所得が高くとも、労働時間が長いと、お金を使うタイミングがなかなかつかめず、預貯金の口座に入れたままにしてしまったり、たまの買い物で衝動買いしてしまったりしていませんか? 高所得者ほど税負担が高まり年金や社会保険の効果が相対的に低下していくため、リスクへの自助での備えが重要になってきています。お金を遊ばせていたり、浪費していたりすると、万が一の際にリスクに対応できなくなる恐れがあります。

税金・老後生活・社会保険、高所得者が備えるべき3つの問題

不動産投資
(画像=vittaya-25/stock.adobe.com)

前述したように、高所得者ほどさまざまなリスクに対して自力で備えを進める必要があります。具体的には、税金への備え、老後生活への備え、万が一への備えです。

高所得者はまず税金への備えを

個人の収入に課される所得税には「累進課税」が適用されます。累進課税は、収入から経費や控除を差し引いた課税所得額が多くなるほど高い税率になります。課税所得額が4,000万円を超えた際に最高税率の45%に達し、住民税の均等割の税率10%を合わせると所得の半分以上が税金で消えてしまうことになります。

具体的な例として、課税所得額が900万円を超えた場合をみてみましょう。

所得税の速算表(平成27年分以降)

課税される所得金額税率控除額
1,000円〜1,949,000円まで5%0円
1,950,000円〜3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円〜6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円〜8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円〜17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円〜39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

参照:国税庁

課税所得額900万円の場合の税負担は所得税で33%、住民税の均等割で10%の税率が課されます。所得税の控除額153万6,000円を差し引いたとしても、約230万円の納税となります。900万円の収入が続く限り、約230万円の納税を払い続けることになるのです。

9,000,000円 ×(0.33+0.1)− 1,536,000円 = 2,334,000円

収入額によっては老齢年金が支給停止になる

老後の重要な生活資金として、老齢厚生年金(厚生年金)や老齢基礎年金(国民年金)による老齢給付を利用することが有効です。ところが、高所得者になるほど老齢年金を頼りにくくなってしまうというケースがあります。

老齢年金の基本的な給付は、老齢基礎年金の定額部分と老齢厚生年金による報酬比例部分から構成されています。報酬比例部分は60歳までに払い込んだ厚生年金保険料によって増加するため、高所得者ほど給付額が大きくなります。しかし、老齢年金の支給額が月額28万円を超えてしまうと、年金以外の収入額によっては老齢年金の給付が減額または停止されてしまいます。

厚生年金保険料の上限額は5万9,475円となっており、決して小さい金額ではありません。しかし、これだけの金額を支払っていても高所得者は老齢年金の恩恵を充分に受けられない恐れもあります。また、厚生年金保険料には支払うことができる上限があるため、老齢年金の給付額も上がり続けるわけではありません。そのため、老齢年金は高所得者になるほどリタイア後の収入を代替する効果が弱まってしまうといった側面があるのです。

雇用保険の失業給付や健康保険の傷病手当金などの社会保険の補償にも上限が

会社都合による解雇や自己都合による離職などで収入が大きく減少してしまった場合の備えとして、雇用保険の失業給付があります。失業給付の額は離職した方の年齢と賃金に基づいて給付額が算出されますが、これにも上限額が設定されており給付額は1日当たり6,815円~8,335円の範囲で設定されています。

また、傷病などで就労できなくなった場合の公的な備えとして、健康保険の傷病手当金があります。傷病手当金の額は、支給される以前の12ヵ月の標準報酬月額の平均額を30日で割ったものの3分の2となります。仮に給与による収入が1,200万円(月額100万円)の所得者の平均標準報酬月額は43等級の98万円となりますので、1日当たりの給付額は日額約2万1,800円となります。

(980,000円 ÷ 30日) × 3分の2 = 約21,800円

しかし標準報酬月額は139万円が上限となっており、傷病手当金の計算式に当てはめると、日額約3万900円が限度となります。高所得者ほど生活レベルが高く支出額も多額となる傾向があるため、社会保険の補償額では上限額をもってしても日々の生活費をカバーしきれない可能性があります。

