小額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」をご存じでしょうか?
一定期間、上場株式や投資信託など金融商品の分配金・売買で生じた利益に課される税金が免除される制度です。
分散・積立投資を主とした「つみたてNISA」という制度も2018年に発足し、20年間一定の金額まで、金融商品で生じた利益が非課税となります。

投資初心者からベテランの方までNISA制度を活用している方は数多いですが、一体どのような制度なのでしょうか?
NISA・つみたてNISAの制度の違いや注意点をお伝えしていきます。

目次

  1. 1.NISAとは?
  2. 2.NISAとつみたてNISAの違いとは?
  3. 3.NISAとつみたてNISAの注意点4つ
    1. 3-1.非課税の余りは翌年に繰り越せない
    2. 3-2.売却で空いた非課税枠を採用できない
    3. 3-3.損益通算に使えない
    4. 3-4.非課税期間が終了してもロールオーバーが可能
  4. 4.2024年からNISAとつみたてNISAが変わる
  5. 5.投資を始めてみたい方に最適の制度

1.NISAとは?

資産運用
(画像=yukahashimoto/stock.adobe.com)

NISAとは2014年から始まった非課税制度を指します。株式や投資信託等の金融商品は分配金や売買益に対して一定の税金(通常は20.315%)が課されますが、NISA口座では非課税となります。

NISA
(画像=THE Roots編集部)
NISA
(画像=THE Roots編集部)

非課税期間は5年で、投資枠は1年で120万円、最大600万円までとなっています。
少額の投資をする方向けの制度として投資人口を増やす目的で発足しましたが、ベテラン投資家にも人気があります。
日本に住んでいる20歳以上の人が対象で、1人1口座までしか持つことができないため、家族の枠を利用して制度を活用する投資家も多いです。子供がいる場合は0~19歳までを対象としたジュニアNISAを利用しても良いですが、2023年で終了する予定です。

2018年からは少額からの分散・長期投資を目的とした「つみたてNISA」という制度がスタートしました。
NISAと同様に20歳以上の日本在住の方が対象ですが、併用は不可能で制度を利用する際はNISA・つみたてNISAのどちらかを選ぶことになります。

それではつみたてNISAとNISAとの違いは一体何でしょうか?

2.NISAとつみたてNISAの違いとは?

NISAとつみたてNISAの違いは、以下の通りになります。

NISAつみたてNISA
非課税対象株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や売買益一定の投資信託への投資から得られる分配金や売買益
非課税期間最長5年間最長20年間
投資可能期間2023年まで2037年まで
新規投資枠毎年120万円まで毎年40万円まで
投資対象となる金融商品国内・海外の上場株式やETF(※1)・REIT(※2)・投資信託など長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託

※1 ETFとは証券取引所に上場されている投資信託のことで、通常の投資信託とは異なり株式と同様に証券取引所で売買をすることができます。日経平均株価等の指数と連動するタイプ(インデックス型)の投資信託です。
※2 REITとは不動産投資信託のことで、投資家から集めた資金で不動産を経営し家賃収入や売却益を投資家に還元する仕組みの金融商品です。

NISAは非課税期間が5年とつみたてNISAより期間が短いですが、つみたてNISAの投資対象が長期投資に適した低リスク・低リターンの投資信託である事に対し、国内外の上場株式に投資できることが大きな特徴となります。

一般的に株式投資は投資信託よりハイリスク・ハイリターンと言われています。順調に運用できた場合、株式投資は年利4%程度で投資信託は年利3%程度となりますので、株式投資の方がより多くのリターンが期待できます。
ただしその分リスクが高いため、運用する前に自身で勉強するかFPや証券会社のアドバイザー等プロに相談すると良いでしょう。

NISAは短・中期運用、つみたてNISAは長期投資に向いています。
「株式投資をしたい」「短・中期の売買で利益を得たい」という方はNISA、「長期でリスクの少ない投資をしたい」「まとまったお金を貯めたい」という方にはつみたてNISAが適しています。

