2020年に話題の5Gサービスがスタートしました。アナログ的な営業方法が主流の不動産業界も、ITを取り入れた営業に変化しつつあります。不動産業界のIT化でマンション経営はどのように変わるのでしょうか。マンションオーナーなら知っておきたい、「不動産テック」を使った不動産IT革命について探ります。

5Gのサービス開始で加速するIT化

不動産投資
(画像=asdf/stock.adobe.com)

2020年から始まった5G(第5世代移動通信システム)サービスは、「高速・大容量・低遅延・多接続」という特色をもち、高速・大容量で2時間の映画をわずか数秒でダウンロードできるといわれます。他接続については、スマホのみならず無数の端末を同時に接続できるようになります。

5Gの技術革新は、不動産業界のIT化を加速させる可能性があります。ITやAIを利用したさまざまな不動産サービスを可能にするのが不動産テックです。いったいどのようなサービスがあるのか、いくつかご紹介しましょう。

便利に暮らせるIoT住宅

まず、物件に直接関わる動きとして、IoT住宅が増えることが予想されます。IoTとは、Internet of Thingsの略で、「モノのインターネット」と訳される言葉です。IoT住宅の特長は、家のなかのさまざまなものにインターネットをつなぐことができることです。

たとえば、スマートスピーカーに向かって声をかけるだけで、自動でカーテンが開く、テレビが点く、風呂を沸かせるといった具合です。また、家のなかだけでなく、スマホを使って外出時もエアコンや照明のオン・オフの操作が可能になります。

セキュリティの面では、玄関のカギをスマートキーやスマートロックにするマンションも増えています。スマホで開錠したり、施錠を確認したりできるのでカギを閉め忘れる心配もありません。ほかにもIoT化できる部分はまだあり、実現すれば私たちの暮らしは劇的に便利になります。マンション経営においても、今後はIoT化しているかが他物件との差別化につながるだけに、オーナーも導入の検討を始める必要があるでしょう。

マンション業界の動きも活発です。大手デベロッパーとNTT西日本が共同で「IoTマンション」の実証実験を行いました。このマンションでは、顔認証でエントランスのオートロックを開錠できます。また、デジタルサイネージ(電子掲示板)を設置し、顔認識で識別できた入居者に個別メッセージを伝えたり、宅配ボックスに荷物が届いていることを知らせたりできます。実用化されれば、IoT住宅らしく利便性の高いマンションとして人気を集めそうです。

契約を簡略化できるIT重説

不動産契約における重要事項説明は、これまで宅地建物取引業法第35条により対面で行なうことが義務でした。しかし、ITの進展に合わせ、国土交通省が個人を含む不動産売買取引における、「IT重説」(ITを活用した重要事項説明)に係る社会実験を2020年9月末までに行いました。

不動産は取引価格が大きいため、説明に見逃しや聞き逃しがあると大きな損失を被ることになりかねません。そのため、専門家である宅地建物取引士が対面で説明しないといけないことになっているのです。しかし、仕事で忙しい人や引っ越し先が遠方で不動産会社まで往復する時間がない人には大きな負担になっていました。

そこで不動産業界が取り組みを始めたのがIT重説です。基本的にパソコンのテレビ機能を使って重要事項説明を受けられる便利なシステムです。自宅にいても説明を受けられるため、時間がない人にとっては、入居手続きを簡素化できます。

利便性高まるVR内覧

マンション経営で入居者を確保するのに重要な役割を果たすのが物件の内覧です。VR(バーチャルリアリティ)技術を使ったVR内覧を活用する不動産会社が増えています。

VR内覧は、現地の物件に行かなくても不動産会社の店舗などで行えるため、ユーザーにも不動産会社にもメリットの大きいシステムです。基本的にはVRゴーグルを装着し、物件の画像データをとおし、360°の視野で部屋を内覧している体験ができます。場所を問わず、入居中、建築中でも内覧出来るため、入居者を獲得できる確率が高まります。

