さまざまな恩恵を受けられる「ふるさと納税」ですが、給与所得にくわえて不動産所得がある場合はどのように処理したらいいのかよく分からないといった人も少なくないようです。今回はふるさと納税の基本的な仕組みから、納税するメリット、家賃収入がある場合の注意点などを解説します。

ふるさと納税の仕組みと受けるための要件

税金
(画像=drazen/stock.adobe.com)

ふるさと納税は返礼品の豪華さに目を奪われがちですが、基本的な考え方は応援したい地方自治体に「寄付」をすることで、寄付した金額の一部を本来の納税額から控除することができるというものです。これはいわゆる「寄付金控除」の一つと言えます。

しかし、ふるさと納税と寄付金控除はまったく同じものではありません。

①そもそも寄付金控除とは
ふるさと納税を行うと、所得税と住民税の両方から寄付した金額を控除できます。差し引きできる金額は基本的に寄付金額から2,000円を引いた金額です。

②ふるさと納税の仕組み

出典:総務省HPより
出典:総務省HPより

一般的な寄付金控除は、課税所得を算出する際に使われる所得控除のみに適用されます(都道府県や市区町村の指定寄付金ではない場合)。一方でふるさと納税は、所得税と住民税の両方から控除できます。さらに住民税からの控除は、基本控除額と特例控除額があります。

③ふるさと納税とそれ以外の寄付金控除の違い
ふるさと納税とそれ以外の寄付金控除の違いは「住民税の所得割額から控除できるかどうか」です。通常、所得税や住民税を計算するときは、一年間の収入から控除額を引いた金額に税率を掛けます。例えば、給与収入が300万円の場合だと給与所得控除は108万円となり、差額の192万円が給与所得になります。その他の収入や控除が一切ないと仮定した場合は、この192万円が課税所得となり所得税控除額は約500円です。

しかし、ふるさと納税は通常の寄付金控除と異なり、住民税からも控除される「特例控除」という制度が適用されます。その結果、さらに約7,500円が住民税から差し引かれるため、合計では約8,000円となるのです。ただし前述の通り、ふるさと納税の恩恵を得るためには、2,000円の自己負担分を差し引いた後の金額が控除額として所得税、住民税から引かれます。

④控除を受けることができる要件
控除を受けるためには必ず納税者でなければならず、専業主婦や給与所得が103万円以下のパートやアルバイトの主婦や学生などは控除を受けることはできません。

逆に、所得が多く高納税者である人ほど、ふるさと納税で得られるメリットは大きくなります。これは、ふるさと納税で受けられる税額控除の上限額が高くなるためです。したがって給与所得などの他に不動産所得がある不動産オーナーなどは、積極的に活用することで納税額を抑え、さらに豪華な返礼品を受け取れることになります。

一方、税額控除の上限は、所得だけで決定されません。すでに他の控除を受けている場合には、ふるさと納税による恩恵は小さくなるように設計されています。

家賃収入の注意点とは

ふるさと納税の納税額は計算式で求めることができますが、あまり慣れていない人は少し複雑に感じてしまうかもしれません。最近ではいろいろなサイトに限度額を計算できる便利なシミュレーションツールが用意されているため、それを活用すると良いでしょう。

以下、計算の概略です

公的年金受給者、および公的年金以外にも民間の個人年金や給与、家賃収入がある人でも、以下のようなプロセスで控除上限額を計算できます。

①所得金額を計算
下記を参考に所得金額の合計を算出します。その他の所得がある場合は、当該所得金額を含めて合計してください。

  • 公的年金(国民年金、厚生年金、確定拠出年金等):公的年金収入-公的年金控除
  • 民間の個人年金:年金収入-必要経費
  • 不動産所得:不動産収入-必要経費
  • 給与所得:給与収入-給与所得控除

②課税所得金額を計算
①で算出した所得金額から、社会保険料控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除、その他の所得控除の合計を控除(住民税の所得控額を使用)します。

所得金額―所得控除=課税所得金額

③算出された課税所得金額をもとに住民税所得割額を計算
課税所得金額から住民税所得割額が計算できます。計算式は、以下の通りです。

住民税所得割額=課税所得金額×10%

①にも記載したように家賃収入や不動産売却など、不動産所得がある人もその金額を入れて所得を計算することが可能です。その時の注意点は、不動産収入から必要経費を差し引くことです。控除後の金額が不動産所得となり、それらの合算が所得金額となります。

ふるさと納税をするメリット

前述の通り、ふるさと納税のメリットは、

  • 所得税や住民税の「寄付控除」を受けることができる
  • 寄付する自治体から、豪華で魅力的な「返礼品」を受けることができる

という2点ですが、実はもう一つあります。

それは、ふるさと納税をカードで支払ってポイントを稼ぐことができるという点です。

具体的には「楽天ふるさと納税」のサイト経由でふるさと納税を行うという方法です。 こうすることで、SPU(スーパーポイントアッププログラム)をより有利に使うことができます。

さらに年会費はかかりますが、楽天プレミアムカードを使って納税する日を0と5のつく日に行うだけで2%増額されたり、野球の楽天イーグルス、サッカーのビッセル神戸、FCバルセロナが勝利した日に納税すると1%ずつ増額されるなど、賢くカードを活用することで最大30%のポイントが付与される可能性があります。

いわゆる「ポイ活」ですが、現在のような低金利下では1%のポイントはとても大きな意味を持つ時代になりました。もし今まで、「たかがポイント」と考えてポイントを捨ててきてしまっていたとしたら、今後はその考えを改め、ポイントは利息以上に有利なものである、といった意識を持つべきです。

まとめ

手続き自体は給与所得者より複雑になるものの、不動産所得がある人はそれを含めて申告し、ふるさと納税を考えた方がより多くの恩恵を受けることができます。

また寄付額を調整すれば、年金受給者でもふるさと納税の自己負担額を抑えることができます。条件付きになりますが、年金受給者の場合はワンストップ特例制度も便利です。

不動産所得のある個人事業主の人や公的年金受給者の人も、積極的にふるさと納税を活用してみてください。

(提供:THE Roots

>>【無料小冊子】高所得者のための不動産投資バイブル

>>【年収900万円以上の方にお勧め】損をしない確定申告(不動産を活用した税金対策・資産形成)オンライン個別セミナー

【あなたにオススメ】
新型コロナ関連の給付金。それぞれの税務上の取り扱いはどうなる?
年収600万円を超えたら検討しよう!不動産投資で節税する方法
家賃収入があるときの「ふるさと納税」はアリ?
富裕層が高級車に乗る3つの理由とは?
不動産投資は賃貸管理が命!優秀な賃貸管理会社の4つの特徴