3.NISAとつみたてNISAの注意点4つ

NISAとつみたてNISAは独立した口座を作り非課税枠として運用するため、非課税枠の余りを翌年に繰り越せない、非課税期間が終了してもロールオーバーが可能といった独自のルールが存在します。
1つずつ見ていきましょう。

3-1.非課税の余りは翌年に繰り越せない

例えば一般NISAを利用して年間80万円の投資を行うと非課税枠が40万円余りますが、翌年には繰り越せません。
制度を最大限活用するためには40万円投資した方がよいですが、あくまで目的は投資で利益を得る事です。「非課税枠で得をしたい」という思いから投資で損をしてしまっては元も子もありませんので、非課税枠にとらわれず利益が出そうな金融商品がある時に購入するようにしましょう。

3-2.売却で空いた非課税枠を採用できない

例えば2020年に50万円の投資信託を購入し、年内に50万円で売却した場合、50万円分の非課税枠が空くことになります。NISA制度では一度売買で空いた枠を再び使う事が出来ません。
NISAであれば600万円を5年間、つみたてNISAは800万円を20年間、金融商品を手放さず保有し続けると非課税枠が最大限活用できますが、前述したとおり投資で利益を出すことを優先した方が良いでしょう。

3-3.損益通算に使えない

通常の口座では複数の投資で生じた損益を通算して税金を支払いますが、NISA口座での利益や損失はほかの課税口座との損益通算には使えません。

3-4.非課税期間が終了してもロールオーバーが可能

NISA口座にある金融商品を、投資限度額を超えない範囲で新たに設けられる非課税枠に移す(ロールオーバー)事が可能です。

4.2024年からNISAとつみたてNISAが変わる

金融庁では家計の安定的な資産形成を促すため、2024年からNISA制度を改正する見通しです。

より長期的・少額からの積立・分散投資を促進する方向で、口座開設可能期間を延長しNISAを2階建ての制度に見直しました。
NISAの1階部分はつみたて部分として年間20万円まで、つみたてNISAと同様の積立・分散投資に適した一定の公募株式投資信託等への投資が可能となります。
ただし、長期保有の株主育成の観点から、NISA口座を開設していた方や投資経験者は2階で上場株式のみに投資する場合、1階でのつみたて投資を不要としています。

2階部分はこれまでのNISAと同様に上場株式や公募株式投資信託等への投資を行いますが、レバレッジを効かせている投資信託、上場株式のうち整理銘柄・監理銘柄を対象から除外することになりました。

金融庁は長期かつ低リスク・低リターンの運用で家計の資産形成を推進していますので、
投機的な色が強い高リスク高リターンである金融商品を除外したようです。
ただしこれまでと同様に国内外の上場株式は運用できますので、投資信託より高リスク・高リターンで中期的に収益を得たい方はNISAを利用しましょう。

ジュニアNISAは2023年で廃止、つみたてNISAは現行制度と同じく年間40万円まで最長20年間の投資が可能です。

現在非課税口座を持っている方はNISAの場合2028年、つみたてNISAは2042年までと共に口座開設可能期間を5年延長する見通しです。

NISA
(画像=THE Roots編集部)

高レバレッジの金融商品を運用したい方、口座開設期間を少しでも長くしたい方は早目に非課税口座を開設したほうが良いでしょう。

5.投資を始めてみたい方に最適の制度

NISAとつみたてNISAは少額投資を対象としていますので、「まずは少額から始めてみたい」という投資初心者に最適な制度です。
NISAは中・長期的な運用や株式の運用をしたい方、つみたてNISAは低リスク・低リターンでまとまったお金を貯めたい方におすすめです。
退職金の無い開業医の方は、つみたてNISAを退職金代わりとして運用しても良いでしょう。

(提供:THE Roots

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