もう1つ、VR技術を活用した内覧システムに「バーチャル・ホームステージング」があります。入居者を募集する際に、空室部屋に家具や小道具、観葉植物などを置いてモデルルームのように見せる手法が「ホームステージング」です。

バーチャル・ホームステージングは、実物の家具などを置かずに、室内写真をCG加工することでVRコンテンツに取り込みます。ホームステージングに比べて低コストでモデルルームを内覧してもらえるメリットがあります。ゴーグルのほか、スマホアプリを使ってバーチャル・ホームステージングを利用することもできます。

オートロックで使える顔認証開錠システム

NECが開発した顔認証クラウドサービス「Neo Face」を利用した開錠システムを採用するマンションが増えています。NECによると、この技術はスマートフォンやロボットなどのカメラで取り込んだ画像から顔を検出し、クラウド上の顔画像と照合します。そして、照合結果を顧客のアプリに通知する仕組みです。

マンションでの利用法としては、オートロックや宅配ボックスキーを顔認証で開錠できるセキュリティシステムを採用している物件があります。非接触型の開錠方法だけに、新型コロナウィルス感染防止にも役立ちます。今のところエントランスでオートロックを開錠するためにNeo Faceのシステムを導入するマンションが多いようです。

AIを利用した物件情報

AI(人口知能)を活用する動きは不動産業界にも広がっており、AIを利用した物件情報システムも次々にリリースされています。

たとえば、不動産経済研究所がリリースした「BRaiN(ブレイン)」は、地図上に選択した任意地点に対して、AIが新築・中古・賃貸のマンション供給データから推定価格を算出する新システムです。同社のプレスリリースによると、これまで担当者の相場観がバラバラで、最新の相場が不明だった問題を解決し、短時間で指定したエリアの物件レポートの作成が可能になるとしています。

また、リニュアル仲介(東京都新宿区)が運営する「物件提案ロボ」は、不動産業者専用の不動産データベース「レインズ」や大手不動産ポータルサイトにAIがアクセスし、顧客が希望する物件を調査して結果を毎日知らせてくれるサービスです。スマホやパソコンから、狙いのエリア・価格などの情報を登録することで利用できます。利用料は無料で、メールによって2~3件の物件が紹介されます。

不動産テックを使ったマッチングサービス

不動産テックを使ったマッチングサービスも登場しました。ラックベアが開始した「タテカン」というサービスでは、スマホアプリを使って不動産オーナーと不動産業務を請け負う業者を直接結び付けます。登録している業務は、法定点検、清掃、内覧案内・内覧会、工事・修繕、テナント対応、コンサルティング、目視確認、剪定(草刈り・水やり)、写真撮影、カギ対応、事務作業、第三者レポートなどです。

これまで不動産業務を依頼するには、間にさまざまな業者が入るため中間マージンが発生して料金が高くなっていました。このマッチングサービスを利用すると「タテカン」を介するだけなのでコストダウンが図れ、固定制の料金がアプリ起動後にすぐわかるため安心です。業者選びに迷うオーナーにとっては便利なシステムといえそうです。

アナログの代表だった不動産業界が、不動産テックによって大きく変わろうとしています。オーナーも自分の物件に取り入れることができるサービスがあれば取り入れ、近未来の不動作経営に乗り遅れないようにすることが大事といえます。

(提供:THE Roots

>>【無料小冊子】高所得者のための不動産投資バイブル

>>【年収900万円以上の方にお勧め】損をしない確定申告(不動産を活用した税金対策・資産形成)オンライン個別セミナー

【あなたにオススメ】
新型コロナ関連の給付金。それぞれの税務上の取り扱いはどうなる?
年収600万円を超えたら検討しよう!不動産投資で節税する方法
家賃収入があるときの「ふるさと納税」はアリ?
富裕層が高級車に乗る3つの理由とは?
不動産投資は賃貸管理が命!優秀な賃貸管理会社の4つの特徴