不動産投資が3つの問題の解決に効果あり

ここまで説明してきたように、高所得者は高い税金を払い続け、収入額によっては年金がストップされ、万が一の健康保険の補償額にも上限があるなど、リスクに備えなければならないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。

これらの問題を解決できる方法が不動産投資です。現物不動産を購入し、賃貸経営を行う不動産投資には、節税・年金・保険の3つの分野へのメリットがあります。不動産投資を行うことでどのような影響を与えるか確認していきましょう。

減価償却による節税効果を発揮

現物不動産では、取得した物件の費用を減価償却によって一定額を経費として計上することが可能です。

以下の条件で不動産投資の節税効果をシミュレーションしてみましょう。なお、計算を簡便とするため、土地代や住民税と所得税の所得控除額の差などは考慮しておりません。

[条件]
課税所得額:900万円
物件:築25年の鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のマンション
購入価格:5,000万円で
不動産所得(減価償却費を差し引く前):120万円

簡便法による見積耐用年数:SRC造の法定耐用年数47年-築年数25年+(築年数25年×20%)=27年
減価償却費:5,000万円÷27年=年間約185万円

不動産所得額:120万円-185万円=マイナス65万円

損益通算後の課税所得額:課税所得額900万円-不動産所得額65万円=835万円

所得税等負担額:835万円×(所得税の税率23%+住民税の所得割の税率10%)-控除額63万6,000円=約212万円

課税所得額900万円の場合は約230万円の税負担が生じていましたが、不動産投資の初年度は年間約18万円の節税効果を発揮することが期待できます。

安定した賃料収入により収入保障効果が得られる

不動産投資の効果は節税効果に加え、資産からの不労所得により収入を複線化することが可能となります。

節税効果が生じたのは不動産所得が損失となったためですが、大きな経費となった減価償却費は実際には支払を伴わない経費のため、減価償却前の不動産所得120万円が手元に残ることになります。

投資用不動産による比較的安定した賃料収入は、ローン完済後には老後資金や失業・傷病に伴う休職時の収入保障となるので、生活を安定させる効果が期待できます。

不動産投資を少額から始めるには

現物不動産を利用した不動産投資はメリットも大きいですが、投資開始に必要な金額が大きいといったハードルがあります。

そこで、より少額から始めることができる不動産投資として、1つの投資物件を複数の所有者で区分所有する「不動産小口化商品」「REIT(不動産投資信託)」なども検討してみてはいかがでしょうか。これらは節税効果こそ限定的となってしまいますが、不動産投資の特徴である比較的安定した賃料収入を得ることができるため、万が一の際の収入保障としての効果を期待することができます。

高所得者ほど高い自助が求められる

所得が高まれば高まるほど、生活レベルは平均のそれとはかけ離れていきます。しかし、万が一の際の補償の柱である年金や社会保障は平均的な生活レベルを想定しているため、高所得者の支出を補うには補償額が充分ではない可能性があります。

高所得者になるほどリスク対策のために自己資金を割り振る必要がありますが、その資金を有効活用せず寝かせたままにしてしまったり浪費してしまったりすると、万が一の際は生活に大きな影響を及ぼしてしまうかもしれません。そこで、高所得者の自助の手段として節税・年金・保険効果のある不動産投資が有効と考えます。

不動産投資には、建物の減価償却による節税効果や、安定した賃料収入による収入保障の獲得といったメリットがありますが、投資開始のための費用が比較的高額といったデメリットがあるため、高所得者ほど手掛けやすい投資方法といえるでしょう。また、メリットはやや減退してしまいますが、収入が比較的安定し少額から始めやすい不動産小口化商品やREITといった投資方法もありますので、リスク許容度などに応じて使い分けるのがよいでしょう。

(提供:THE Roots

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