積立投資の代表といえば、つみたてNISAやiDeCoです。積立投資を行うことは、資産運用の基本となる「時間の分散」という意味でも重要になります。積立投資は、数ある投資方法の中でもリスクヘッジしやすい投資方法の一つです。今回は、積立投資を行う際の注意点を現在の金融情勢を踏まえて解説します。

日本株と外国株の比較

資産運用
(画像=andranik123/stock.adobe.com)

日本株や外国株の両方に共通している投資リスクには主に以下のようなものがあります。

  • 信用リスク:いわゆる倒産リスクといわれるもの
  • 流動性リスク:出来高が少なく売買が成立しないリスク
  • 価格変動リスク:価格が意に反して下がる可能性のリスク
  • マーケット暴落リスク:世界中の株式市場が暴落するリスク(直近では2020年3月のコロナショックが記憶に新しいところでしょうか)

一般的に株式投資は、運用商品の中でもリスクが高い傾向です。ただし運用の世界での「リスク」とは、「値動きの大きさ」を表します。そのためリスクが高い商品とは「値動きの幅が大きい商品」ということです。もちろん大きく株価が下がった際には多額の損失を被ることもありますが、逆に大きく株価が上がるという一面もあります。

また外国株特有の投資リスクは、為替変動リスクです。外国株は、外貨で投資を行っているため「株取引で得た利益が為替の変動によって損するリスク」があります。

世界経済の中心は日本から米国へ

1980年代後半~1990年代前半のいわゆるバブル時代における世界の時価総額は以下の通りでした。

【1989年 世界時価総額ランキング(企業名および時価総額)】
1位:NTT(1,638億6,000万米ドル)
2位:日本興業銀行(715億9,000万米ドル)
3位:住友銀行(695億9,000万米ドル)
4位:富士銀行(670億8,000万米ドル)
5位:第一勧業銀行(660億9,000万米ドル)
6位:IBM(646億5,000万米ドル)
7位:三菱銀行(592億7,000万米ドル)
8位:エクソン(549億2,000万米ドル)
9位:東京電力(544億6,000万米ドル)
10位:ロイヤルダッチ・シェル(543億6,000万米ドル)
(参考:日経業界地図2019年度版)

約30年経過した2020年5月末時点の世界時価総額では以下のように大きく変わっています。

【2020年5月末時点 世界時価総額ランキング(企業名および時価総額)】
1位:サウジアラムコ(1兆7,444億米ドル)
2位:マイクロソフト(1兆3,896億米ドル)
3位:アップル(1兆3,780億米ドル)
4位:アマゾン・ドット・コム(1兆2,181億米ドル)
5位:アルファベット(9,770億米ドル)
6位:フェイスブック(6,413億米ドル)
7位:アリババ・グループ・ホールディング(5,661億米ドル)
8位:テンセント・ホールディングス(5,017億米ドル)
9位:バークシャー・ハサウェイ(4,511億米ドル)
10位:ジョンソン&ジョンソン(3,918億米ドル)
(2020年5月末時点の実績を基に作成)

ちなみに時価総額とは「株価×発行済株式数」で計算され、企業の価値を計る物差しとして使われる重要な指標です。約30年前の世界時価総額を見ると、1~5位までを日本企業が占めトップ10の中に7社がランクインしていることが分かります。しかし2020年5月時点ではトップ10の中で6社が米国へと移り変わり時価総額においても10倍の水準まで上昇しています。

ちなみに2020年5月現在の世界時価総額における日本のトップはトヨタ自動車株式会社で42位の水準です。トヨタ自動車株式会社は1989年時点ではトップ10に入れず惜しくも11位の水準でしたが、現在では世界的に見ても大きく下がっていることが分かります。また注目すべきは2020年5月現在のトップ10を占めている企業のほとんどがハイテク企業であることです。

さらに2018年度におけるGDP(国内総生産)も1位が米国、2位が中国、3位が日本でした。1990年以降2位を堅守していましたが2010年には中国に抜かれ3位へ転落。アジア経済圏でも力の弱さが見て取れるようになりました。過去約30年で日本の企業は右肩下がりの状況となり、今後景気回復の兆しも見えていません。

為替リスクをどう読む?

