新型コロナウイルス感染症の拡大が社会や経済に大きな影響を与え国や地方自治体はさまざまな支援策を講じています。支援策の中でも比較的多くの人が利用可能と思われているもので返済が不要な給付支援(以下、給付金)があることをご存じでしょうか。本記事では、新型コロナ関連の給付金や支給された際の税務上の取り扱いについて説明します。

新型コロナ関連の給付金の種類と特徴

税金
(画像=billionphotos-com/stock.adobe.com)

特別定額給付金

「簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う」という目的で行われたものです。2020年4月27日を基準日として住民基本台帳に記録されているものを対象者とし世帯主へ支給されました。支給額は、対象者1名につき10万円です。

持続化給付金

事業の継続を支え再起を促すことを目的とした制度です。新型コロナウイルス感染症の拡大により特に大きな影響を受ける事業者に対して支給されます。最大給付額は、中小法人などであれば200万円、個人事業者などの場合は100万円です。持続化給付金は事業所得の計算上、雑収入として給付を受けた年の総収入金額に算入されるため注意しましょう。

また支援対象者の範囲が個人事業者で業務委託契約などに基づく事業活動からの収入を主たる収入とし雑所得または給与所得として所得税の確定申告をしている人などにも拡大されました。雑所得者向けの持続化給付金は、公的年金など以外の雑所得として取り扱い雑所得の金額の計算上、その年の総収入金額に算入されることになります。

給与所得者向けの持続化給付金は、一時所得の金額の計算上(給与所得ではない点に注意)、その年の総収入金額に算入することが必要です。

東京都の感染拡大防止協力金

対象施設を運営している人で東京都からの休業依頼に対して全面的に協力する中小企業および個人事業主などに対して支給されるものです。支給額は50万円(対象が2事業所以上の場合は100万円)となっており2020年10月までに計2回の支給が実施されました。なお東京都以外においても各地方自治体(都道府県や市区町村)が休業などの依頼に対する協力金を独自に支給している場合もあります。

これらは各地方自治体ごとに支給要件や支給金額が異なるため、事前に各自治体の公式サイトなどで確認しておくとよいでしょう。

家賃支援給付金

新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとした自粛要請などによって売り上げの減少に直面する事業者の事業継続を支えるための給付金です。「地代や家賃の負担を軽減すること」を目的として売上高が一定以上減少したテナント事業者に対して支給されます。支給額は、例えば直前1ヵ月前に支払った月額の支払い家賃が75万円以下の場合、「月額の支払家賃×3分の2×6ヵ月」です。

また中小法人の場合は最大600万円、個人事業者などは最大300万円までと限度額が決められていることにも注意しておきましょう。さらに給付された金額については、その年分の総収入金額に算入されます。国が行っている家賃支援給付金以外にも各地方自治体が家賃支援としての給付金を独自に支給している場合があります。

支給要件や支給金額は、各自治体によって異なるため、事前に公式サイトで内容を確認しておくようにしましょう。

学生支援緊急給付金

家庭から自立しアルバイトによる収入などで学費などを賄っている学生などを対象とした給付金です。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によりアルバイトの収入が大幅に減少するなどの理由で大学就学の継続が困難な学生などに日本学生支援機構経由で支給されます。支給額は、10万円で住民税非課税世帯の学生の場合は20万円です。

また他にも大学などが独自に学生などに支援金を給付している場合があります。これらの給付金は、内容によって税務上の取り扱いが異なるため注意が必要です。後に表で分かりやすくまとめていますが、基本的に学費に充てるため給付される金額については非課税となります。しかし給付金が生活費を賄うことを目的として行われるものや使途が限定されていない場合は、一時所得として課税対象となるケースもあるのです。

ただし一時所得は、所得金額の計算上、50万円の特別控除枠があります。そのため支給された給付金と他の一時所得の合計額が50万円以下であれば結果的には課税されません。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

新型コロナウイルス感染症の影響により休業せざるを得ない状況となり、休業中に賃金(休業手当)を受けることができなかった中小企業の労働者に対して支給される給付金です。支給額は、原則として「休業前1日あたりの平均賃金の80%(日額上限1万1,000円)に休業期間の日数を乗じた額となります。

雇用調整助成金(休業手当などによる助成)

景気後退など経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ雇用調整を行わざるを得ない場合に労働者に対して一時的に休業などを行い労働者の雇用を維持した事業主へ支給される助成金です。支給額は、所定の助成率に基づいて算出されます。通常の「雇用調整助成金」は、既存の制度に基づいて支給されるものです。

しかし緊急対応期間(2020年4月1日~2020年12月末)については、特例措置が講じられ助成額上限額の引き上げなどの対応が行われています。

小学校休業等対応支援金

小学校などの臨時休業に伴い「子どもの世話を行うために契約していた仕事ができなくなった」というような個人で仕事を行う保護者に対して支給されるものです。支給額は、就業できなかった日について2020年2月27日~2020年3月31までは1日あたり4,100円でしたが2020年4月1日~2020年12月31日までは1日あたり7,500円となっています。

非課税となるものと課税対象となるもの

では、上述した各種給付金に対する所得税の取り扱いについて一覧にまとめます。

給付金の名称利用者(概要)課税区分補足事項
特別定額給付金すべての国民非課税
持続化給付金売上が減少した事業者課税事業所得の対象
東京都の感染拡大防止協力金東京都からの休業要請等に協力した事業者課税事業所得の対象
家賃支援給付金売上が減少した事業者課税事業所得の対象
ただし、支払った家賃については必要経費計上可能
学生支援緊急給付金アルバイトによる収入が減少した大学生など非課税ただし、使用目的が学費に充てるものでない場合は、一時所得として課税対象となる
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金休業期間中の賃金支給のない労働者非課税
雇用調整助成金休業手当金を支給し、雇用を維持した事業主課税事業所得の対象
小学校休業等対応支援金休校に伴い子どもの世話で就業できなかった個人で仕事をする保護者課税事業所得などの対象

給付金に対する課税、非課税の基本的な考え方

個人に対して給付金が支給された場合、原則として所得税(復興特別所得税を含む)や住民税の課税対象となります。しかし所得税法やその給付金の根拠となる法律(例:雇用保険臨時特例法)、新型コロナ税法などにおいて非課税とされているものについては非課税です。つまり新型コロナウイルスの影響によって支給される給付金であってもすべてが非課税になるわけではありません。

非課税となる根拠の法律があってはじめて非課税となることを理解しておく必要があります。なお法人に対して給付金が支給された場合、法人税の課税対象となり非課税とはなりません。

気になる控除や消費税の扱いは?

納税者本人や配偶者または扶養親族が支給を受けた給付金が非課税である場合は、所得税法上、所得としては取り扱いません。そのため配偶者控除や配偶者特別控除または基礎控除の適用上、納税者本人やその配偶者または扶養家族の所得制限に影響を与えない点は押さえておきましょう。また消費税に関しては、消費税法上において給付金は対価性がないため、課税取引には該当しません。

そのため所得税における事業所得などの金額の計算上、総収入金額に算入されるものであったとしても「消費税は課税されない」ということも覚えておきましょう。

(提供:THE Roots

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