資用不動産も売却することが可能です。左側(借方)の不動産の時価<右側(貸方)のNAVとなった場合、売却益を出して不動産投資を手じまいすることとなります。こうなると、この不動産投資は、インカムゲイン(家賃収入)+キャピタルゲイン(売却益)=プラス という事で、投資が成功したという事になるのです。

これを購入時点で予測するときに使う指標がIRR(=Internal Rate of Return 内部収益率)です。

個人年金はローリターン、不動産投資はミドルリターン

老後資金を考える上で、個人年金保険と不動産投資という2つの商品を比較してみました。今回わかりやすくするために税金の要素は全く考慮していませんが、本来投資は税引き後で考える必要があります。

振り返ると、個人年金はローリターン、不動産投資はミドルリターンといえるでしょう。リスクを考慮して自分の投資スタイルで選択することがとても重要です。

(提供:THE Roots

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