2020年9月25日午前9時18分現在で1米ドル105.46~105.48円で推移している為替レートですが、今後しばらくは膠着状態が続くといわれています。なぜなら米国の金融政策(金利の引き下げ)があるからです。2018年後半ではまだ3%以上の利回りがあった米国債券10年物も2020年に入ると1%を割り込み2020年9月25日9時27分時点で0.668%となっています。

一般的に水は高いところから低いところへ流れますが、お金は金利が低いところから高いところへ流れる傾向です。つまり米国と日本の金利差が大きかった2018年後半では米ドルが買われ円安ドル高の動きが活発でした。しかし2020年現在では日本と米国の金利差がほとんどなくなったことから円高ドル安の動きへと変わってきているのです。

投資先は債券から株式へ

このような背景から2020年現在では日本よりも外国、そして債券よりも株式への投資の流れが活発化しています。長期投資や積立投資でも外国株式を選択する投資家が増えている傾向です。

日本株の長期・積立投資「漠然とした不安」の正体とは

平成から令和への約30年間右肩下がりを続けてきた日本企業ですが、今後の成長もあまり期待できません。なぜなら日本には「少子高齢化」という問題があるからです。世界の人口は増加している中で日本の人口は2010年をピークに下がり続けています。内閣府の資料によると2048年には1億人を割り込み9,913万人となる予測がされているほどです。

そのような状況下で「長期投資を行うメリットがあるのか」という不安が日本株への投資を避ける理由になっているといえるでしょう。

なぜ外国株が期待されるのか

一方、米国では長期的に人口が増加し経済が発展するという見通しがあります。さらにハイテク市場など今後拡大する世界市場で活躍する企業が多いことが外国株が選ばれる理由となっています。

「開始時期」と「終了時期」に注意が必要

投資の基本は「下がったときに買い上がったときに売る」ということです。この基本さえ守れれば損をすることもありません。しかし相場の見極めは非常に難しく、特に投資初心者では「どこで買ってどこで売るか」というタイミングについて判断するのは困難でしょう。

長期・積立投資では開始時期をあまり気にすることはない

毎月一定の額を積み立て投資していく方法であれば開始時期についてそこまで気にすることはありません。重要なのは今後10~20年後に向けてどのくらい成長していくかを考えることです。

終了時期は分散することがコツ

一方、売るタイミングについては分散することが損失を出しにくい適切な方法といわれています。数回に分けて売却することで「大きな値下がり時に売却したことを悔やみ利益を取り逃す」というリスクを減らすことが期待できるでしょう。

相場を見極めるために

相場には「強気相場」「弱気相場」といわれる局面があり通常「弱気相場」が2年程度続き、その後「強気相場」に移行するといわれています。強気相場は、弱気相場と比べ長期に渡って続くことが特徴です。そのため「市場が暴落して弱気相場になったときがその後に訪れる強気相場のチャンス」と認識しておきましょう。

市場において下がり続ける相場はありません。「ピンチはチャンス」といわれるように現在の相場が「弱気相場なのか」「強気相場なのか」を判断することが重要です。また「市場心理がどちらかに傾きすぎていないか」を判断することも大切だといえるでしょう。

まとめ

積立投資においてベストな開始時期というものはありません。いつ始めてもいいのです。大事なことは、積み立てしながら長期で投資を行うことです。せっかく積み立てという損失が出にくい買い方をしているにもかかわらず、短期で相場が下落したからといって不安になって売却してしまっては元も子もありません。

2008年のリーマンショック時に多額の損失を抱えた人であっても「そのまま保有し続けることで10年でプラスに転じた」というデータも残っていることから、長期で保有し売却時は必要な額のみ売却するという考え方を持っておくようにしましょう。

(提供:THE Roots

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