NISAとiDeCoの名前はよく聞くものの「違いがよく分からない」という人もいるのではないでしょうか。投資に対する制度なのは共通ですがその違いは明確です。どちらも大きな利益を生むものではありませんが賢く税制の優遇を生かすために2つの制度をしっかりと理解しましょう。

NISAとiDeCoの主な違い

資産運用
(画像=lovelyday12/stock.adobe.com)

似ているようで違いのあるNISAとiDeCoですがまずは主な違いを一覧にした以下の表を確認しておきましょう。

項目NISAiDeCo
優遇内容運用益※が非課税・掛け金が所得控除になる
・運用益が非課税
・受取金が控除対象
運用期間5年間(ロールオーバーで最長10年間)60歳まで
年間掛け金上限120万円・自営業者:81万6,000円
・会社員や公務員:14万4,000円〜27万6,000円
・専業主婦など:27万6,000円
非課税保有上限額600万円なし
対象商品・投資信託
・国内外の株式
・ETF(上場投資信託)
・ETN(上場投資証券)
・REIT
・投資信託
・定期預金
・保険商品
換金時期いつでも可能原則60歳以降

※売買益、配当金、分配金など

換金時期に大きな違いあり

NISAとiDeCoは、途中で引き出せるかどうかに大きな違いがあります。NISAは途中で引き出せますがiDeCoは原則60歳までは引き出せません。なぜなら「NISAは投資」「iDeCoは年金」とそもそもの目的が違っているからです。そのため急にまとまったお金が必要になったときに引き出せるNISAのほうが資金の換金性が高いと言えるでしょう。

一方で60歳まで引き出せないiDeCoの場合は、換金性は低いものの確実に年金として準備できることはメリットです。ちなみにiDeCoの受け取り方には「一時金」「年金」「一時金と年金」という3つの方法があり60歳以降の引き出し方が選べるようになっています。

年間掛け金上限はNISAのほうが多い

年間の掛け金上限はNISAが120万円です。しかしiDeCoは第1号~第3号被保険者で掛け金上限が変わります。例えば第1号被保険者の自営業者は81万6,000円(月6万8,000円)、第2号被保険者の会社員、第3号被保険者の専業主婦は最大でも27万6,000円(月2万3,000円)です。そのためより大きな運用益を得たい人はNISAのほうが適しています。

運用商品はNISAが幅広い

NISAの運用対象商品は、株式や投資信託など幅広い選択肢から選ぶことが可能です。投資信託はつみたて両者とも共通で選べますがNISA(一般NISA)は個別の株式銘柄を選べるだけでなくETFやETN、REITなども選べます。この点からも「NISAはあくまで投資対象」ということが理解できるのではないでしょうか。

iDeCoの目的は年金です。そのため投資信託や保険商品、定期預金など比較的リスクの低い商品が投資対象となっておりここでもそれぞれの目的の違いが表れています。

税制優遇はiDeCoが大きい

税制優遇では、iDeCoに以下の3つの措置がありNISAに比べて非常に大きい傾向です。

  1. 掛け金が全額所得控除の対象
  2. 運用益にかかる税金(通常20.315%)が非課税
  3. 受取金が控除対象
    (受取方法によって退職所得控除か公的年金控除の対象となる)

NISAは、運用益に対する税金控除のみのため、iDeCoのほうが非常に大きな税制優遇が用意されています。

iDeCoは口座手数料が必要

NISAは口座を保有しているだけでは手数料はかかりません。しかしiDeCoは口座を開設するときと毎月の口座管理に手数料がかかります。口座開設で2,829円、口座管理は数百円とどちらも高額ではありませんが、数十年掛け込む商品の性質上それなりにまとまった金額になるでしょう。また口座を作る証券会社や銀行によって金額が異なる手数料もあります。

若いうちからiDeCoを始めれば期間が長く毎月の手数料の違いは少額でも確実に積み重なります。気になる人は毎月の手数料の違いを比べてからどの金融機関で口座を開設するか決めると良いでしょう。

NISAはロールオーバーで10年間運用可能

NISAは非課税期間の5年間が終了する際、その後の保有資産について以下の3つを選択できます。

  1. 翌年の非課税投資枠に移す(ロールオーバーする)
  2. 特定口座や一般口座などの課税口座に移す
  3. 売却する

NISAで運用してきた商品を翌年の非課税枠に移すロールオーバーを行えばさらに5年間非課税枠で運用することができます。ただしNISAは最長運用期間が10年のため、ロールオーバーできるのは1回だけです。またロールオーバーをしても掛け金の上限600万円という条件は変わりません。そのため新たに運用商品を購入するには「既存の商品を売却する」「課税口座に移す」といったことが必要です。

早く始めるほどiDeCoは有利

iDeCoは、掛け金の年間上限額はあるものの非課税枠の保有上限額がありません。そのため若いころから始めればNISAの600万円を超えて非課税で運用することができます。一見するとNISAの年間掛け金の上限120万円に目が行くかもしれません。しかし早い時期から運用を始めればiDeCoのほうがより大きな運用資産と税制優遇を受けられる可能性があるでしょう。

NISAとつみたてNISAの違い

NISAと一口に言っても大きく分けると「一般NISA」「つみたてNISA」 の2つに分けることができます。一般NISAとつみたてNISAの違いは以下の通りです。

項目NISAiDeCo
優遇内容運用益(売買益、配当金、分配金など)が非課税NISAと同じ
運用期間5年間(最長10年間)20年間(ロールオーバーなし)
年間掛け金上限120万円40万円
非課税保有上限額600万円800万円
対象商品・投資信託
・国内外の株式(個別銘柄も可)
・ETF(上場投資信託)
・ETN(上場投資証券) ・REIT
・定められた投資信託とETF
途中引き出しいつでも可能NISAと同じ

一般NISAとつみたてNISAは、税制の優遇内容や途中で引き出し可能な点は同じです。一方で運用期間はNISAがロールオーバーを利用しても10年なのに対しつみたてNISAは20年間と非常に長くなっています。しかも非課税で保有できる上限額は、つみたてNISAが800万円と一般NISAよりも多くなります。そのため年間の掛け金上限がつみたてNISAは40万円とNISAの120万円に対して少なくなっています。

しかしコツコツと長期的に積み立てることでつみたてNISAのほうが多くの税制優遇を受けることが期待できるでしょう。つみたてNISAは、決して一般NISAの縮小版というわけではなくiDeCoのように長期的に運用をしていくタイプの制度です。ただしNISA口座は「一般NISA」「つみたてNISA」のどちらかしか選択できず併用はできません。

目的に合わせて併用もあり

NISAは、優遇期間や掛け金の上限を見ると短期間で運用益を得るための投資制度です。一方iDeCoは原則60歳までは引き出せないことから年金としての制度と言えるでしょう。つまり両者は同じような税制優遇の制度ですが本来の目的が異なっています。そのため短期的な資産運用ではNISA、老後年金の備えとしてiDeCoと2つを上手に併用することがおすすめです。

2つの税制優遇枠を最大限に活かせる点もしっかりと押さえておきましょう。低金利の時代においては、資産を銀行に預けていてもほとんど利息がつきません。そのため資産運用を行い積極的に増やすことを考えたほうが将来の安心につながります。NISAとiDeCoのそれぞれのメリットを生かして賢く資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。

(提供:THE Roots

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